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コソ泥と姫  作者: 生丸八光
3/4

コソ泥と姫3

得意気な顔で鍵穴を覗き込む男を不安な顔で見る姫・・・


姫「どうです・・開けれます?」


男「へへへーっ!チョロイもんさっ!」


と言ったが、鍵穴に針金を挿し込みガチャガチャするだけで、一向に開く気配がない・・・


男「あれ?おかしいなぁ・・・これで開くハズなんだけど・・」


男の表情は曇り出し、次第にイライラ眉をしかめてガチャガチャかき回す。姫は、そんな男を見て再び鍵を探し始めると直ぐに!


姫「あっ!見つけた!こんな所に引っ掛かってたわ!」


姫が鍵を見つけ拾い上げた瞬間!『ガキッ!』鈍い音が響き、音の方へ顔を向けると


男「ハハハハ・・針金が折れて引っ掛かっちゃった・・」


苦笑いを浮かべる男・・・折れた針金が中で詰まって、鍵が挿し込めない・・・


姫「あ~ん、もう!どうしてくれるのよ!」


男「ハハハ・・時々あるんだよな・・こう言う事が・・・」


姫「時々あるじゃないわよっ!この役立たず!何が簡単よ!誰が大泥棒なの!」


男「俺だ!俺が大泥棒だ!」


偉そうに応える男・・・


姫「バカじゃないの・・・」


呆れる姫に男は悪びれもせず


男「こんな戸棚ブッ壊せばいいじゃん!どうせ、魔物がメチャメチャに壊して行くんだから」


姫「そんな乱暴な事言わないで下さい!」


そう言って、姫は男から針金を取り上げると、鍵穴に詰まった針金を取り出そうとカリカリ穴をほじり出す。


男「早くしろよ!魔物が来ちまうぞ!」


姫「そんな簡単に出来ないわよっ!」


姫の頭もカリカリして来る・・・と、下の方から大きな音が響いた・・・


男「どうやら、魔物のお出ましだ・・」


姫「あなた剣術の方はどうです?魔物なんて怖くないって言ってたけど、強いんでしょ?」


男「もちろん!強ぇに決まってる!」


姫は少しホッとして、部屋の隅に立て掛けてある剣を男に手渡す。


姫「魔物が来たら、この剣で戦い私を守って下さい。お願いします!」


男「嫌だ!自分の身は自分で守れ!」


姫「なっ・・」


姫は思わず、剣で男をブッ刺してヤろうと思ったが、グッと我慢して


姫「・・あなたが、どんな人か分かってきたわ・・」


男「やっと分かったか!俺は大泥棒、神にも認められた大泥棒よぉーっ!」


姫「はいはい、大泥棒です。凄いですねぇー!」


姫のバカにしたように言った言葉を男は真に受け


男「ナハハハハッ!俺は大泥棒だぁーっ!」


大声を張り上げ、喜んでいた・・・その声に誘われたのか、魔物が大勢押し寄せて来る。男が、部屋の扉を押さえるが、魔物は扉をブッ壊す勢いでブツかって来た!





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