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私の魔王様  作者: 龍崎 明
中編 勇者選定
29/33

29.炎竜王

7/1は、失礼致しました。忘れていました。

というわけで、本日、もう一回投稿です、まず一つ目どうぞ

『誰だ、テメェ?』


 偉大なる竜王の一柱の第一声は、そんなチンピラじみた言葉だった。


「お初にお目にかかる。我は魔王ネモ・サタナエル。貴方の同僚だ」


 我は、礼儀をもって炎竜王に名乗る。


『マオウ?……魔王だと!?』


 それを受けての炎竜王は、意味を掴みかねるように言の葉を口の中で一度、転がし、そして、意味を捉えて驚愕を露わにした。


『テメェが魔王だと言うのなら、その力を示してもらおうか!!オレはオレよりも弱いヤツなど認めはせん!!!』


 その次の行動は、我らとしては予想外のものだった。


 竜王最大の攻撃。


 霊力を集束し、そのエネルギーの全てを余さず破壊力へと変える、必滅の霊術。


 【竜氣功咆(ドラゴンブレス)


 それが何の加減も無く放たれた。


 迫る紅き奔流。炎竜王の放つそれは当然、火属性だ。


 しかし、だからといって迫る奔流は火焔ではない。


 あれは可視化された霊力であり、火の概念だ。相性はない。エネルギーの多寡のみで勝敗は決し、あちらが勝てば、その奔流に呑み込んだ悉くを焼滅させることだろう。


 だが、我の扱うモノは魔力だ。その質は霊力に大きく劣る。本来ならば勝ち目はない。


 ここの魔宮核を支配化に置けば、さらなる霊力を利用可能だが、それは炎竜王が許さないだろう。


 今あるモノでどうにかするほかあるまい。


 我は、左手を突き出した。


「【穢魔忌(ルイン)】」


 それはベルトリンデより学んだ死属性霊術の応用。本来、魔力を霊力に変換するための魔術の逆作用。霊力の魔力変換だ。


 我の左手より漆黒の波動が放たれる。


 それは、炎竜王の放った紅き奔流とぶつかり合い、爆炎を生み出した。


 だが、我もリリスも炎竜王も、その炎熱と爆風に脅かされることはない。


 炎竜王の放った紅き奔流は、我の魔術によって魔力に変換され、魔法に成り下がったからだ。


『何だ、今のは!?』


 それは炎竜王にとってあり得ざる光景だったのだろう。驚愕の様子を見せる。


 だが、その戦意に些かの衰えもない。


『ふははは!!面白い!面白いぞ!!もっとだ、もっと力を見せやがれ!!!』


 そう言って、炎竜王は鋭い剛爪を備えた腕の一本を振り上げた。


「何て無礼な飛び蜥蜴でしょう!畏れ多くも魔王様たるネモ様に力比べを申し込むとは!しかも卑怯千万の不意打ちとは!」


 状況についていけず、停止していたリリスが再起動し、炎竜王を罵った。


『あぁ!?テメェ今、オレを飛び蜥蜴と言ったか?!』


「えぇ、言いました。何度だって言いましょう。人類如きに簡単にしてやられるオツムの足りない図体だけは無駄に大きな飛び蜥蜴!最強の生命体を自負しながら、先代魔王様の用意した避難所に隠れ棲む臆病者の飛び蜥蜴!」


『コロス……!』


 リリスの罵倒に、沸点の低いらしい炎竜王が殺気を向けた。


 一介の精霊に過ぎないリリスでは、どれだけ長き時を生きようと炎竜王には敵わない。


 そのはずなのだが……。


『ちょこまかと!』


「ほらほら、どうされましたか?私程度も捉えられないようでしたら、ネモ様には万が一にも勝ち目はございませんよ?」


『すぐにぶっ殺してやらぁ!』


「あらあら、威勢だけはよろしいですわね。でも、私はこっちですよ?」


 幻術で逃げに徹するリリスを、怒りによって冷静ではない炎竜王は捉えることができないでいた。


 炎竜王の攻撃の悉くが、リリスの幻影にしか当たらないのだ。


 まぁ、リリスの方も攻撃手段がないため、長引けば炎竜王が勝つのであろうが、それにしたって圧倒的な翻弄ぶりである。


 しばらくは、このままにしておくか。


 あの様子では炎竜王もストレスを溜め込んでいたのであろう。


 あの巨躯では、どれだけ空間を用意しても屋内というだけで窮屈だったことであろうからな。


 人類に命を狙われているということも問題だ。爀灼大社は、人類の生存圏のすぐ近く。難攻不落とはいえ、攻め続けられれば、良い気はしない。


『ガァアア!!ウザってえ!さっさとオレに殺されろや!』


「そう言われて、殺されにいく者はおりません。ほらほら、悔しかったら、よく狙いなさい。吠えるだけなら犬にもできます」


『クソアマァア!!』


 しかし、世界の管理者の一柱がチンピラのような言動なのはどうなのだろうか。


 威厳も何もないのだが。

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