訪う詩
この道行かばあなたに会える
あなたの声と姿と匂い
この道行かばあなたに会える
もはや全ては絵巻のように
あなたと歩んだ道と景色の残像が
私に冷たく襲い来る
虚しさに似た切なさが
私の心を抉って削って通り過ぎる
記憶の中の希望に満ちた眩しさが
私の何かを焼いていく
移り変わった景色を見れば
まざまざと時の早さを思い知る
この森行かばあなたに会える
例え躰は朽ち果てようとも
この森行かばあなたに会える
例え心はそこにはなくとも
この坂行かばあなたに会える
呼吸を整え、髪を直して心の準備が出来たのならば
この坂を超えてあなたに――