二話
こんにちは。黒まめです。
前回でSPの記述をしていなかったのでこちらでかきます。申し訳ありません。
SPとはレベルが上がるごとに10ポイントだけもらえるものでそれを自身の好きなステータスに割り振ることでステータスを上げることができます。ちなみにですがステータスはSPのほかにもジョブを参照して上がる分もあります。
中に入るとちらほらとプレイヤーが見える。作っている物は人それぞれだが、鍛冶師はおらず疑問に思っていたら奥の方に鍛冶工房と書いてある看板があった。なのでそちらの方に歩いていく。
中に入ると炉の熱で蒸されたような熱気が伝わってきた。懐かしさを感じながら空いている部屋に入り炉に火を入れ持っていた鉄を投入する。しばらく待つと溶けた鉄が流れ出してきたので錬金術で炭素を抜き、凝固で固めてインゴットにする。炭素を抜く理由は、抜かない状態の鉄は脆く叩くとすぐ割れてしまうからだ。先刻とった鉄を還元し終えたら次はいよいよ武器を作っていく。
今回作るのは刀だ。刀は東洋の物で片刃の武器だ。特徴である刃紋や反りを入れるのは至難の業だが俺は前世の方であらゆる武器を幾度となく作って来たので感覚はわかる。ここからは無心で今出せる究極の一振りを作る。どんなにいい素材でも鍛冶師がだめだったら意味がない。
ただし、これが逆だった場合どうなるか。このヴェルクの造り出す鍛冶の神髄。篤と御覧じろ。
赫く染まった鉄を叩き、伸ばす。何度も何度も叩き続ける。カンカンと小気味いい音を鳴らしてだんだんと形が出来上がっていく。一切の妥協を許さず叩き続ける。
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数十分程経つと美しい刃紋と見事な反りの入った刀が出来上がっていた。仕上げにちょいと研いでやったら完成だ。久しぶりに槌を握ったがなかなかにいい出来だった。
「銘は、そうだな。『飛燕』だ。うん、いい出来だ。案外鈍ってないもんだ。」
出来上がった刀に満足していると眼前にメッセージウィンドウが現れ
「《名刀・飛燕》を入手しました。」
などと言ってきた。システム的な判定は名刀らしいが、性能の方は如何ほどか。確認してみよう。
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名刀・飛燕:STR+300AGI+50
名工が造り出した鋼鉄の刀。同じ鋼鉄でこの刀に勝るものは同じく名工が造り出したものしかないだろう。
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確かに鋼鉄にしてはかなりいい性能であると言えるだろうが、やはりまだできたのでは?と思ってしまうのが鍛冶師の性だ。次はもっといい性能のものを作ろう。とりあえず今日はひたすらに武器を作ろう。刀だけではなく短剣、長剣、大剣、盾、槌、弓、槍etc...持っている鉄を使いつくすまでやろう。そうしよう。
そうしてついつい翌朝まで作業してしまっていたが楽しかったのでよしとする。生産職なので鍛冶をしているだけで性能で経験値が上がるらしく、一気に14レベルまで上がっていた。ちなみに武器の性能はこうだ。
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名工の短剣:AGI+200STR+100
名工が造り出した鋼鉄の短剣。同じ鋼鉄でこの短剣に勝るものは同じく名工が造り出したものしかないだろう。
名工の長剣:STR+350
名工が造り出した鋼鉄の長剣。同じ鋼鉄でこの長剣に勝るものは同じく名工が造り出したものしかないだろう。
名工の大剣:STR+500VIT+50AGI-50
名工が造り出した鋼鉄の大剣。同じ鋼鉄でこの大剣に勝るものは同じく名工が造り出したものしかないだろう。
名工の盾:VIT+300
名工が(以下略
名工の鉄弓:STR+150
名(以下略、矢によって、威力が変わる。
名工の槌:STR+450
め(以下略
名工の槍:STR+300VIT+100
m(以下略
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とまぁ、こんな感じでステータスが
PN:ヴェルク
Lv:14
JOB:鍛冶師
SJOB:___
HP:360
MP:150
STR(筋力):178+80
VIT(耐久):49
DEX(器用):87
AGI(速度):47+50
LUC(幸運):16
スキル:《錬金術》LV:_《弓術》LV:1《槌術》LV:1《付与魔法》LV:1《転移魔法》LV:1
装備
頭:なし
胴:布の服(VIT+1)
腰:布のズボン(VIT+1)
足:布の靴(VIT+1)
左手:名刀・飛燕(STR+300AGI+50)
右手:___
SP:0
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てな感じだ。武器は使い勝手がいいので基本は飛燕だが状況に応じて使い分けるつもりだ。このゲームは熟練度を上げるとスキルを覚えられるらしいのでどんどん覚えていこうと思う。
さて、じゃあ訓練がてら次の街に続くダンジョンに行こうと思う。突破できたらしたいな。という考えなので行くだけ行ってみる。が、その前にひと眠りしたいのでいったんログアウト。
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睡眠終了。ばっちり寝てきた。もう冴えわたってるぜ。
街を出て南の方に向かうとダンジョンがあるのでそちらに向かう。歩きながら鉱石を抽出するのを忘れずに。この作業はMPを使わないで済むのでありがたい。そうこうしているうちにダンジョンに着いたがどうやらダンジョンには名前があるらしい。ここは洞窟型なのだが、名前は【グラムウェア廃坑道】というようだ。ここでも抽出は続ける。いい鉱石が手に入るかもしれないからな。中に入ると少しひんやりとした空気が漂っている。しばらくは一本道で楽に進んでいた。その時、目の前に緑色の小人が現れた。ゴブリンだ。やつは俺の姿を見つけると襲い掛かってきたのですれ違いざまに一撃入れてやることにする
「GIIIIII!」
「ほいっとな」
「GIGYAAAAA!?」
断末魔の叫びをあげてポリゴンになっていったゴブリン。想像の10倍弱かった。触れた瞬間溶けた...そのまま歩き続けること数分。襲ってくるゴブリンを撫で斬りながら進んでいると大きな扉が見えてきた。もしやあれがボス部屋だろうか。思いのほかあっさり行けたことに驚きつつスキルを確認すると《刀術》が生えていたので短剣を二本装備する。いわゆる双剣だ。とりあえず《短剣術》を習得するまで使い続けるつもりだ。作った武器のスキルを習得したら技のバリエーションも上がる。つまり、手数が増える。手数が増えると相手をすぐに殺せる。ということは?戦闘が楽になるっていうことなんだなぁ!さぁボス戦だ!
「いざ、鎌倉!」
扉を開けると大きい空洞にでてその中央にはビッグサイズのゴブリンが目を閉じ佇んでいた。そいつは俺の姿を確認すると、目を開け咆哮した。
「GUGYAAAAAAAAAAAAAA!」
「かかってこいやオラァ!」
棍棒を振り回しながらこっちに来たデカゴブを避けつつ足首を斬りつける。二本目の短剣が深く入ったようで勢いそのままにデカゴブがこける。
「っしゃ、追撃じゃ!」
「GU,GUuuuuuu」
目を潰してからひたすらうなじ当たりを斬りまくる。デカゴブは起き上がろうとしているが足首半ばまで切ってあるのでなかなか起き上がれないようだ。
「オラオラどうしたぁ!そんなんで終わりかぁ!?」
「GI,GIOOAAAAAAAAAAAAAAA!!」
と思っていたら驚くことに奴は起き上がり俺を振り払った。俺は早めに空中で体制を整え、戦闘態勢を作り直すと、予想通り大ぶりな横攻撃が来たので転移魔法のテレポで下に転移してよけ攻撃後で隙だらけのデカゴブの向かって走る。すると奴は棍棒を捨てて殴りかかってきたので防御をする。
「抽出!凝固!形状:壁!」
「GI!?」
錬金術で壁を作る。金属だけを抜き出すのでなければかなり早く抽出できるので後はそれを壁の形に変えればいい感じの盾の完成だ。作った盾を使ってもよかったのだが、こちらでもこの技術が使えるのか試してみたかったのだ。
「フゥハハハ!我が国の錬金術は世界一ィィィ!死にさらせぇぇえええ!!」
そのあとすぐに伸びきった腕に乗って走り短剣を脳天にぶち込む!見る見るうちにHPが減っていきついに0になった。デカゴブは倒れポリゴンになった。しばらく余韻に使ってるとレベルアップの通知とともに初のソロ討伐の通知が来た。
「なになに?『ゴブリンキング初ソロ討伐おめでとうございます!報酬の賞金一万ゴルドと小鬼の王の指輪を贈呈します!』だって?てかあのデカゴブ、キングだったのか...まあいいや。指輪の性能は?」
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小鬼の王の指輪:STR+50
小鬼の王を単独で倒したものに送られる指輪。装備すると力が上がる。
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「ふむ。なかなか悪くない性能だし、装備しておこうかな。」
右手の人差し指に指輪を嵌め、ダンジョンを出る。するとそこには森があった。【モンテ大森林】というらしいが、町はどこだろうか。わからない以上はまっすぐ進むしかないだろうと思っておれは森を歩き始めた。もちろん金属の抽出も忘れずに。
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何分かさまよっていたが何とか街にたどり着いた。街の名前はトゥーシリア。相変わらず安直だ。建物は木の家が多い。中には木の中に家がある物も。かなり自然って感じの場所だ。ちなみに《短剣術》は習得できていたので次は長剣だ。それにさっき彷徨っているときとダンジョンで新しい鉱石が手に入ったので加工したくてうずうずしている。魔物の素材でも武器は作れるのだが、素材を100%活かして作るとなると錬金術師のジョブがあった方がいいが、この街でサブジョブの設定はできるのだろうか。気になってマップを見ているとそれらしき場所を見つけたのでいってみることにする。
「ここがジョブ選定所か...サブが決めれたらいいが。」
結果的に心配事は杞憂に終わりサブに錬金術師を入れることができた。錬金術師になると何ができるようになるかというと《錬成》と《錬金》ができるようになる。まず錬成だが、これは素材そのものを鍛えてより強靭さを増したものにできる。普通の鉱石にも使えるので、強力なものをさらに強力にできるのは喜ぶべきことだろう。
次に錬金は素材を別の物質に変えることができる。どういうことかというとMPを使用して鉄を金に変えたりできるということだ。だが何でも作れる代わりに欠点があり、それは一回手にしたものであれば消費なしで錬金できるが手にしたことのないものだとその素材の希少度に応じたMPを必要とすることだ。これにより前世での希少な鉱石を錬金自体はできるが、この体では手にしていないのでMPがかかるのだ。そもそもこの世界に存在しないかもしれないので呼び出せるかもわからない。鍛冶場に行ったら試してはみるが期待はしないでおいた方がいいだろう。
とりあえずは生産場に行かないと始まらないので、場所を探すためマップを開くとすぐ近くに生産場とあったので入る。中に入るとスタートルトとおなじ様な光景が広がっていた。ただスタートルトよりも人数はかなり少ない。前回のように鍛冶場に向かい扉を開けようとしたら後ろから声がをかけられた。
「あなた!そっちは鍛冶区画よ!?」
「それ、俺に言ってんの?」
「そうよ!裁縫するならあっちよ?」
「いや、俺鍛冶師だし...そんなこと言われてもなぁ。」
「あ、あら?そうだったの?ごめんなさいね?」
「あぁ、かまわないけど。おっさ...お姉さんはなんで引き留めたの?」
おっさんと言いかけたら空気が凍ったのでこの話はタブーなのであろう、筋骨隆々なのに女物の服を着ている矛盾満載のプレイヤーに問いかけると
「鍛冶区画には...そう!キャラが濃いやつが多いのよぉ?そこに可愛いおにゃのこが行こうとしてたら引き留めるわよぉ、普通。えっと」
「ヴェルクだ。まあ気にすんなよ。俺は個室でやるからさ。で、あんたの名前は?」
「マリーナよ?マリと呼んで頂戴ね。」
「わかった。じゃ、ありがとな、マリ。」
親切なオカマッチョに別れを告げ魔境だという鍛冶場の扉を今開く......!
いかがでしたか?なにか至らない点ありましたらご指摘のほどお願い申し上げます。
一話にて評価をしてくださった方やブックマークをしていただいた方本当にありがとうございます!更新の励みになります!今後とも拙作を宜しくお願いします。