関原玲
さあ、どうぞ、最終話です!
関原はいつものとおり早起きして病院へ行った。
自分が担当している病室にうるさい患者が一人いる。
別に自分の家というわけでもあるまいに、床に髪の毛が一本でも落ちていたら、行き届いていないとしてわれわれ清掃員のチーフ高田にチクるのだ。そして、チーフからは看護師長さんへ話が行く。
この日は掃除道具を工夫した。
床磨きのモップではなく、純粋なるホウキで掃いてチリやらホコリやら毛髪を集めてからチリトリで拾う。そのあとでモップで床を磨いてゆく。
次の場所へ行こうとしたとき、「高田さーん」とこれまたメンドーな黒添が呼びかけチーフのところへ行った。
どうせまた難癖をつけてくるのだろう。まだ入ったばかりの新米のくせに。俺の担当したところをやり直しに行かされるのが苦痛なのだろう。関原は通路の角に清掃しているふりをして聞き耳を立てた。
「高田さん、僕、前から思っていたんですけど、関原さんの掃除した跡って見事に汚れが取れてないんですよ。あの人ほんとうに幽霊かなんかじゃないんですか」
関原は心電図やら酸素ボンベやらたくさんの医療機器でつながれた患者さんの病室へすぅと入っていった。
(了)
プロの作家さんの作品を読んで充実した時間をお過ごしになれば良いものを、アマチュアの作品でここまで時間を使っていただき光栄の至りです。
時は金なり。
今や使い古されたことわざですが、実にそう思います。
ありがとうございました。




