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異世界なんてクソくらえ  作者: 南都河埜
ドワーフ王国編
49/194

地脈



 その晩は一旦帰り、翌朝シャルの転移門の魔法で再びベスターの居城へ戻って来た。

 つまり偽シエル焼却事件の二日後であって、フローラさんがドワーフ王と今後の調整をすると言っていた日の翌日である。

 そこでフローラさんの転移門の魔法で、ドワーフ王国の居住エリアにある待ち合わせ場所に飛ぶ。

 ドワーフ王国側としては翌日には治せるアークプリーストが来たと騒ぎになるわけで、それも自分達が利用しようとしていた勇者二人セットなわけで、何となくバツの悪い顔をする王様がいた。


「まさかこうもトントン拍子に話が進むとはな……」

「地脈は治せるならさっさと治してしまった方がいいですから」


 とりあえずどの程度の状況かを見ていないので、あの戦いのあった部屋の更に奥に案内してもらう事になった。

 今回は前回と違って楓子がいるので、状態異常を弾くシールドを使って毒に侵されないようにしてもらっている。

 それでも匂いは凄く、しかし長時間遮断すると酸欠に陥るので我慢するほかなく。

 千絵の防御魔法は色々凄くはあるのだが、清浄な空気だけが通れるシールドみたいな器用な物は作れない。

 シャル曰く、そのレベルで魔力操作が出来るのは歴史上いたとされる錬金術師くらいだろうとの事。

 今日はドワーフ王国の居住区からのスタートだった為、しばらくの間ダラダラと歩く羽目になったのだがあのゴーレムの撤去はまだされておらず、シャルがそれを見て頭を抱えていた。

 一昨日の状況を少し話すと今度は心底呆れた顔で言うのだ。


「あんなもの作るなんて正気の沙汰じゃない」

「ん、なんで」

「あれは一番魔力の透過率が高いクリスタルを原料にしている。起動に必要な魔力が大きいけど、対魔法性能だけを見ると何も加工してなくても千絵の魔法にだってある程度耐えれる。多分内部に魔力吸収と拡散の魔法陣があって、受けた魔力を必要な分吸収していらない分は弾く作り。あのゴーレムを吹き飛ばすなら、この地下都市を吹き飛ばすつもりでやらないと多分無理」


 確かに正気の沙汰じゃなかった。

 仮にあのゴーレムを魔法で真っ向からぶっ壊そうとした場合、それ即ちドワーフ王国が崩壊する可能性があったと言う事だ。


「魔力を吸収できた分、物理的にも魔法的にも強化されるから、千絵と楓子が叩いても多分壊せない。やるとしたら魔法攻撃をしないで付近の地脈を吹き飛ばしてから殴るしかない。でも勇者の物理攻撃には魔力が乗るから、多分それも吸収して頑丈になる」


 となると、あのゴーレムを相手にしたのが魔人達だったから良かったのか。

 如何にゴーレムが強かろうが、使う側が逃げ出しては人工知能とかが無いゴーレムが動き続けられるわけも無い。

 仮に千絵と楓子だけで戦っていたとすると、多分ドワーフ個人を攻撃するよりかは気楽だからゴーレムを優先しただろう。

 そもそもそうなるシナリオを作っていなかったから良かったけど。


「エルフが一目見てわかるとは、やるではないか」

「いずれ事を構える可能性があれば色々調べる」

「ふん」

「あ、いや、その王様? この子はぶっきらぼうな言い方がデフォルトなだけで、別段ドワーフを嫌ってるとかじゃないですから。シエルが来た時も一番心配してたくらいですから」

「……そうか、それはすまなかったな」

「いい。種族の問題は根が深い」


 千絵と楓子も辺りを見ながら歩いているが、基本的に居住区を離れれば人の背丈サイズの洞窟と、なんかしらの作業に使ったのであろう広間が交互に続いているだけだ。

 もしかしたらこの広間は、シエルが言っていた鉄鉱石以外の採掘で試掘でもした跡かもしれない。

 そう思ってシエルに声を掛けて聞いたら首を振られた。


「この辺りはもう開発禁止エリアのはずなんだけど……」


 そう言ってジト目で王様を見る。


「魔人の森の外縁部くらいまでなら試掘もする。バレなければいいと思っていたからな」

「そうですか」


 フローラさんがそれを聞いて笑みを深めるのだ。


「い、いや、勿論そう言ったことはもうしないが」

「いえ、代わりに掘って頂く分には構わないのですよ? ええ、代わりに掘って頂く分には」


 出たモノは渡せと。


「その点は気にしないで大丈夫だ。この辺りは質のいい土ばかりで鉱石類は何も出なかった」

「そうですか」


 王様の額にはびっしりと冷や汗が浮かんでいて、昨日も散々脅されたんだろうなぁ、力関係が決まってるなぁ、と少しかわいそうにも思う。

 ちょっと穿った考え方をすれば、魔人側がこっそり王都に入り込んでいた事で、ドワーフよりも優位に立っている事になる。

 勿論それはサクラだったり俺だったりしたのだが、ドワーフ側はそれを知らない。

 知らないからこそ、次何かあったらシエルを拉致される可能性も考慮に入れなければならない。

 あの脅しをかけるフローラさんなら、恐らくそれくらいは考えてチラつかせて動いていると思う。

 王としてみれば、シエルはある種人質みたいな意味もあるのだと思う。

 シエルをベスターと仲のいい俺が娶る事で、今回の件を丸く収めようと。

 王としてもベスターに嫁がせるよりは人間の俺の方が良かっただろうし、シエルがそれを望んでいた事もあって妥協しやすかったと思う。

 そして、『何かあったらシエルに危険が及ぶかもしれないので、ドワーフ王国側は逆らわない』と言う形にしたと。

 俺は何も了承していないのに、周囲が勝手に決めてしまうのでほとほと困る。

 ゴーレムを超え、その次の偽シエル焼却事件の現場を通り過ぎる。

 進むたびに土の匂いが濃くなって来ているが、それがただの匂いではなく魔力に付随されているモノだと言うのは何となくわかった。


「その先だ」

「フウコ、魔力も弾いて。トモヤには濃すぎる」

「うん」


 シャルが楓子に指示したが、確かに地脈の魔力がベスターの居城並に満ちている。

 ベスターの居城では言われなかったが、多分本来の地脈の魔力には慣れてないからだろう。

 この地脈の魔力は変質しやすく、地中では地属性だが地上では属性が無になる。

 ベスターの魔力も特に指向性を持たない、ただの魔王としての魔人の魔力なので属性もないようだ。

 これでフローラさんだと属性では無いが付与効果と言うか指向性として魅了がついたりするわけだが。

 広間に出るとベスターと世界樹の魔力が合わさった空間が広がる。

 そこは野球場程のスペースが広がっており、そこを横断するように直径五十メートル近い何かがあった。

 と言うか、それが世界樹の根なのだと頭では何となく理解出来たのだが、あまりにも大きすぎて根だと認識したくない自分がいる。

 しかし先日魔力探知で感じた太い物がこれだと言うのは理解出来てしまった。

 その根は上から下に真っ二つに割られており、その断面から世界樹とベスターの魔力が漏れ出ている。

 断面は一メートルは離れていた。

 ベスター側の方の魔力は必要が無いのか、その断面を焼かれて極力漏れないようにされているようだった。


「信じられない」


 シャルがそれを見てドワーフ王を睨んだ。


「こんな事をして、うちの地脈管理の担当が見たら発狂する」

「とは言うがエルフの地脈管理部門は殆ど働いておらぬではないか……」

「それもエルフらしさ」


 働けよ。

 いや星全域だから仕方ないかもだけど。


「むー……。これは酷い。いくら根に魔王の魔力が通っていても、これではいずれ根がダメになってしまう」

「そうならないように地脈の魔力を注入したり定期的に回復魔法を掛けたりと言う処置はしておったのだ」

「フウコ、ヒールしてみて」

「あまりにも大きすぎてどこから掛けていいかわからないよ……」

「中心から。それも焼けてる方をお願い。私が飛ばす」


 そう言うとシャルは地脈の真下の魔力が漏れ出ている所に行き、地脈の魔力を浴びながら楓子に向いて手を上げた。


「フライ」


 ふわっと楓子の足が地面から離れてゆく。

 ふわふわと漂うように、しかし次第と高度を開けて根と根と間に行った。

 何でわざわざ移動したのかと思ったら、飛行魔法であるフライの消費魔力がそれなりに多いようだ。

 魔力探知でじーっと観察してみると、この手の魔法は自分に掛けるから制御が出来るのであって、他人に掛ける場合は必要以上に魔力を消費して無理やり安定させているようだ。


「その感覚を覚えて。フウコの魔力制御ならすぐ使える」

「うんー、でもヒールに集中したいから今は無理かな?」


 そう言いながらぺたぺたと焼けた断面を触っていた。


「結構深くまで焼けちゃってるみたい。これフルヒールで治るの?」

「大丈夫。世界樹の生命力は異常。じゃなきゃ切った先から枯れてる」

「そうじゃなくて、植物なのにヒールで治るのかなーって事なんだけど……」

「植物もある意味では生物。特に世界樹は生命力と魔力の塊だから殆ど生物と言っていい。一緒にされたくは無いけど樹木が魔力で変異して魔物化したトレントと同じような物」

「じゃあ行くよ? うーん……えいっ」


 何やら集中すると、掌を断面に押し付けて気合を入れた。

 そこを中心に数秒間千絵の圧縮時の極大サンバースト並に発光し、光が収まったかと思えば焼けた断面が瑞々しい物になってゆく。

 それは断面全体に広がり、次第に中心部が盛り上がり、次第に楓子が後ろに押され、遂には反対側の断面に接した。

 多分光自体は魔力で、焼けた部分が治る程に光が収まって行ったので、世界樹の根と反応して発光現象が起きたのだと思う。

 そこで一旦楓子がヒールを止める。

 そしてシャルの操作でふよふよと地上に戻って来た。


「すっっっっっっっごく魔力持ってかれるんだけど……!」


 楓子さんおこである。

 楓子の魔力を調べてみると、魔力効率のいい楓子でさえ残り三割くらいになっている。

 元々の魔力量も千絵には及ばないが、シャルよりも多いのに高々数分の行使でこんなに減るのは異常だ。


「流石フウコ。教皇のフルヒールじゃ今の一割も回復してないし魔力枯渇で数日寝込んでるはず」

「こんな大きいと思わなかったしこんな魔力吸われると思わなかったよ……」

「吸われるって?」

「焼けた断面が綺麗になった辺りから、根っこが周囲の魔力を吸おうとしてくるの。ベスターさんの魔力は垂れ流しだから、本来の世界樹の魔力を欲してるんだと思う」

「そう。今のフウコは世界樹の魔力を背に受けながら、自分の魔力と世界樹の魔力でヒールをしている。だから世界樹が勘違いしてヒールと一緒に魔力を吸われるんだと思う」

「アークプリーストで勇者と言うのは物凄い回復量なのだな……」


 王様も驚いていた。

 と言うかその場にいる地脈管理のドワーフが目をひん剥いていた。


「我々のヒールでは焼いた断面を回復させるのも一苦労なのだ。流石トモヤがアテにするだけの事はある」

「そ、そう? 智也君私の事アテにしてくれてたんだ」


 えへへ、と素直に照れる楓子さんマジ女神っす。


「正直、遊び人で主夫と聞いて不安もあったが、トモヤの周りにはいい者が集まるようだな」

「それに関しては本当に恵まれていたと言うか何というか、幸いにも幼馴染が異常なので」

「これなら娘の嫁ぎ先としても安心出来よう。トモヤ、娘を頼む」


 それを聞いた女性陣の反応が恐ろしく早くて俺は尻餅を付くほか無かった。

 まず千絵が三十メートル程離れた位置から一呼吸の内に来た。

 疲れたーと嘆いていた楓子が、今さっき感覚を知ったばかりのフライで高速に一直線で飛んできた。

 断ち切られた地脈を難しい顔で眺めていたシャルが、肉体強化でも使ったのか大ジャンプして来た。

 そして尻餅を付く俺と、王の後ろにそっと隠れるシエルである。


「智也どう言う事」

「智也君説明して」

「しないと魔獣の餌にする」


 やめろマジで遊びついでに食われる。


「えっとだな、その、今回の件で王女様に求婚されて押し切られてだな」

「トモヤ、そいつ連れてきて。話し合う」


 シャルよ。

 話し合いと言うのは掌で電撃をバチバチさせながらやる事じゃないんだぞ。

 と言うかお前がその姿で怒ってたらダメだろう。


「ねぇ智也君。そもそもドワーフの王女様って会った事無いんだけど、どんな人なの?」


 その点、楓子は理性的だった。


「そうよね、まず会って話を聞きましょう。何で急にそんな事になったのか」

「いや、そのな、会った事はあるんじゃないかなー?」

「うそでしょ?」

「どこで?」


 なるほど、この二人は全く気付いてなかったと言う事か。

 シャルも『解せぬ』と憮然とした顔でいるのでわかっていないな。


「観念して出てきなさい」

「……はーい」


 その声の先に向く視線、視線、視線。


「私がドワーフ王国の王女、シエル・グランドです……」


 王の後ろからすごすごと出て来たシエルは、それはもう申し訳なさそうに顔を伏せている。

 でも何だろう、してやったりな雰囲気がどこかしらか感じられるんだけど。あれ、ちょっと笑ってる?


「そうだったんだぁ……。なんか納得かもね」

「そうかも知れないけど、うーん、確かに智也に懐いてはいたからわからなくも……?」

「裏切者」

「ちょ、シャルー、私別に裏切ってないよぉ。その、成り行きって言うか、もうこの人しかいないって思っちゃったって言うか、勢いだったって言うかー」

「既に智也に大分毒されて来てるわねぇ。言い訳の仕方とか」

「だねぇ。もう一ヶ月くらい一緒に生活してるもんねぇ」

「後でシェリールとシエルで話し合い。果し合いにならないといい」

「やめてよー。勝つのも負けるのも嫌だよー」


 ガチンコでやり合ったらどっちが勝つのか少し興味はある。

 この世界では一定以上の実力がある場合、前衛対後衛の戦いはシールドを破れるかどうかにかかってくる。

 破れなければジリ貧で、破れれば簡単に勝負がついてしまうからだ。

 だが、シエルの場合は破れなかったとしても身のこなしが異常なので、相手の攻撃魔法を殆ど受ける事無く攻撃してくる。

 それを考えると攻撃魔法自体がそれほど得意ではないシャル、と言うかシェリールの方が不利だろう。


「うーむ、トモヤには女難の相でもあるのかな」

「……そう言えばこないだの占いで、なんか色々言われたなぁ」


 人間族じゃないと読めないとか言っていたから、ドワーフが相手じゃわからないだろう。

 他にも人生で一番の危機みたいな話もあったけど、あれはどうなる事やら。


 楓子の魔力が回復するまでは説明し、回復したら再びフルヒールで断面を癒す。

 一度くっついてしまえば楓子が吸われる魔力量も減るようで、むしろ後の方が楽そうだった。

 そして九割程くっついたところでシャルから終わっていいとの許しが出た。


「そこまで繋がってしまえば、すぐ自己回復する」

「そんな回復力あるのか」

「当たり前。地殻変動で多少千切れても、一部が繋がっていれば元の太さまで回復するとすら言われている」

「流石星を覆う根っこだな……」

「では皆さん、私は一回戻って大魔王様に報告してまいります。すぐ戻りますので少々お待ちください」


 そう言ってフローラさんは一瞬で消えて行った。

 早くベスターに報告したかったのだろう。


「つーかーれーたー。智也君おんぶー」

「珍しいな、こうもだらけた楓子は」

「こんな魔力使った事ないもん」


 ペタンと座ったまま、隣に立つ俺に両手を伸ばしてくる。

 とりあえず手を取って引っ張り上げて立たせると、この後どうするかなーと考えた。

 もう俺達がドワーフ王国でやる作業は無い。

 あるとすれば観光くらいだが、ドワーフ王国は観光スポットは無く、あるのは作業現場だ。

 そう言えばシエルの持つドワーフ謹製魔法袋も欲しいなー。

 後は俺でも使える重さで質のいい剣と盾も欲しいなー。

 こっそり王様に頼んでおこうかなー、一応お金はあるし。


「ほう、このサイズを一時間程度で治したのか。凄まじい能力だな」


 変な事を考えていたら濃い魔力が急に現れて横にベスターが立っていた。

 開放されたから早速来たようだが、その魔力の濃さにドワーフのみならずさっきまで会ってたこっち側の面々も驚いているようだ。


「解放されてどんな気分?」

「次第に世界樹の魔力が入ってくるのを感じてはいたが、今か今かと踊り出しそうだったさ。フローラが戻って来てすぐに私も行くと言ってしまう程にな」

「やったな」

「ああ。これもトモヤのおかげだ。そこのドワーフの娘が嫁ぐと言うのであれば、うちの子も貰うか?」

「これ以上新たな火種はやめて欲しいかな……」

「ふむ、まぁいずれ話そう」

「いや、その手の話は」

「まさか断りはすまい。ん?」


 あかん、譲る気が無いぞこれは。

 後で俺がサクラに怒られるんだろうなぁ。

 むしろ後でサクラに怒っておいてもらおう。


「さて、ドワーフの王よ」

「お、お初にお目にかかる、魔王よ」

「うむ。此度の件、それなりの償いはしてもらわなければならぬ。また後日の会談で話の詰めはするつもりだが――、差し当たっては私の魔力を抑える魔道具を作ってもらいたい。それと魔人の森と言われている一帯を開発して近代化するつもりなので、その建材の制作を頼みたい。勿論タダとは言わん。それなりに値引いては貰うが」

「建材の件は了解した。だが、その魔力を抑えるとなると……」

「フローラから聞いたが、特殊なゴーレムを作ったと言うではないか。アレで魔力を一点に集めて地脈に流し込む事が出来ればいいと思ったのだが」

「開発者と相談させてもらいたい。アレはあのサイズだから機能している部分もあるのだ。それを人間サイズで使える魔道具となると少々難しい」

「最悪、魔力を収束させるだけでも構わない。一点に集められさえすれば転移門の魔法で城の魔法陣に流すさ」

「元は浮遊している魔力を集めるものだったはずだ。それを集中させて送ったら変に魔力溜りを作ってしまう危険もあるのでは……」

「我が領地内ならば元々漂っていた魔力だ。元々誰かが立ち入る場所でも無いし問題はあるまい」

「うむ……。わかった。こちらとしても全力で当たらせてもらう故、期待はしないで頂きたいが任せて貰おう」

「さて、とりあえずこの場は終わったと言う事でいいのなら、トモヤ達も引き上げてはどうだろうか。うちで食事をしてから帰ればいい」


 その言葉にベスターの後ろに控えるフローラさんがクスクス笑っている。

 それに気づいて少し面白く無さそうな顔をするベスターだが、まぁ諸々解決してきたと言っても、中々俺と会う機会も無いだろうし、少しでも話す時間を作ろうとするのは当然の事だろうし嬉しくもある。

 何にしても一通り解決して本当に良かったとホッとするのだ。



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