楓子頑張る
投稿を始め早三週間程。
来年もよろしくお願いします。
ちなみに大晦日だろうが私はお仕事です。
そして元旦も。
社畜万歳
教会関係の方で色々やる事があるからと、教皇の食事が終わるとさっきはいなかった大司教がやって来て連れて行った。
話はまた後日と言う事になったのだが、お願いとは一体何ぞやと言う所がはっきりしなくて非常にモヤモヤする。
一応教皇はしばらくの間、王都にて教会関連の仕事をする事になっているらしい。
隠居した身でも教会の細々とした雑務等では無く、日々あちこち回って国民の悩みを晴らすのだとか。
むしろ教皇と言う立場にあって堂々と隠居するのはどうなのかと思いもするのだが、今までいた聖地にて各国の巡礼者の相手をしていたようなので、『王都での職務から離れた』と言うだけのようだ。
そう言った仕事の事などよくわからないが、それによって国民が実際に元気づけられていると言うので、まぁいいのだろう。
根本的な話として、やはり宗教的な事には興味が無いし、信じれば救われる的な話も神本人を知ってるが為に信じれないのだ。
なので、言い方は非常に悪いのだが、いかに教皇が素晴らしい人で国民から愛されているとしても、どこか道化のように感じてしまう。
いや本当にごめんなさい。全てはあの神が悪いのだ。
だからこそと言うか、道化のように感じてしまったとしても、教皇本人の人の好さだけは良くわかった。
ちなみに教皇の本名はイフナース・ディーデリック・アントーン・ヴァンダムとめちゃんこ長く、ヴァンダムが家名に当たるらしい。
元々西の国から亡命してきた貴族で、それが公爵家の分家に嫁いだとかで王国的にはイフナース・ヴァンダムと言う名前になるらしいのだが、向こうの国では親の名前を代々受け継ぐタイプの命名らしく、正式な本名としてはそう言う事になっているのだそうだ。
で、面倒だからシェリールも教皇猊下としか呼ばなくなったとか。
そのヴァンダム家はピレーネ家の傍流で血の濃さは大分薄い方だと言うのだが、何となくそう言った外国からの亡命者とやらを迎えるのはハイリッヒ家なイメージがあった。
実の所、西の国から西の公爵領に亡命してきてそのままと言う感じらしく、何なら元々親交があったようである。
学校でも教皇の事は結構話題で、敬虔なジャポニー教信徒が『猊下と話してどうだったか』と、普段は異世界人だの次期国王だので近づいて来ないのにグイグイ来る。
教皇の訪問先に学校も含まれていたため、『教皇猊下のお言葉』と題された講義は全校生徒参加で一時間程話を聞く事になった。
基本的には『神は素晴らしい』『信じれば救われる』と言った事を繰り返していたのだが、物の考え方として、教皇自身は非常に善人なんだろうなと思わせる講義ではあった。
ただ他人を信じろとは言わず、ただ他人を愛せとも神を信じろとも言わず、自分が信じられれば信じればいいし、愛したければ愛せばいい。しかし、憎む前に冷静になって考え、本当に神を信じる事が出来るか考えて欲しい。なんて事を言っていたと思う。
ジャポニー教としての教えの基本がそう言う部分らしいのだが、これまで出会ってきた人の話を織り交ぜつつで話が上手い物だから一時間あっという間だった。
まぁ、あの神っぽいオッサンの教えだと思うと忘れ去りたい気持ちもあるのだが。
と言うか多分だが、人が勝手に解釈してるだけで、あのオッサンは事細かに指示してるわけでは無いと思う。
その翌日、俺をシェリールの婚約者として認める旨を教会として発表し、『これは近々結婚か』と王都が色めき立つのだが、その件に関しては俺は知らん。考えたくない。
数日経って、ようやく教皇との面会の調整が出来たとかで教会に転移門の魔法で関係者まとめてやって来て、教会の奥まったところにある執務室に通された。
教会として開放されている場所には司祭やシスターが何人も行き来して、訪れる人の話を聞いたり何かしら仕事をしているのだが、執務室のある辺りになると一般人どころか普通の司祭やシスターも立ち入り禁止らしい。
かと言って何か怪しい事をやっているのかと言えばそうでも無く、おはようからお休みまでプライベートが殆ど無い教皇や大司教の唯一のプライベート空間らしかった。
「さて、ようやく本題に入れるね」
高い位の僧侶の執務室の割には質素で、シェリールと俺、千絵と楓子と二人ずつソファーに腰かけてはいるが、これも前の世界だったらそんなお高くない程度の物だと思う。
その俺達の横に、一人がけ用のソファーに座って教皇がニコニコとしていた。
「それで猊下。一体私達は何をすればいいのですか?」
あの発表があったと騒ぎになった時に、シェリールならぬシャルはにっこにっこして人の背中によじ登ってきた。
お前はトラ子かと引っぺがしたけど。
「私はね、公爵家に連なる家に生を受け、八歳の時からこの道に入って七十年以上神の教えを説いてきたんだ。たまたまアークプリーストとしての才能があった事、私の力で助けられる人がいるならと、それはもう必死だったんだ」
半生を掛けて来たとは聞いていたが、七十年と聞くと重みを感じてしまう。
「ある時、ほんの少し後悔した事があったんだよ。王女殿下、何かわかるかな?」
「後悔ですか。猊下の事ですから、助けても助けてもキリがないとかでしょか」
「うん、それも少しはあったよ。そうじゃなくてね、私は実は凄く俗物なんだと思ったんだ」
「俗物ですか」
「そう。この道に入らなければ、もっと違う人生だったら、好きだったあの子に好きと言える立場だったら。気が付けば私は年老いていたんだ」
「猊下のおかげでどれだけの王国民が救われた事か」
「そう言ってもらえると嬉しいけどね。私はね、いつの頃からか若返りたいと思うようになってしまったんだよ」
そう言われ、この場の教皇を除いた四人で顔を見合わせてしまう。
若返り。
まぁ、歳も取れば考えもするだろう。
「隠居してずっと調べていたんだ。若返りの魔法の可能性を」
「理論上不可能ではないと言われていますが、体の細胞単位の話になりますので実現可能かどうかで言うと……」
若返りと聞いてざっと思い浮かんだことは、老化は細胞の老化によるもので、老化の原因は細胞分裂を繰り返して細胞内のテロメアが短くなってしまうからだ。
このテロメアが一定以上短くなると細胞分裂を止めてしまうとか何とからしいが、そこら辺を全身綺麗に復元出来れば可能性はあるのかもしれない。
ただ、そんな細胞一つ一つを再生させるような事、出来るのだろうか。
「そう、私のフルヒールでも数回かけると細胞の分裂が止まってしまう恐れがある。つまり神の奇跡を発現はさせている物の、結局は細胞分裂を促して無理やり傷を治しているに過ぎないんだ」
「実験をするにしてもリスクが高すぎます。特に猊下の今のお体ですと、ただ寿命が縮むだけの可能性も……」
「そこに女神フーコの噂を聞いたんだ」
急に呼ばれて楓子がビクッとした。
「私が治しきれなかった、元近衛兵団のアルバート君の体を綺麗に治したと。彼の体は度重なるヒールで既に本人の回復力に限界が来ていて、あれ以上回復させようとしたら体が崩壊する危険性もあったんだ」
それは初耳だ。と言うか下手したら楓子のフルヒールで殺してた可能性もある。
「それを見事に治して見せた。つい先日彼に会って体を調べさせてもらったんだ。実に綺麗な体をしていた。まるで若者のような」
それはつまり、ひん剥いて見たと言う事だろうか。
「女神フーコ、貴女のフルヒールは細胞すら復活する神のヒールだ。そこに限界は無い」
「猊下、ちょっと待ってください。確かにフウコのヒールの質は非常に高いですが、かと言って肉体に影響がある程の行使は双方に負担がかかります」
「そう。だから、これから毎日少しずつ、とりあえず二週間、私にフルヒールをかけて欲しい。それが私の願いなんだ」
「ですから猊下、フルヒールはそんな毎日使えるようなものでは」
「彼女は出来るよ。対コボルト戦の時の聖女フーコと言われた出来事を私も聞いている。あの日、貴方は三十回近いフルヒールを使ったはずだ。多少出力に差はあっただろうけどね」
それを言われると何も言えないシェリールだ。
話を聞いていても、可能性として無いわけでは無いならやってみていいと思う。
「なぁ楓子。どう思う?」
「うー……ん。多分体への影響が大きいから、もし成功したとしても体が思うように動かなくなったりするかも……。ヒールって魔法自体が体の一部に作用する物だから、一部だけ若返っちゃう可能性もあると思うの。その場合同じ体でも差が大きすぎて、若返った方の筋力が強いから今の体の骨や筋を壊しちゃうとかもあり得るし……」
「全身に均等には出来ないか」
「出来なくは無いと思うけど、出力が足らないから細胞の回復までさせられるかわからないよ……」
と言う事はだ。
「とりあえず、出力が足らないとしてもフルヒールとして全身にかけて試してみよう。むしろ出力が足らない方が全身に少しずつ効くだろうし。感覚としては一日一歳若返るくらいで」
「すっごく時間かかるけど、時間さえかければ多分出来ると思う……よ?」
楓子としては、安全性云々も去ることながら、自分の負担も凄い事になりそうなので滅茶苦茶後ろ向きだ。
それでも、可能性があるならやってもいい実験だ。
将来、自分達が老いた時に若返りたいと思うかもしれないし、若返らなければ成しえない事が起こるかもしれない。
「と言うわけでシェリール、俺としては試すだけの価値はあると思うし、この人のこれまでの功績を考えたらそれくらいの我儘に付き合ってもいいと思うんだ。俺が何かするわけじゃないけど」
「いやほんと丸投げよね。うーん、フウコがやってもいいって言うなら、私としても猊下の願いは聞いてあげたいと思うけど……」
「……とりあえず二週間、実験してみるって事でいいなら……いいよ? でも何か異常が出たらすぐ止めるからね?」
「と言うわけで、えっと、猊下。そう言う事でどうですか」
「トモヤ。君に神の祝福を」
あんな神の祝福なんて全力でお断りだ。
こうしてしばらくの間は楓子が教会に通う事になった。
ついでに神聖術と呼ばれる神の奇跡絡みの魔法を更に教わるような話にもなっていたが、回復系だけかと思ったら天候操作とか土壌改良とか多岐に渡るらしい。
天候操作は置いといて土壌改良まで神の奇跡で何とかしようとしてる事にびっくりだが、ここ数十年でようやく異世界人達の知識のおかげで土壌の栄養不足の事が知れ渡ったらしいが、この世界においては地面に満ちる魔力も大きく関係すると言い、土壌改良の魔法は足らない魔力を補う効果があるとか何とか。
最早なんでも魔力のせいだし、なんでも魔法で片付くんじゃないだろうか。
毎日通う事になった楓子の付き添いはシャルで、シャルとしては俺と一緒がいいからトモヤも一緒とか言い出し、なんかもう収集つけるのすら面倒で丸ごとシャルに押し付けてやった。
それに教皇にフルヒールをかけてる間は暇じゃん。どう足掻いたって。
集中してる楓子にちょっかい出すわけにも行かないし、待ってる間シャルと遊んでたら多分怒られる。『私が頑張ってる横でー!』って。
ついでに、そうやってシャルの意識を俺から逸らせたら多少は可能性があるんじゃないかと思ったのだ。
千絵は楓子が居なくても女友達やら貴族女子に誘われてお茶したりしてるし、半日くらい俺がノーマークな時が出来てもいいと思う。
シエルもいるが、彼女に関してはどう言うわけか頼めば大体目を瞑ってくれそうな雰囲気がある。
あの外での買い物でシュバインシュタイガー家の手先と追いかけっこをして以来、どう言うわけかシエルは率先して俺の味方でいてくれるのだ。
何だろう、トラブルが切っ掛けで惚れられたかな、なんて自分でも馬鹿らしい事を思いもしたが、ちゃんとシエルを観察していると、彼女は感情論だけじゃなく理性的に行動するタイプだとわかる。
まぁその割に家出同然で王国に来たりもしたが。
何ともよくわからないが、シエルとしては俺が変な事をしない人間だと信用してくれてるっぽいし、その信頼を裏切るのは少々心苦しいが半日くらい抜け出る余裕が欲しいのだ。
そう、北のベスター居城までぶっ飛ぶために。
とは言っても早々チャンスなんて訪れるわけも無く、これは企画倒れで終わるかもしれない。
一応学校が週休二日なので、その休みの日は何となく俺を監視しておいてくれとサクラには言ってあったが、最初の週末は千絵も特に出かける予定も無いようでベッドでゴロゴロしていて、『ちょっと散歩でもしてくる』と言ったら『私も行く』と言い出したのでダメだった。
恐らく千絵としても、俺が一人になる事の危険性を考えていてくれているのだと思うけど。
途中経過として教皇の様子はどうかと言うと、全く効果が無いわけでは無いらしかった。
本人の実感として、前よりも体の調子が良く、体を動かしても節々の痛みが出ないと大好評らしい。
となると欲が出るのが人間と言う物で、是非もっと強くしてくれと言い出すのだが、楓子としてはこれ以上やると何が起こるかわからないからダメと言っているらしい。
正直、俺としてはフルヒールで若返ると言うのは理論的には不可能で無いにしろ、アプローチとしては別方向からの方がいい気もする。
そもそもヒール自体が体の全体では無く一部分一部分を狙って使うものなので、今回のように全身の細胞を若返らせるとなると術者の負担が半端ないと思うのだ。
それがわかっていて楓子にやるように勧めたのは、あの時言ったように、教皇のこれまでの実績を考えたら、それくらい試してやってもいいんじゃないかと思ったからだが。
シェリールがあの場で心配していた術者への負担だが、これに関しては楓子だから無事で済んでるとしか言えないらしい。
シャルとして傍で見ていて、楓子が如何に魔力を制御して魔法を行使しているか、尊敬の念すら抱くそうだ。
恐らくこんなことが出来るのは、人間では楓子だけだろうとの事。
「むしろフウコにチエ並の出力があればよかった」
離れてる間にトモヤと言う謎成分が放出されてしまうとかで、帰ってくるなり首にぶら下がるエルフっ子が一人。
そんなんで成分吸収してるとしたら、それは吸血鬼か、でなければ実際生命エネルギーを吸収できるフローラさん達サキュバスかだろう。
サキュバスと言う種族的に魅了の特性を持ち、誰もがドレインと言う吸収魔法を使えるらしいのだが、サキュバスと言う種族なのに魔法が苦手らしいサクラはまだ使えないらしい。
今度実験台になれとか言われたので丁重に断ってトラ子を差し出した。どうだ可愛くて攻撃出来ないだろう。
「フウコの制御力ならチエ並のパワーでも無駄なく正確に使える。そうすれば全身にフルヒールの効果を広げても、ちゃんと効果あると思う」
「いや、実際安易に若返りなんて出来たら、楓子が本気で狙われるからな。エルフはどうだか知らないけど人間の不死や永遠の若さへの渇望半端ないからな」
「やだよー。私やだよー。毎日毎日こんな疲れる事したくないよー」
楓子は、帰って来るなり座ってる俺の足の甲を枕にして寝てたトラ子を引っ手繰って、自分のベッドの上でゴロゴロしている。
そろそろトラ子がストレスで逃げだす頃だと思うんですが。
「目に見えて効果が出てるとかは無いのか」
「うーん、皺が減ったよ? でも毎日三時間は集中して魔法使ってるから、何もかも割に合わないと思うの」
「私は無理だわ。三時間とか持たす前に魔力使い切ってるわね」
楓子の上の段で同じようにごろ寝する千絵も話に加わってきたが、お前の場合は莫大な魔力を三時間で使い切っちゃあかん。多分教皇が内側からはじけ飛ぶ。
自分の魔力探知能力の制度が上がれば上がるほど、千絵の魔力量が馬鹿げてる事がよくわかるようになったのだが、恐らく魔法師団の平均的なファイヤーボールだったら一万発や二万発は楽々打ててしまう。
魔法師団団長よりも多いと言われてはいたが、比較対象として王国トップが魔法師団団長の魔力量だっただけで、見た感じ数倍の差はあると思う。
実は団長より多いシャルでも千絵の方が何倍も多そうだ。
その上、魔力消費が大幅に減る特性も持っている。
まぁ、そんなバグかチートかな千絵だからこそ、本来は超広範囲魔法では無いサンバーストが王都丸ごと消し飛ばせる威力になると言うものなのだが。
そんな千絵さん、最近は魔力探知を併用しての超長距離魔法とやらの練習をしているらしく、数キロ離れた地点の目標物付近で魔力を練って発動させて目標を倒すなんてことをやってるらしい。
そんな遠距離攻撃が可能になったら、誰かがどこかで不審な死を遂げた場合は千絵に容疑がかかりそうな気がする。
「多分予定の日まで続ければ五十代位まで若返るかもだけど、しんどいよー」
それだけ楓子が恐る恐るやってるのだと思うが、かと言って出力を増した所で体に何らかの悪影響が出ないとも限らないわけだし、こればかりはしょうがない。
「まぁでも始めた以上、約束の二週間はやらないとだなぁ」
今ここで『大変だからやめます』なんて言ったら呪われそうだ。それも全魔力を使って。
「智也君、他人事」
「はい。ごめんなさい」
「うーん、じゃあさ、二週間が終わったらお買い物付き合って」
「それは構わないけど、この間結構使っちゃったから、あんな感じで皆からたかられると俺の財布がすっからかんになる」
あの元の世界料理の後、予定通り小物を見に行ったのだが、女性陣はあれもこれも気に入って選べないと言い出したので仕方なく俺の表向きの懐を全開放した。
そうして残ったのは銀貨二枚と銅貨が少しである。勿論金貨だけなら山ほどあるけど。
「そうじゃなくて、二人でお出かけするの」
「……千絵もシャルもシエルも置いてか?」
「私は今回位譲ってもいいわよー」
「ダメ」
賛成一と反対一になりました。
こんな事を楓子が自ら言う事はあまりないが、かと言って二人でどこかに行く事はそれなりにあった事だ。
部活の都合で楓子だけ暇だから買い物付き合って、とか。
「じゃあ私はトモヤと別日にデートねー」
そしてシエルは自由人でした。
デートてシエルさん。
今回の件でシエルと二人でいる事も多く、なんか今更な気がしないでも無いんだけど。
「ん、うー、まぁ今回は楓子だけが頑張ってるから一日位付き合ってもいいかぁ?」
「やった。学校の子に聞いて色々と行ってみたいお店あったんだよね」
「あ、ズルい。私も行くはずだったのに」
「ちーちゃんとはまた今度一緒にいこ」
「しょうがないわねぇ」
なんか向こうの二段ベッドでは二人してわかりあった風の会話をしているが、こちらは隣のシャルが不満気です。
「私も付き添いしてる。毎日」
「毎日添い寝してるんだし勘弁してくれ……」
むしろ、今の言葉にシャルが『うー……』と唸りつつも納得しちゃってる事に問題があると思うんです。
何だよ添い寝って。最早俺公認の同衾じゃねえか。
今に始まった事じゃないし、仕方ないなぁと一単語の言葉で自分を納得させてはいたが、本当はいかんと思うのです。お兄さんは。
明日、新年一発目分は少々長くなったので2話分割で纏めて上げる予定です。
よろしくお願いします。




