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咲瀬町の小さな物語  作者: しょーたろー
第一章 十年十色
8/50

第一章 十年十色 第七話 始動

お久しぶりです!

はじめましての方ははじめまして


一週間経ちましたね!

最新話、書きました!


まだまだ続きますからね!

最後まで読んでくれたらありがたいです。

よろしくお願いします。

「へ?」


その言葉を聞いた瞬間、清水宏(しみずひろ)は頭が真っ白になった。

予想外の展開。まさかの返事。考えていなかったこと。

彼はどうしたらいいのか分からなくなっていた。


分からないからこそ現実を受け入れるのではなく、嘘だと信じてもう1回返事を貰うことにする。


「もう1回、返事を聞いてもいい?」


石本由奈(いしもとゆな)は笑顔でまた答える。


「何度でも言いますよ。その案にはお断りします。」


彼女の笑顔は可愛い。可愛いけど、それは外見でしかなかった。

中身は・・・可愛くない。むしろ不細工に近い。


その証拠に清水宏がもつ特異体質、『色で相手の心を読み取る』のでは『赤』つまり、怒っているのだ。


なぜ怒っているのかは分からない。

分からないけど、怒る原因がどこかにある。

宏はどこにその要因があるのかを必死で考える。


考えろ。考えろ。考えろ。


そうしてる間に由奈はガタンと席を立ちお金を置いて


「それじゃ、私はこれで。次のシフトの時にまた。」


と言って帰っていった。


宏は待ってと言いかけたが由奈のその後ろ姿は話しかけるなと言っているように思えた。


どこの部分で怒ったんだろう。

あんなにも真っ赤になったのを俺は見たことがない。

色で相手の心は読み取れる。けど、それはその人の周りのオーラを色にしてるからだ。

どこで傷ついたのか分からない。

つくづく思う。人の気持ちなんて理解しようとしても分からないものなんだなって。


そう考えていた宏は外の景色見ながらぼーっとするしかなかったのだった。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


あれから1週間。


由奈はまともに話を聞いてくれなかった。

宏は2回同じことを頼んでダメだったら諦める性格だ。


けど、今回は諦められない。諦めきれない。


なぜなら、自分と似たような過去をもち、自分と同じ特異体質であるからだ。


自分だけが不幸だと思っていたからこそ、同じように思っていた彼女と助け合いたいし、まだこの町に特異体質な人がいるのなら助けたい。


ここで、諦めたらもうチャンスはない。

こんな幸運を捨てたとしたらずっと不運になると思う。

だから諦められないのだ。


そう考えついた宏はバイト終わりに近くの公園で話がしたいと由奈に伝える。

彼女は下を向きながら了承してくれた。


そして、バイトが終わり近くの公園に向かう。

その公園のブランコで小さく揺れて下を向いたままぼーっとしてる由奈。

そして宏は由奈のところまで行き、やるべき事をする。


「あのさ、あの時はごめん。どこで傷ついたのかは分からないけど、怒らせたからさ。」


そう切り出した宏。すると由奈は


「謝らなくていいよ。どこで傷ついたのかは分からないのに謝られても困る。」


由奈の言葉にぐうの音も出ない。でも、宏は諦めたりしない。


「そうだね。でさ、あの時に僕が言ったあれ。なんでダメなの?俺は君のおかげで救われたんだよ。」


そう、宏は彼女の存在。石本由奈という存在がいたおかげで救われたのだ。

なぜなら、自分のことを理解してくれたから。


同じ特異体質であり、似たような過去をもつ、そんな彼女だからこそ真剣に話を聞いてくれたし自分の言っていることを信じてくれた。

親に言っても信じてくれなかったことを彼女は信じてくれたのだ。

だからこそ。


「君が救ってくれたからこそ僕は同じように特異体質を持っている人がいるのなら助けたい。不幸なことばかりが人生じゃないんだって教えたい。」


そう言ったあと彼は涙が溢れだしてきた。


その言葉に対し由奈は涙を流す。同情ではない涙を。

そして由奈の思いを彼にぶつける。


「私だってあなたのおかげで救われたよ。けど、けど!私の特異体質は『1年後のある日から自分と過ごした記憶を忘れられる』そういうのなんだよ?私がどういう気持ちで生きてきたか分からないでしょ?」


そして由奈は溢れ出す涙を拭きながら本当の気持ちを伝える。


「もうこれ以上、私のこと忘れられたくないの。」


彼女はずっと忘れられてきた。自分が忘れたのではなく自分と関わってきた人全員が。


先生、友達、バイト先の先輩、近所の人、家族。


だからこそ自分のことを理解してくれた彼には忘れられたくなかったのだ。

思い出ばかりつくったとしても由奈の中でのみ残るだけだからだ。


それを聞いた宏は涙を拭き、笑顔でこういう。


「大丈夫さ。僕は忘れたりなんかしない。忘れたとしてもまた思い出を作っていけばいいんだよ。君の存在を忘れるのなら忘れる前に紙に待ち合わせの日付を書いておけばいい。あと、僕は忘れたとしても思い出すから。」


彼の最後の言葉を聞いた由奈は少し怒りながら


「なんで、そう言いきれるの?」


すると宏は笑顔から少し真面目な顔になり


「それが人間だからだよ。」


と、答える。


「人間って誰しも忘れるもんさ。昨日の朝ごはんなんだっけ?とか、先週の土曜日何をしたっけとか。けど、思い出すこともできる。どうでもいいことでも必死に考えたら思い出せる。だから僕は忘れない。忘れたとしても思い出す。」


彼の言葉に由奈は哀しみという呪縛から解き放たれた気分になった。

そして、


「それで、どう?もしこの町にまだ特異体質を持つ人がいるのなら助けたい。友達になれたら最高だよね?僕が君に救われたように。君が僕に救われたように。他にもいるのなら助けたい。返事を聞かせて欲しい。」


そして由奈は満面の笑みでこう返事する。


「こんな私でよければ是非とも強力させてください!」


そして、石本由奈と清水宏は他にもいる不幸な人達を助けることにする。


宏は由奈とこれからどうやってその人達を見つけるか考える。

宏はあることに気づき少し笑ってしまう。

由奈は気になり問い詰めるものの宏は答えたりしない。誤魔化してやり過ごそうとする。


答えたりできるもんかよ。君の心はずっと『青』つまり悲しんでいたのに今は『黄』なんだからさ。








ここまで読んで下さりありがとうございます!


やっとスタートしましたね。

これからどんなことになっていくのか。


乞うご期待!


次回も同じように1週間後です!


次回も読んでくれたらありがたいです

よろしくお願いします

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