第一章 十年十色 第五話 覚悟
お久しぶりです!
はじめましての方ははじめまして
すみません!明日には投稿するっていいながら三日すぎました!
諸事情により投稿でいなかったです
由奈の過去の後編です。
最後まで読んでくれらありがたいです。
お願いします
「はぁ…はぁ…」
石本由奈は息が切れるほど走った。体力がもつ限り走って走って走って。
涙を流しながら髪が乱れても気にしないほどただ全力で走った。
途中、転んだりもした。けど、それでも気が済まない。
そして、辿り着いたのは咲瀬町の坂の上にある公園だった。
その公園はには子供たちが遊べる遊具があるが、目立つものがある。
それは、大きな木だ。
その木は四季を一番感じれる。
春になると桜が満開に咲き誇り、夏になると緑の葉で覆い尽くされ、秋になると緑の葉が紅葉へと変わり、冬になるとその葉が落ちていく。
ただ、その木が生えてる場所は立ち入り禁止である。なぜかというとその木に触れることは昔から許される行為ではないからだ。
言い伝えみたいなものである。
そして、もうひとつの言い伝えを思い出した由奈はそれを実行しようとする。
「あと、1時間。」
ブランコに座りそう呟く。そして、色々なことを思い出す。たそがれながら夜空の星たちをみて1つずつ、1つずつ。
両親との思い出。
小さい頃、お父さんに肩車をしてもらうのが好きだった由奈はそこから見える景色に夢を覚えた。自分の背丈では見れない景色。その景色は色鮮やかに輝いていてとても綺麗だった。
そして、お母さんが作る料理が一番美味しいと思っていて、今でもそれは変わらない。中でもカレーライスはとても美味しい。由奈は辛いものが苦手なので隠し味にハチミツをいれる。するとサラッとしたカレーになる。それがどのカレーライスよりも1番美味しい料理だった。
そのことを全部忘れられた。自分という存在が何者なのか分からなくなってきた。
両親というかけがえのない存在二人から辛い顔を見せられた由奈は思い出すだけで涙がでてくる。
ただ、諦めてはいけない。まだ友達が残っている。
沢山いる友達の中でも1人だけでいい。自分のことを覚えていたらいい。1人だけでいいから夢とかドッキリとかで終わらせて欲しい。この悪夢から解放してほしいと心の底から思い続ける。
そう考えながらいるともう夜中の0時になっていた。
そして由奈は立ち上がってその大きな木へと足を運ぶ。
その大きな木の目の前にある立ち入り禁止の柵を越える。
越えたあとは一本の雑草が生えてある道になっており木までおよそ50mくらいある。
半分までいったらある字が描いてあった。
「あった。」
由奈はあの言い伝えは正しいんだと確信をもつ。
その言い伝えとは、咲瀬町の一番大きい木の目の前で願い事をすると叶うというのである。
願い事はひとつのみで、願い事をいった最後に『この思いを咲かせてください。』と言わなければならない。
そして、願い事を丑の刻つまり2時まで願い続けなければならない。
全部叶うとは限らず、思いが強い願いでないと叶わないのだ。
そして、咲瀬町に住んでいる人のみが願い事をいう権利があり、ほかの町に住んでいる人が願っても絶対に叶わないと伝えられている。
その言い伝えを小学生の時に聞かされた覚えがあった由奈だが、噂であり都市伝説みたいなことなのであまり信じていなかったのだ。
でも、今は違う。
信じ難いことでも信じないといけない。
だって、それほどの不幸が起きたのだから。
そして由奈が見つけたものとは木から柵までの間にある石だ。
その石は小学生くらいの大きさで道の端にある。
誰がどう見ても普通の石だが、この石には×印がついている。
その石があるところが木から柵までおよそ半分の位置であると言われている。
今思うとあの話をしてくれた友達は咲瀬町のことをよく知っていたけど、2年生の3学期に転校したんだよな。
今は何をしてるのかな。
私のこと、覚えているのかな?
そう考え淡い期待をしたあと深呼吸をし願い事を心の中で呟く。
「どうか私のことを誰か忘れないでください。」
「この思いを咲かせてください。」
彼女は目を閉じながらずっと願い続けた。受験生が志望校に受かるよう願うのの倍くらい。
家族という大事な宝物が無くなった今、できることは友達が自分のことを覚えているか。そして、この大きな木に願い事をすること。
明日、もし友達全員が忘れていたとしたら彼女の居場所はどこにあるのか。
町を出ることは出来ない。なぜなら誰かが思い出すかもしれないから。誰か自分のことを覚えている人がいるかもしれないから。
だから、願う。
誰でもいい。
たった1人だけでいいから。
私のこと忘れないで。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
次の日
由奈は朝5時くらいに自分の部屋の窓を開け学校の支度をし制服に着替えて登校する。もちろんドアからではなく窓からでて。
朝早く登校するため時間つぶしに学校近くのコンビニ行き雑誌を手に取り読む。
じっくりと見て内容を覚えようとはしない。ただ見てるだけ。
見てる途中、誰かに後ろから由奈にしか聞こえないくらいの声で
「コラッ!」
と言われた。
最初はヤバいと思ったがもしかして…と思っていた。
振り向くとそこには担任の先生が立っていた。
由奈の担任は男の先生で真面目な先生である。生徒の名前も全員把握しているような先生で由奈は先生たちの中では一番信頼している。
その先生から
「外で話がある。」
と言われたので、雑誌を元に戻すして先生の後ろをついていく。
ついたのは学校のなかにある生徒指導室であった。
その部屋にある椅子に腰をかけて嫌っていうほど怒られた。
やってはいけない行為というのはわかっている。立ち寄る必要がないのもわかっている。
だから、先生が言っている内容を流していく。
そして、最後に先生はこういう。
「それで、君は何年何組?名前はなんていうんだ?」
由奈は下を向き涙を見せないように名前をいう。
先生は慌てはじめ話を合わせるかのように怒るのをやめた。
教室に行くまでの間も席についてからもトイレにいったときも
誰1人、挨拶をしてこなかった。
クラスメイトは全員、由奈を見てこんな子クラスにいた?みたいな顔をする。
それに耐えきれなくなった由奈は始業のチャイムが鳴ると同時に荷物をもって家まで走って行った。
学校が見えなくなったところで歩き始める。それと同時に涙がこぼれてくる。
涙を拭きながら歩いて涙を拭きながら歩いてを繰り返す。
止むことはなく家に着いたのだった。
ドアを開けて中に入る。リビングにはお母さんがいて由奈を台所に呼ぶ。
由奈はやっと涙が止まったので台所にいくとお母さんが真剣な顔で座ってこう話はじめた。
「由奈、私とお父さんねあなたとの思い出全部思い出せないの。本当にごめんなさい。本当にごめんなさい。」
お母さんは謝りながら泣き始めた。
そんなお母さんを慰めるために由奈はある決意をする。
「お母さん泣かないで。私のさ通帳あるじゃない?あの通帳ってお母さんが管理していたけどこれからは私が管理していく。私、1人で暮らすことにする。」
その日の夜、お父さんにも同じことをいい、了承を得た。
次の日から由奈は1人暮らしをするためのアパートかマンションが見つかるまでの間、学校には行かずにお母さんの手伝いをし始めた。
そして、アパートが見つかりその家に引越し1人暮らしをし始める。
由奈の通帳にはお年玉やお小遣いなどが入っており両親がもしものためにと小さい時から貯めてた貯金も入ってある。
このお金で当分は困らない。
最後にお別れをする。
「お母さん、お父さん私、頑張るから。私のこと忘れたとしても思い出は残っているよ。写真だけどね。それじゃまたね。」
由奈は別れを告げたあと覚悟を決める。
これから先、何があったとしても両親に会わないと。
最後まで読んで下さりありがとうございます
次の投稿はいつだろう。
結構、伏線だしたしプロットも見直さないとやばいので
1週間後までにはだしますよ。
きっとw
次の投稿も読んでくれらありがたいです。
お願いします。