第一章 十年十色 第四話 過去
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石本由奈は中学二年生まで毎日が充実していた。
とても明るく、優しい性格であった。
友達にも恵まれ、毎日が楽しかった。
自他ともに認めるくらいのリア充。別に彼氏がいるわけではない。ただ、リアル(現実)が充実しているからだ。
笑顔で溢れる日々。そんな日々が続くだろうそう思いっていた。
けど現実はそうではなかったのだ。
なぜなら今の彼女がそうとはいえないからだ。
じゃあなぜ、そうじゃなくなったのか。性格が180度変わったのか。
そして口を開き1つずつ思い出す。
彼女は初めて自分を理解してくれる人に出会えたのかもしれない。
そう思うからこそ自分の身に起きた過去を目の前の彼に話そうとするのだろう。
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人は過去に大きなことがない限り性格が変わることはない。
自分から変えようと意識しても難しいくらい。
高校デビューはキャラを作ることだが、性格を全く別物に変えることはできない。
たくさん努力したら変わることができるが大抵の人はそういうふうに実行しようとはしないだろう。
そのことを痛感する出来事が彼女の身に起きたのは中学二年生の5月であった。
「おはよう!」
「おはよう!今日も元気だね」
「まあね!」
季節が夏に向けて変わろうしている時期、彼女は走りながら今日したいこととかを考える。考えついたことを実行することにワクワクをしながら学校に向かう。
石本由奈は朝、自分の席に座るまでの間にたくさんの友達から挨拶をする。
数え切れないくらいの友達に。
席に座るとクラスの友達がゾロゾロと集まってくる。
集まってきた友達は昨日あった出来事や恋話、愚痴や授業のことなど色々と話し掛けてくる。
そのことに対して由奈はおもしろおかしく返答をする。
「昨日さ、野球部の田中と島田が自転車でニケツしてたんだよ。それを見つけた高山先生がさあの体型でだよ?全速力で追いかけてたんだよ。自転車なのに追いつかれてこっぴどく怒られてたし」
「本当に?あいつらってそんなに馬鹿なんだね。私も自転車でニケツしようかなぁ。ものすごく大きい人形を後にのせて。」
「なにそれ!」
「そんなこと思いつかなかったよ」
と言いながら友達は笑い出す。
それを見ることが由奈は好きだった。
由奈が一番大事にしているのは思い出である。
なぜなら、その思い出を大人になった時に話したりした時にも笑いが起きるからだ。
あの時、こんなことしてたね、あんなことあったね。
など、思い出はいつ思い出してもデメリットにならないからだ。
そう思い続けると思っていた。
でも、それは長くなかった。
「ただいま。」
「あ、あら。おかえりなさい。」
頭の中でクエスチョンマークが大きくでる。
由奈が帰宅するのは7時前だ。
その時間から変わることは絶対になかった。
早く帰って来ることはあっても遅く帰ってくることがないのだ。
そして、いつもただいまと言って帰宅するとお母さんが台所から出てきて笑顔でおかえりなさいと言うのが日課だった。
なのに、お母さんは浮かない顔で返事をし、下を向いたままでいる。
「なにかあったの?」
由奈は本当に心配だった。もしかしてお父さんが倒れたとか?はたまた喧嘩して別居?離婚もありえるかもなど、色々と考えついていった。
でも、台所にはお父さんがいた。しかし、お父さんは頭を抱えながら由奈を見たあと何も言わなかった。
おかしい。その疑問だけが心に残る。
言いたいけどいえないことくらい沢山あるだろう。
けど、今回のは明らかに違うなにかだ。
お父さんは結構大きな会社で働いてる。上司に怒られたりしても家族の前ではそんな素振りを一切見せたりしない。
お母さんはスーパーのレジ打ちをしている。
どれだけ疲れていたとしても、仕事と家事を両立するような人だ。
その二人のことをよく理解しているのは間違いなく娘である由奈自身だ。
だから、この雰囲気がおかしいことはすぐに分かった。
暗い雰囲気の中での食事。
二人とも食欲がないのかあまり食べようとしない。
いつもなら世間話をするのに、全く会話をしない。
「ご馳走様でした。」
由奈は二人よりも早く食べ終え、皿を片付け洗ったあと、お風呂にはいった。
お風呂から上がったあと、二人の話し声が聞こえた。
耳をすませば聞こえるくらいの小さな声で離していた。
「ねぇ、あなた。」
「なんだ。」
「あの子のこと覚えている?」
その言葉を聞いた時、嘘でもいいから夢であるように願った。
唖然とし、ただただ夢であるように願った。
その言葉に対してお父さんがこういう。
「やはりお前もそう思ったか。俺も帰って来た時からおかしかったんだ。3人で写っている写真があるのに、この子のことをなんにも思い出せないからな。」
「あなたも?私、最初は心霊写真じゃないかって疑ったくらいよ。でもあの子、普通に帰宅してきたから。」
そして、由奈はその言葉を聞いた瞬間涙を流すことなく服に着替えて全速力で走り出す。
「ねぇ、あなた。あの子の名前分かる?」
その言葉は由奈にとって色々な思い出を消す矢であった。
服に着替えてから家を飛び出し走っていく。その間にも両親が追いかけてくれることを信じていた。
けど、両親は追いかけてこようとしなかった。
行く宛もなく、ただ走る。
気づいたらこの町で一番大きな木が生えてる公園にたどり着いていた。
気づかずうちにあることを行おうとしていたのだ。
それは小学3年生の頃、由奈はある日友達とお菓子を作ることになる。
その中で、友達があることを教えてくれる。
「知ってる?この町にあるあの大きな木。あの木に0時から2時の間、同じ願い事をずっと繰り返し繰り返し願うと叶うらしいよ。」
「そうなんだ。おまじないかなんかなの?」
「うんうん。ただ、願う時に『どうか私にこの花を咲かせてください。』って願い事をいったあとに言わないといけないらしいよ。」
そのことを思い出した由奈は涙を堪えながら0時になるのを待っていた。
ここまで読んで下さりありがとうございます
次回も由奈の過去を描きます。
投稿は明日にしようかな?
と考えています。
評価を付けてくれたらなによりです。
そして、次の投稿も読んでくれら幸いです。
お願いします。