第一章 十年十色 第二話 本当の気持ち
第二話できました!!
久しぶりのかたは久しぶり
はじめましての方ははじめまして、しょーたろーと申します。
十年十色、第二話。
ここにきて宏の過去を描きました。
是非、最後まで読んでください。
清水宏は心ないことを言うところがある。
だが、今はない。自分が覚えている限りでは。
彼は中学生の頃、ある特異体質に目覚めた。
それは、平凡な自分の人生を狂わせるほどのことであった。
今から話すのは彼の過去の物語である。
彼、清水宏は友達が少ない。人見知りで友達作りが下手、相手から話しかけられると話せるが話しかけることがあまりできない。
今は自分を変えようと話しかけるように努力しているが、意識しないとできない。
しかも彼は幼い頃から一人で遊ぶことが多い性格ではあった。友達と遊んだ回数は中学までで百もいかないだろう。
そんな彼だが、笑わない子っというわけではなかった。
作り笑いではなく素直に笑顔がでる性格であった。
そんなある日、彼の性格も変える出来事が起きる。
「なんだこれ…」
5月のことだった。彼に異変が起きたのは。異変が起きたとき少し時間が経ってから自分の目を擦る。擦った後、また見てみる。でも、彼の見る景色はおかしい。
普段なら食べるはずの朝食を抜いて、この頃の季節には似合わないほどの汗をかきながら学校に向かう。
タオルで顔を覆うようにして汗を拭き周りを見てみる。でもおかしいことに変わりはない。
学校につき、自分の席があるクラスに向かう。でも、向かっている最中だろうと教室についた時だろうと席に座った時だろうとなにかおかしい。
何が変わってそんなにおかしいと思うのか説明すると
彼が今、見えている人の胸のあたりが色々な色に見えている。
服とかではなく淡い色。服の上から見える淡い色。
彼はその日、授業を全く聞かずに何を色にして例えているのかを調べることにした。
なぜ例えているとたどり着いたかというと色は一人一色ではなく色々な色に変わるからだ。
1日を通してわかったこと。それは
赤、青、黄、緑、紫、白、黒の七色であること。
赤は怒っている、青は悲しい、黄は喜び、緑は楽しい、白は本音、黒は嘘、であること。
白の本音は今、話していることがということ。黒も同じく今、話していることがということ。
これだけのことがわかった時、宏は交友関係を持つことに意味がなくなったのである。
それからというもの彼はいじめの被害に合わないよう避けつつ交友関係を作ろうとしない毎日を過ごすようになる。
休み時間に見る仲のいい女子三人組。いつも話す時はニコニコしていて見た目も可愛いし楽しそうに話していたら誰もが羨ましいと思って当然だろう。
だが、彼から見れば全員『黒色』。つまり嘘をついている。百歩譲って『黒色』から『緑色』か『黄色』になるのなら許せるが『黒色』一色。
他の子と話してる時の方が『黄色』や『緑色』になる。
自分の友達だってそうだ。
宏が唯一信頼していた友達。そいつは話してる時は常に笑顔だった。前の宏ならこんな自分と話してても楽しそうだなと思っていた。ありがたいと思っていた。
でも、本当は違った。その友達は宏と話してる時、青色だった。
なんで?あんなに楽しそうに話してるのに。
その疑問がずっと離れないから自分なりに調べてみてわかった。
彼は仲のいい友達が他に五人くらいいてその人達と喧嘩したり、嫌いあったりした時に宏のところにきているのだ。
簡単に説明すると宏は仲のいい友達と仲直りするまでもしくは仲直りするまでの暇つぶしに使われていたのだ。
だから、悲しい色である『青色』にしかならなかったのだ。
宏の回りにいる友達も大体はそんな感じだった。
『黒色』だったり、『無色』つまりなにも考えていなかったりと。
何も考えていない時の色である無色は宏が一番傷つく色だった。
七色のどれかなら諦めがつくけど無色は何をいっても聞き流しているか何も思っていないかのどちらにしかならないからだ。自分から本音をいったり暑く語ったりしてもその人は見た目は聞いているようにしていても中身は全く響いていない。
そんな現実を彼は受け入れられなくなったのだ。
彼が交友関係を断ち切ってから趣味にしていること。それは勉強だった。
将来のためとかではなくたんにしていて損はないからだ。
元々から成績が悪かったわけではない。学年二百人くらいいる中で二十位である。
趣味を勉強にしてから彼は学年一位になった。彼の学力ならどの進学校にでもいける。
県内でもトップの進学校にだって。
それでも彼は全日制の学校にはいかなかった。いきたくないし、いったとしたら嫌でも交友関係をつくらないといけなくなる。
だから彼は通信制の高校に進学することにした。
親からは
「大学までのお金は払ってやる。だが、もし大学に進学できなかったり卒業と同時に就職を選んだら仕送りは一切やらない。そして、高校は一人暮らしをしろ。通信制なんだから働く時間だっていくらでもあるだろ。部屋はこちらで用意するから入学してからすぐに一人暮らししろ。」
と言われたのである。
だから、今の彼は一人暮らしをしている。勉強とバイトを両立しながら一人で生計を立てている。
今のバイト先である「color-Game」は時給も高いし店長がとにかく優しい。スタッフルームで勉強をさせてくれるし教えてくれたりもする。
店長は見た目とは違い大学をでている。だから勉強もできて教えるのも上手だ。
宏は勉強を休憩中にやり仕事も手を抜かずにやることを心がけている。
親との約束だし将来きっと役に立つと信じているからだ。
だけど、接客は苦手というよりかはやりたがらない。
人の気持ちがわかってしまうからこそ本音がポロリとでてしまう。
前に宏の中学時代の友達だった人がたまたま来たことがあった。
その時、宏は頼まれていたのとは違う料理を出してしまった。
その時のこと
「すみませんでした。以後気をつけるようにします。」
と、頭を深々と下げ心から謝罪した。
その時、友達だった人から
「いいよ、いいよ、気にしないで。」
と、優しく笑顔で対応してくれた。普通ならいい人だなとか思うところだが、宏は違う。
宏は相手の気持ちを色にして見分けられるからこそ分かってしまったのだ。
彼が楽しんでいたことを。
『緑色』は楽しんでいるということ。別にその人が友達と来ていたわけではない。一人で来ていたのだ。
何か友達関係でトラブルがあったのだろう。最初は『青色』、つまり悲しんでいたのだ。
だが、宏がミスをした時、楽しんでいる時の色である『緑色』になったのだ。
それがわかった時、宏はつい本音がでてしまった。
「何、楽しんでんだよ。」
っと。
そう言った瞬間その人は怒り出した。
そこからは宏には似合わない喧嘩が始まった。殴り合いだが向こうからの一方的な。
口で罵声を言うものの手を出したりしない。汚いやり方のように思えるが、宏は人のことを殴れない性格だからこそ殴らせるだけ殴らせた。言いたいことは全部言ったのである。
そして、店長が止めて裏に呼び出されて怒られた。
「もう二度とそんなこと言ってはダメですからね!気をつけて下さい!」
だから彼はあまり接客をやりたがらない。というよりかは接客をする人が少なかったときだけするようにしている。
あんな態度をとったのにも関わらずここに置いてくれてる店長に感謝しているからこそ店に被害が起きないための方法を彼はとっているのだ。
そんなある日だった。
彼女に出会ったのは。
よく見る嘘の笑顔。みんなからちやほやされてるからこそ作る笑顔。心の底から作れる笑顔ではない。
そんなの宏が見たらすぐに分かることだから。
だが、彼女は違った。
彼女が笑顔になった時、心は悲しんでいたから。
ここまで読んでくださった方どうもありがとうございます。
続きはまた1週間後くらいに作りたいと思います。
目安ですので今日から1週間のうちどの日かには出してると思います。
また読んでくれたら幸いです!
是非、評価の方も宜しくお願いします!!!