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七罪華〜傲慢の花〜  作者: 鰍
第-3章 神様は味方してくれない
1/58

-3.1 プロローグ

-3.1





少年は弱かった、弱いくせに正義感は強く大事だと思えるものを守りたかった。

転んでも倒れても涙に溺れようと何度も立ち上がり理不尽な世界から大事なものを守りたかった


しかし、守れなかった 、少年は奪われることしかできなかった。

必死に抵抗しようとも運命の激流に流され、少年は人の形をした、ただの中身のない空っぽの器だけを残して全てを失った。


少年は恨んだ、この理不尽な世界を、弱い自分を。


少年は弱い自分を鎖で拘束し、薄暗い檻に閉じ込めた。

強くなるには今の自分は枷同然だ。

強くなるには大事なものは邪魔になる。

強くなるには強者を喰らうしかない。

強くなるには弱いものは不要だ。


少年は刀を持ち強い者を喰った。

喰って喰って喰いまくった。


いつしか少年の体に黒いモヤの様な物がまとわりつき、額から角のようなものが突き出す。

髪は腰まで伸び、全身は甲殻の様なものに覆われ、爪は鋭く伸び少年の姿は跡形もなくなってしまった。


────そして人々に鬼と恐れられた。


雨上がりの空 雲の隙間から光が鬼を指す。その光は鬼を通り越し足元の水溜まりを輝かせる。

鬼はその水溜まりを覗くと弱かった頃の少年でなく、怒りに満ちた顔の鬼でもなく、


悲しい顔をした鬼がいた。


少年は鬼に聞いた。


強くなれた感想は?


…………………何か…違う……。


まとわりついてた影が消え、鬼の顔の横を1粒の涙が肌を滑る。


するとそこに、

少年の前に現れたのは縮こまって泣きべそをかく幼い子供だった。


「人鬼発見!」


騎士達がそう叫ぶと少年の視界に映っていた子供は霧のように消える。


瞬時に敵と認識した鬼の周りに再び影がかかり、腰に掛けてある刀を抜く。

────刹那、騎士達は首から血を流し倒れ、立っているのは首の横に剣を構えた少女とその少女の首に刀を突きつけた鬼だけだった。


油断していたとはいえ、少女は初めて攻撃を受け止め、全身に骨が軋むような鈍い衝撃を伝える。

重い、初めて受け止めた斬撃の感想はそれだけだ。


鬼はすかさず斬撃を繰り出し、勝負は瞬く間に終わってしまう。

得物を弾かれ腰をつき倒れたのは鬼だ。少女は鬼に剣を向ける事なく鞘に納めると鬼は叫ぶ。


「なぜ殺さない!俺はお前に負けた!弱者は強者に蹂躙され、殺され、全てを奪われる。それがこの世の……!」


「私は貴方を殺さない。貴方は私を殺せない。それに、こんなのに勝って得られるのなんて虚しさだけよ」


少女が背を向けると鬼は胸に仕込んだ短刀を無防備な少女の首に刃をたてる。


「なぜ動かない」


「貴方は私を殺せない。だって、貴方は優しいもの」


少女はすぅっと鬼の涙を拭う。


「この雫が何よりもの証拠よ」


瞬間、鬼の周りにあった影と共に少年に宿った鬼が剥がれ、舞い散る花弁のように少年から剥離した。

鬼の姿ではなくなったとはいえ、鬼として過ごしてきた数年間は少年の身体にちゃんと歳月が刻まれている。

少年は、かつて少年だった頃の面影を僅かに残し成長した立派な青年になっていた。


「貴方が今まで何人殺めてきたかなんて私は知らない。でも貴方が変われる人だということを私は知っている、信じてる。もしもぉ、仮にまだ罪を重ねそうになった時はぁ…………」


少女はポッケからペンとメモを取り出し幼児が書いたような地図を青年に渡す。


そして、「いつもここにいるから」と青年に告げると少女は歩いて荒野を去っていった。


最後まで読んでいただきありがとうございます。

これから楽しんで読んでもらえたらなと、ベタな文を並べさせて頂きます

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