膝をかしてくれる人
私は無芸な奴だから
さり気なくおどけてあげられない
私は無粋な奴だから
無邪気に癒してあげられない
だからこんな夜
夜ふかしをして
君の話を聞くことにしよう
犬ほど芸はないけれど
私と暮らしてよかったと
きっときっと思っておくれ
相づちのつもりで喉を鳴らすのを
私が甘えるものと
いつまでもいつまでも
勘違いしていておくれ
私にごはんをくれる
膝をかしてくれる
泣き虫を隠している
強くて優しい君
どんなことでも
なんでもかんでも
あることないこと
たくさんたくさん聞かせておくれ
あくびでもいい
涙をぽろぽろ流してもいい
今夜おしゃべりでいておくれ