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04 桜色の少女?

少し、説明の多い内容になってしまったと思います。途中で読み進めるの飽きてしまいましたら、申し訳ございません。

 私が目の前の状況に放心していると、バタリ と扉の開く音がした。


 びくっと驚き、あわてて、扉の方向に視線を向ける。



(あ、綺麗な、女の子…?)

 と、それが私の『彼女』の第一印象。


 16歳ほどの少女だろうか?


 腰まで届く淡い春の桜を思わせるような髪の色。アンティーク調のレースのふんだんに付いた、黒いドレスのような服装がよく似合っている。

 まるで、蜂蜜色の目をしたフランス人形が、そのまま人間の大きさになったような感じだ。


 かわいらしい少女、というよりも、どちらかといえば清楚な美少女だ。

(身長165cm程度、私と同じくらいの身長かもしれない…)


 少女の服装は、ゴスロリという分類に入るのだが、残念だが、私の知識にはない服装だ。


「~~~」

 淡桜色の髪の少女は、ふわりと優雅に一礼をし、ついで目線を下げる。その行動はきっと、闇色の男に対してのものなのだろう。


(そういえば…、男は、この部屋を自分の城と言っていたっけ)


 見渡せば、石つくりの部屋だ。高価そうな家具が品よく配置され、ヨーロッパによく見られる類の城の内部のようだった。


 (この部屋の広さから見、とても大きな城かもしれない)

 まあ、日本から出たことのない私は、もちろんテレビなどで見るだけで、実物の城の大小などわからないけれど…。



 私は部屋の内部をぐるりと見た。



 私は、部屋の中央に立っていた。男は少し離れた重厚なソファーに腰を下ろしている。そのゆったりと座る姿は、気品に満ち溢れ、別階級の人間のような高貴という言葉がしっくりときた。


 (貴族…? そういった人…? ええっと、確か貴族の階級があるのは、イギリスや、オーストリアや…)



「!!!」



 少女が下げていた目線を上た。そして私と目が合った。


「~~~~!」

 少女は驚きの表情で何かを言っている。どうやら、私に話かけてきているようだと思った時には、扉の前にいた少女が距離を狭め、私の目の前に近寄った後だった。


(やっぱり同じ目線。身長が同じ高さ)


 そして、少女は自分のたわわな髪を取り、そして今度は私の髪を指し、

「え? 私の髪ですか?」


 と少女の行動がわからず、なんだか申し訳なく思ってしまった。

「ええっと…、お、お邪魔しています」

 私は、なんと言っていいのわからず、とりあえずぺこりと頭を下げ挨拶をした。



「???」

 少女は私の言葉を理解できなかったのか、はたまた日本流のお辞儀が奇妙に思えたのか、闇色の男に顔だけ向け、2、3私の知らない言語で言葉を交わした。




「あの、もしかして、日本語は貴方しか通じていませんか?」


「ふむ。おかしなことを言う。貴殿が僕以外の誰かと、何故 『話す』必要があるのだ?」


「……」


 『話す必要性はない』といわれ、ずきりと 心が痛んだ。

 存在そのものを否定されたように、疎外の感情がわきあがり、私の心に暗さを落とす。


 もともと、対人関係は苦手だ。

 だから、弓はとても心地よかった、

 自分自身との向き合いに没頭できる。


 けれど、それでも、人とのかかわりをすべて拒絶するるもりなど始めからなかった。

 だって、私は1人では生きて行けない。とても弱い生き物なのだ。まだ心が熟練されていない、また年老いて、熟練されることがあったとしても、きっと私は人を求める。


 心の弱ことこそ、私の個なのだと、そう感じていた。


「~~~」

 少女は私の落ち込んだ表情に感づいたのだろう、悲しげな表情を見せた。その綺麗な蜂蜜色の瞳は私より悲しげに映る。


「女神よどうした? 暗く落ち込む表情を見せるな、貴殿は光輝いてこそ意味をなすのだ」


(……)


「ふむ。僕はニホンゴの言語構成を間違えたか?」


「『~~~~~~』は、ふむ…」

 男は、おそらく『そちらの世界の言語』であろう言葉を、復唱し、日本語の変換を再度試みているようだ。



「…清らかなる僕の女神よ。その祝福の笑顔で僕を、とりころうに捕らえてしまうがいい」


 ふむ。コチラが正しいか? とたずねられたのだが。


「す、すみません。わかりません。日本語として私にどちらも伝わっていますが…。

 それ以前の問題として、もともとの言葉の内容がわかりません……」


 それにしても、『とりこ』や『捕らえる』など、私には程遠い魅力ではないだろうか?

 この端正な顔立ちの優美な男に言われるほどの魅力などあるはずない、と断定し、思わず苦笑してしまった。


「ふむ、それでいい」

 にやりと男は、笑い、私は、あっと気づく。


(もしかして、励まして…?)


 だから、伝えよう、『私は女神ではありません』と。きっと、私はその女神様と人違いされているのだ、こんなに気を使ってもらっては…。




「あの、私はあなたの言語がわかりません。

女神はあなたの世界の女神なのですよね?

ですから、こちらの言語を話せない私は、女神でないという証拠になりますよね?」


 私の長い言葉に、少女は不安げに沈黙を守った。

(ごめんね、今は私に話させてね? 誤解をといたら、私はここを出て行くから)

 きっと、見知らぬ異国の人間がこの城にいることに、もしかしたら、今更ながら少女は不安に思っているのかもしれないと思い直した。

 そんな視線を少女に送り、闇色の男の回答を待つ。


「やれやれ、そんな事を何故? 貴殿は女神だ。僕が貴殿を間違えるはずなどないのだよ」


「女神よ思い出すがいい。貴殿は、言語どころか『言葉』すら持たない存在ではないか…」


 闇色の男は、その黒く流れる髪を少しだけ揺らし、奇妙なことをいいのけた。


「言葉を持たない・・・?」


 では、どうやって、話すのだろうと。私は不思議に思い、私は首を傾けてみる。



「貴殿は、僕の脳裏に、直接イメージを送り込んでくるのだ」

男は、その優美な右手の指をこめかみあたりに軽く触れた。そんな些細なしぐさでさえ、美しいく どきり とした。



「だから、はじめに、貴殿の声が音となって、僕の耳に届いたとき、

僕は、とても驚いたのだよ」


 そういう、男の口元は楽しそうだ、その驚きのな現象さえ楽しんでいる、そんな意味合いの笑みだった。



「それに、もっと驚くことに、貴殿に形があったのだ」

「形?」


「ふむ、貴殿は形のない、いわばかすみのようなもの、

沸いてははじける、泡のようなものではないか…」


「は、はあ…。泡、ですか…?」


「ふむ、貴殿は女神、女神は世界のそのもの、

もっと簡潔に言い述べれば、この『大地のうねり』、なのだよ」



(すみません、簡潔ではないです…)


「ふむ。理解はできたか?」


 といって、男はそこで言葉を止めた。


 そして、沈黙が続き、沈黙が続き――、

 私は、ついに耐え切れず。


「はい」


 と答えようと、が…、



 ガシャン!


 部屋の窓が壊され、銀色の何かが勢いよく飛び込んできた。

 ふわりと淡い桜色の豊かな髪が私の視界を占領した。


「~~~!」

 とっさに少女が私をかばうように、私の前に踊り出、これ以上来てはならぬと、両手を銀の物体に伸ばしたのだ。


 しかし、その勢いを保ったまま、銀の塊は、少女の手前で高く跳躍し、私にのしかかかり――!!


「うっ…」


 あまりの重みと衝撃で、私は硬い石の床に倒れ、おそらくその場で意識を失った。

ようやくメインメンバーらしき4人物がそろいました。

主人公・闇色の男とピンクいろの髪の少女?と、

え?そろっていないって? 銀色の物体が、4人目… げふんげふんっ…


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