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13 銀毛の処分

今回も、いつにもまして、文章がふわふわしているかもしれません。

たぶん、焦りからだとおもいます。この小説、きっと面白くないと思う…。という、不安と早く書き終えなくっちゃ! と日々びくびくしております。


そして今回、リロートとらぶらぶ度上げてみました。これが私の精一杯…

「やれやれ、一体何をしているのかと思えば…」


「ま、魔王。そこに…、おられたのですか?」

ほとんど抱き合うように私と体を密着させてていたリロードが恥ずかしそうに私から身を離した。


「ふむ、銀毛にやられた傷もいえているようだな」

リロートの声に特別に反応することなく、魔王は私に問いかける。


「貴殿が呼べば、貴殿の召喚に僕は即座に応じたというものを。

 ああ、それとも、僕ではなく、それが来ることを望んだ、か…?」



「さて、銀毛だが…」

ああそうだ、リロートは「お咎め覚悟か?!」とバゼルに言っていたことを思い出す。

もしかして、お咎めって…、処分とかじゃ?

はっとして、私の脳裏に、残虐なシーンが浮かんで、頭を振った。

(確かに、私は彼が恐かったけれど、けれど…)


「さて、狼の処遇、どうしたい?」

どうしたい? 今、魔王は私にたずねた?

私に、その処分云々の権限がることに初めて気づかされた。


「あの、あのですね、…もし、『何のことかわかりません』と言い通せば、彼の処分はなくなりますか?」

「貴殿を喰らおうとした獣だが?」

「はい、ですが、彼は私をたべていませんし…」

それに…、あの悲しげな表情が心に残る。


「ふむ」

そういって、魔王は口元だけをあげ微かに笑い。

ああ、この判断であっていたんだと、私は安堵した。



「キクネ様はお優しいです…」

そう、リロートに言われ、そんな、私は優しくなんてないと反論しようとしたが

「くしゅん」

寒かったのかな? 着物の肩口が裂けていたので、たぶん寒さを感じたのかもしれない。

実際、魔界と呼ばれているらしいここの季節は良くわからないが…。

先ほどよりも、ぐっと気温が下がった気がする。


「ふむ。魔界の気候は気まぐれなのだ」

そう、興味なさ気に魔王につぶやかれた。

「まあ、貴殿はその服装を気に入っているようだしな。では…」

そういって、魔王は私の肩の着物の破れに、手をあてがった。


『…白き偽りなきモノよ、あるべき形に、戻れ、戻り、戻り、それに固定されよ…』

そう、つぶやくと魔方陣が、私の肩と魔王の手のひらの間に出現した。

それは淡く青く発光をする、小さな小さな魔方陣。



すごい、服も戻るんだ。魔法ってすごいな、と私は再び感心してしまった。

その不思議な光景に目を奪われていたらしい私は、

ふらり

「あ…!」

と、ふらついてしまい、魔王にもたれかかった。


「気が張っていたのが、今頃解けたのか? まあいい、ふむ」

といって、魔王は私を抱きかかえようとするのだが、


「あ…!」

と、今度は、リロートの声。


「あの、あの、魔王。わらわが…」

おずおずと、魔王の前で懇願するようにそのほっそりとした白い両手を肩幅に広げ、手のひらを見せる。

遠慮気味に開かれた手は、そこに「何かを」乗せてください といっているようだった。


「ふむ、まあ良かろう」


そういって、魔王は私の手を取って、リロートの手に乗せた。

「ふむ。では、僕は銀毛を探しに行くか…」

とぼそりとつぶやき、魔王は去っていった。



「キクネ様。わらわが、寝室までお運びいたします。

それとも、…わらわでは、キクネ様をお抱えするのに不安が、ございますでしょうか…」

しょんぼりと言われ、むげに断れなくなる。


だから、やっぱり肩ぐらい借りてもいいよね?

と思い直し、リロートに手を伸ばす

「私、ちょっと重いかもしれないけど、肩、かりるね?」

といい終えないうちに、


「え?!」

私の体はふわりと浮いた。リロート抱きかかえられ、お姫様抱っこ。


「キクネ様は、羽花のようにかるいのですね」

ああ、そうか、華奢に見えるけれど、やっぱり男の子なんだね、と思わされた。


「リロート、見かけによらず力持ちだね」


そういえば、一番初めに、腕をぎゅーとつかまれて眠っていて、ほどこうとしたけど、

ほどけなかったことを私は思い出す。

(力、つよかったな…)


そんな、アンティーク調の黒いドレスを着た男の子に、抱き上げられ、顔をまじまじと見てしまう。

フランス人形のように、綺麗な顔。

あ、まつげが長い…。


「あ、あまり、わらわの、か、顔ばかり見ないで下さいませ…。わらわ…」

そう、顔を真っ赤にされ、思わず私も赤面してしまった。







寝室に戻ると、そのままベットに運ばれた。



「おやすみなさいませ、キクネ様」


リロートの蜂蜜色の瞳が今にもと閉じそうにまどろむ。

ああ、そうだ、リロートは眠らなければいけないのだと、はっと思った。

私も、とても疲れた気がする。いいや実際に疲れていたのだろう、狼に殺されかけ、肩をえぐられ、

そして、助けられ…。


「キクネ様…」

私の右側が、リロートの指定席。私の右腕を抱き枕のように抱えて眠るのが、眠りにとてもいいのだといっていた。

本当は、私は、ソファーに毛布をもらって眠っていた。

けれど、途中で重みに目が覚めると、リロートが、床にぺたりと足を崩し、私の腕をとって、眠っているのだから…


「キクネ様…」

眠るときには、ちゃんとベットにいたのに…

それが、いつも、いつも 続くので、私は根負けして、今に至る。

ちなみに、魔王はほとんどこの寝室で眠らないらしい。

卵の部屋が、などといっていたので、きっと違う場所で眠っているのだろうと私は考えた。



「極上の眠りを…」

そういって、瞳が閉じるほんの少しの間を使って、リロートは私のまぶたに、やさしくやさしく、まどろみのキスをした。


「どうか、その優しい夢に、わらわの存在もありますように…」

そう、つぶやくと、リロートの瞳が閉じられ、私の私の瞳も閉じた。






夢をみた。

そうれはそれは、優しい夢。

無骨で、職人気質の父が小さな小さな菊形の和菓子を作り、母が、今にも花弁の揺れる音が聞こえるようね と笑っていた。

だから、ああ、これはきくねの名前をつけようと。

それは、娘の名前ですよと、ころころと母が笑う。

ああ、だから、この菓子は、みんなに幸せを与える菓子になるんだと、父が無骨に言った。


母の周りで、小さな子供がはしゃぐ。

これは僕の妹だよ

ちがうよ、僕のだよ


「きくね」

「キクネ」

「キクネ…、可愛い名前だね」

ああ、それが『私』の名前になるんだと…。

私は嬉しくて、嬉しくて、


…そこで、私は光に包まれて、光の世界に「私」は産まれた。





翌朝、目を覚まし、

仰向けになったまま、右隣を見ると、リロートの姿はすでに無かった。



そのかわり、下腹部にぎしりと重みを感じ、不信に思うと



「綺麗に治ってるな」


そう、不機嫌そうな声とともに、銀色の髪と、大きな男の「人」の手が、私の目に飛び込んできた。

年下男にきゅんとする方法がわからず、悪戦苦闘中の文章になっております。

そして、魔王様とのラブ度をもうすこしあげるべきかな?とも思いましたが、魔王はあくまでも、主人公に対しては女神(=幼馴染?てき感じ?)な心情ですので、


そして、ようやく、狼が…! 人の姿で登場予定です。

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