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竜眼のハーフエルフ  作者: 二砂音 
二章 湖の街編
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52話 依頼書5 生き池その2

 結局やることになった。

 報酬があるのが大きかったようだ。

 スライム狩りをアリエスタが手伝う、熊の方を私たちが手伝う。

 報酬はスライムはどうなるかわからないが、得たものは均等分け。

 熊の方は、依頼を受けているアリエスタが半分、私たちはただの手伝いで残りを分ける。


 彼が得っぽいが、今手伝ってくれるお礼だから、クマの報酬を少しもらえるだけありがたいのかもしれない。

 そもそも危険な奥地に行ってフンを拾って生きて帰って来れればだが。


 弓でまずあの“気になるとこ”を狙ってみるか、だが途中で止まる気がするな……まあいっかいやってみよう。

 矢筒に手をかけたが――。


 ガストン「火だな」

 ふむ?

 剣が効かないので魔法に頼ることになった。

 アリエスタ「俺は水専門なんだけどな」

 皆「「え」」


 だがちゃんと使えると補足? していた。

 実は私は、鷲が火を噴いたのを知っている。


 彼は崖の、林の途切れた開けた場所に移動し、長杖を掲げ、詠唱を始めた。

 ――熱と……炎の……糧に……くべる……――。

 手を杖を掲げた先に出現した火球がみるみる大きくなってゆく。

 すごい熱と明りだな。


 下を見ると巨大スライムが明らかに反応して蠢いているが、逃げ場がないだろう。

 そもそも、あいつはなぜこんな穴にいるんだろうか。

 あいつも崖から落ちたのだろうか?

 目がないからどこを見てるかすらわからんが。


 アリエスタ「おらあ! くたばれ!」

 杖を振りかぶった。

 大火球がついていくようにして、崖に落ちてゆく。

 なんだかのんびり落ちていったな。

 ソニーの水球や、ワンドの豪速球と違う。 


 彼を見ると震える杖をかざしたままだ。

 火球を操っているのだろうか。


 む、スライムが触手を多く出して、盾のように変形させた。

 盾部分を犠牲にして防ぐつもりか。

 ビクター「ああ! “ガード”してる!?」


 アリエスタ「だと思ったぜスライム野郎が! よっ!」

 彼は杖と手を横に振った。

 とたん、大火球が盾目前で、横に動いた。

 と思った瞬間。

 急に加速しスライム本体に突っ込んでいった。


 ボボボボオオオンン!

 爆裂した。


 池スライム「……」

 ――swjdslfjsfh! ――。

 っ、なんだ?

 耳にツンと来たぞ今。


 ベル「わーー!」

 ビクター「すごい!」

 ガストン「おー派手だなぁ」

「はぁ、へっへん! どうよどうよ? あれ?」


 ……ふぅむ、真ん中から大部分が焦げてすり減ったが、まだ健在? だな。

 痛いのだろうか、痙攣して縮こまっている。


 む、魔力が流れている?


 ガストン「おい! まじか!」

 アリエスタ「はぁ? 嘘だろ?」


 焦げ目がみるみる消えていっているな。

 そこはほのかに光っている。


 あれは、治療魔術だ。

 ベル「あー治しちゃった」


 駄目だったか。

「やはり魔法を使ってくるか」

 アリエスタ「いやいや、そりゃ使うスライムはいるけどよ、治療は聞いたことねえぞ」

 む?


 ガストン「ああ、俺も始めて見たな……でかいからか?」

 アリエスタ「その条件だと、大型の魔法持ちは全部が治療使いってことになるぜおっさん」

「違えねえな」


 ビクター「も、もっとたくさん連続で撃てば!」


 アリエスタ「無理ぃ! 簡単に言うなよ、ビクター君だっけ? 幾つよキミ?」

 ビクター「え? あ、じゅ、十六になります」

「ふーん、俺十九だから。ため口でいいよな? お前は敬語使えよ敬語を」

 敬語……。

 そう言ってビクターを見上げるアリエスタ。

 背の高さでは下だな。

「も、勿論です」


 ガストン「そういうお前さんはずいぶん前から俺への敬語消えてっけどな? (あと、一番年下で敬語使うべきなのはルーナなんだが……こいつはまぁそういうのとは無縁かね?)」

 アリエスタ「へ? そーだっけ? ホジホジ」

 鼻に指を突っこんでるな。

 ガストンは最初から楽し気にして見てるが、組合の冒険者に同じことをしたら酒杯を投げられると思うぞ? もしくは黒い刃の短剣とか。


 ベル「倒せなかったのにアリが偉そうにしてる! いじめちゃだめ!」

「苛めてねぇし! てゆうか無理だろ大火球ポンポン撃つとか! どこの大魔道師だよ!?」


 ふうむ、“魔力が集中している急所”は奴にもあるのだが、妙だな。


「……魔力の流れを見ると、急所はあの、盾の左近くだが、何もないな」

 指で示す。

 もしかしたら、あそこを凍らせればいけるのではないだろうか。



 一同「「は?」」

 うん?


 アリエスタ「魔力の流れ?」

 ビクター「急所? スライムに?」


 ああ。

 何だ? 何か変なことを言ったか?


 ガストン「待て待て待て、落ち着け。ルーナ、お前さんには魔物の魔力が見えてるってことか?」

「ああ、見えるぞ。最近強者と戦ってわかるようになってきた」


 あの変異させる肉の塊とは違う、ということは洞窟以降で理解したつもりだ。


 アリエスタ「魔力が見える? “師匠みたいに”? “奥義”だぞそれ!? うそお!」

 奥義?

 ビクター「アリエスタさん、落ち着いてください」


「やっぱこいつどっかおかしいぞビクタぁ」

「あうあうああ」

 ビクターの襟を掴んでガクガク揺らしている。


 ベル「もぉービクターいじめちゃだめ!」

「苛めてねぇし!」


 ガストン「はぁ、元気だな。ごほんっ、ほんでルーナ。魔力と急所がなんだって?」


「今までの戦いの中でわかって来たんだが、(魔力が)集まっているとこを斬ると、簡単に倒せた。だからそこは急所だとわかった……急所だよな?」

 なんだか不安になって来た。

 ベル「よしよし」

 頭の上に座っていたベルが頭をなでた。


 アリエスタ「それ“魔石の場所”に決まってんだろ! ぶっ壊せばそりゃ死ぬわ! もったいねえ!」

 な、なに。


 ガストン「ああ? ……てことはだな、まさか」

 ビクター「ええ? ん? じゃあ、あのスライムに魔石が? 見えないって……?」

 アリエスタ「う~ん、てゆうかスライムに魔石なんてねえぞ? 俺の知る限りだけどさぁ」

 魔石?

 ベル「ませきー? 何それ?」


 ガストン「……ああ! ルーナにまだ魔石の話はしてなかったな!?」

「おいぃおっさん、ちゃんと教育しとけよ! 先輩だろが」

「あん? いや、すまんルーナ、知ってると思い込んでた」

 ガストンに謝られた。

 謝ることはないぞ。


 ベル「アリはもう苛めてばかり! だめなアリ!」

「苛めてねぇから! てゆうかアリって呼び名で固定か!?」


 ゴソ、そう言って彼は鞄の中から妙な石を取り出して見せて来た。

「これが魔石ってもんだ。簡単に言や強い魔物の体内に大体ある。高く売れるぞ」

 ほう。


 ベル「ああ、これかー! うちにいっぱいあるよ!」

 アリエスタ「おいっお前ん家後で教えろ!」

「え~?」

「っなんで嫌そうなんだよおいっ!」


 紫色をして、魔力が凝縮? してあるな。

 宝石のようできれいだ。

 ああ、前に小鬼ゴブリンの持ち物から拾った覚えがあるな。


 鞄に仕舞ったそれを探し出してみる。

 幾つかあるな。

 ふむ、これにも魔力が込められている。

 最初はそれに気づかなかったんだな。

 キラッ。

 これが魔石か。

 強者の体内にあるのか。

 ガストン「大体な、絶対じゃねえから」


 最初手に拾った時とは違い、魔石の中に魔力が見える。

 それを持つ手にも、魔力は流れている。


 私の身体には思えば、ずいぶんな魔力があるのが見えるな。

 瞑想時くらいしか見えなかったが。


 ……なんとなくだが、強者を倒すたびに、体に変化が起きてるような気がする。

 変異か? 私もそのうち黒くなって棘が生えるんだろうか。


 アリエスタ「普通に持ってんじゃんかよ! なんだよ!」

 ガストン「お、それそれ。よく知らんで石ころ同然なもんをずっと持ち歩いてたな?」


 ビクター「うわー、何の魔石ですかね?」

「確か、小鬼ゴブリンの呪術士が持っていた気がする。これは……わからない、蛙の皮に挟まっていた」

 もう一個も取り出す。

「あ!」


 ガストン「ああ、それ例の蛙のじゃねえか、でかいし」

 アリエスタ「ああ、“なるへそ”ね。魔石ってのは魔力を吸って回復できるんだぜ。蛙の魔石? その“黒ずんでる”のが?」


 ベル「なるへそー」

「お前ちゃんと判って言ってる? 魔力切れの時に回復用に使うんだぜこいつは?」

 ほお。

 ? にかなっているな。


 ならばアリエスタも持ち歩いていることだろうか。

 いや、こいつは金が優先だから手に入れたら売っぱらうのだろう。


 しかしなぜ金をそんなに欲しがるのだろうか?


 ガストン「多分、魔力が集まってる箇所を急所と言って攻撃してたのは、魔石を破壊してたんだな。そりゃ死ぬわけだ。俺ぁてっきり知ってて狙ってるんだと思ってたぜ」

 ふむ?


「“心臓”とは違うのか」

「ああ、違う。心臓が“幾つもある奴”はいるし、ない奴もいる、アンデッドとかだな。心臓が復活するバケモンなんてのもいるぜ。一応補足するが、それだって急所と呼んで間違ってないぞ」

 心臓がない?

 アンデッド?

 ベル「そんなのズルじゃん!」

「ガッハッハッ、そうだな」


「とりあえず重要なのは、魔石があるやつはそれが本物の心臓だと思ってもらって構わないことだな。破壊すれば必ず死ぬぜ。儲けは減るが」


 アリエスタ「魔石持ちってのは普通のばけもんより格が違うんだよ格が」

 その円を作る手つきは何だ? 駅で獣人商人同士が同じことしてたな?

 まさか硬貨のつもりか?


 ビクター「あ、あと、人間にはないですよ……多分」

 ガストン「まぁそこらへんはおいおいだな」


「?」

 ふむ、ガストン、アリエスタ、モードにレガリア、わかる限りで強者たちの体内の魔力には集中した箇所はなかったな。

 ではあのスライムはどういうことだろうか。


「魔石というものは、体内にある時は見えないのか?」

 アリエスタ「なんか“哲学的”なこと言い出し始めたぞおっさん」

 ガストン「そのまんまの意味だろ、そりゃ体ん中にありゃ見えねぇよ」


 ビクター「い、いやそういうことじゃないと思いますよ」


 私は巨大スライムを再び指さす。

「あそこだ。魔力が集っている。魔石がある。突けば殺れる」


 ガストン「……むぅ」

 アリエスタ「んなばかな、なんもねえじゃねえか!」

 目を擦っても顔を崖下に近づけても、見えないようだな。

 私も見えない。

 魔力が集まってるのは見える。

 今までは急所の何かがあると思ってたから、謎に感じてるんだ。


 もっとも、奴がそういう嘘で魔力をわざと集めているなら、ないのだが。

 だとしても、そうする意味が解らん。


 スライムにはないと言うが、あるんだ。わかる。

 学んで更にはっきりと確信した。


 ※この時のルーナの直感とは、体内に潜り、戦いの中での振動や、スライムの体粘液の動きの挙動、感じ取った防衛本能のような意識の気配等、様々な要因で、粘体よりも硬質な物体が隠されているように“在った”と、複合的に感じ取っての合理的な直感であった。


 もとい、魔力がそれを如実にょじつに示していた。



 ガストン「わかった」

 彼はニヤリと笑う。

 やる気だな。


 ビクター「魔石を隠している魔物……」

 彼は何かを思い出すかのように上の方を見た。



 そもそもどうやって破壊するかの話になった。

 小腹がすいたのでアプルを各自食べながら。

 ベル「シャク、ねーさっきのお店? のよりおいしいくて甘いねー!」

 そうだな。

 なんでだろうか。新鮮とれたてだからだろうか。

 ※答え:樹液を豊富に出していた。

 ちなみにベルはとっくに一個を平らげて、私の手にするそれに抱き着いて齧っている。


 どうやら集めてくれていたアプルの実は、落ちていたのを拾っただけで三十個ぐらいになったそうだ。

 依頼は十個以上なので完了して余っている。

 ガストンの依頼書をやってみるという手ほどきは完了した。


 アリエスタ「ガストンのおっさんが大剣持ってそこから飛び降りればすぐ終わんじゃねぇの?」

「ふざけんな、外したら確実に死ぬじゃねえか」


 ベル「あてればいいんでしょー?」

 ビクター「ベル! 先輩が死んじゃうよ!?」

「せんぱい? ガストンだよ?」

「あ、違う違う、ガストンさんの別の言い方だよ」

 アリエスタ「何言ってんのお前ら」


 ガストン「そういやルーナはよく生きてたなぁ、割と長いこと入ってたのに、肌が真っ赤になったくらいだったろ? ……お前さんは酸に耐性があるんだろうな」

 なに? そうなのか。

 ビクター「普通だったら、骨になってましたよ……」

 そうだ、盗賊はそうなっていた。

 アリエスタ「……んん? “師匠”は別に耐性とかなかったと思っけどなぁ……」

 

 エルフがそうという話ではないのか? 同じ種族だと聞いたのだが、ふむ。

「個人差、か? とにかく、飛び降りるのは私か」


 ガストン「待て待て、いつ飛び降りて剣で一突き! なんて“博打戦法”に決まったんだよ。落ち着け。弓か魔法で貫けばいいだろう」

 うむ。


 早速やってみた。

 だが、あの粘性と魔石があると思われる“位置”では……。

「「ぐぬぬぬっ」」

 ガラッ。

「……」

 崖縁に足をかけ、腰をビクターが抱え、その彼をガストンが片手で抱え、もう片手で近場の幹を抱え、私は傾いて、ほぼ崖下を狙える体制で弓矢を放った。


 ズヒュンッ!



 一同「「あぁ~だめだ」」

 ベル「届いてないねー、溶けちゃった」

 彼女が軽快に羽を震わせ素早く崖を降りて少し近づいて見て戻って来た。

 ビクター(ドキドキ……る、ルーナさんの腰をだ、抱いちゃった)


 次はアリエスタが“氷弾”を放つということになった。

 大気の……精霊……氷塊の……礫を……。

 詠唱をちゃんとしている。

 暗夜との戦いではすぐに放っていた気がしたが、剣に集中して力を溜めるのと同じなのだろうな、多分。

「オラッ!」

 キシイィンッ!



 ビシャッ。

 氷弾が少し、めり込むように刺さっただけだった。

「あだめだ。“弾力”で全部弾きやがるな」


 見ていると、刺さった箇所が凍り付いている。

 そこだけ動きもなくなっているな。

 巨大スライムは焦がした時と同時に嫌そうに揺れている。

 治療はしないんだな。

 だが、ゆっくりと凍りが解けていっている。


 ガストン「うーん、効きはいいんだけどなぁ」


「あれ全部を凍らせられないか?」


 アリエスタ「無茶苦茶言うなよ! “魔力枯れで気絶”するわ! 酷い時はしばらく回復すらしなくなるしよ。魔術士ってのはいざって時用に魔力を残しておくんだから、やんねーやんねー」

 ほう、そうなのか。


 アリエスタの魔力の“量”を見ると、ソニーより遥かに多いように見える。

 私は自分の身体を見てみる。


 ふむ。


 気のせいじゃないなら、アリエスタ以上に、いや、かなり魔力がある気がするんだが。

「……何してんの?」

 ベル「ルーナお腹痛いの?」

 いや。


「魔力って、人からも吸えるのか?」


 ガストン「なんだって? う~ん」

 ビクター「どうなんでしょう? 妹からも聞いたことないですね」

「そっち方面は俺ぁうといからなあ、魔道具にあったような、なかったような」


 アリエスタ「お前も変な奴だな、魔法の知識はないんだろ? まぁ結論、できるぜ?」


 私は正直に内包されている魔力の大体の量を言った。

 ガストン「こりゃあたまげたな! 絶対後で魔法協会に顔だそうぜ!」

 ビクター「さすがルーナさん!」

 ベル「たまげたなー!」

 

 アリエスタ「まじで? 俺が十人以上!? ……撃てちゃうじゃん」

 驚いて、そして気味悪がられたぞ。


 そろそろ夕方だ。

 陽が傾いて来ていた。


 これが恐らく最後だろうな。

 夕飯に間に合わなくなる。


 いいからやるぞ。


 アリエスタ「ほんじゃ手の平を合わせるぞ」

 まずは“魔力譲渡”とやらの前の、慣らしをするらしい。

 

 両手の平をアリエスタと合わせる。

 意外と大きいが、やはり少し小さいのだな。

 お互い向かい合って、胡坐で座っている。

 瞑想に近い。


 彼は詠唱時のような魔力の流れだ。

 私は手の平を合わせろとしか言われていない。


 彼の仕業なのか、私の魔力が勝手に流れ始め、合わせた手の平を通り彼の流れと繋がり、一つの流れとなった。


(!? ホントにすげえ量じゃねえかよ……師匠並み!? 信じらんねえ)

 何やらボソボソ言っているな。

 聞こえてしまっている。


「よしルーナこのままで立ってくれ、俺は魔術を放つからな、もらうぞ魔力」

「ああ」

 立ち上がると、アリエスタは離した片手を懐に入れ、長杖を出して構えた。


 詠唱を開始した。

「ん」

 その途端、魔力が急に減ってゆくのを感じる。

 初めてだな。

 

 魔力の流れを見るとそれは激しくなり、彼に、そして杖に集中していく。

「っ」

 杖が振動してるな。

 そして、周囲の大気が急に冷えてきた。


 気が付けば杖に霜がついている。

 ベル「あれれ? なんかさむいっ!」

 

 アリエスタ「ブツブツ……うっせえな! 制御しきれねぇんだよっ」

 ふむ、制御できれば周囲に影響はないのか?

 それにこんな凄い詠唱中にも喋っていいのだな。

 よくわからないものだ。

 

 呪文とやらはなくても魔力の流れは続いている。

 杖がその動きを良くしているように見える。

 やはり必要な物なのか。


 その流れが止まった。

 体感? としては、半分くらい持っていかれた気がする。

 

 杖の魔力が白く、冷たく輝いているかの様に、極限まで集まっているな。

 ――~~……。

 ? 白い光の中からかすかに声がする。

 幾つもだ。

 なんだろう?

 

 この白光は実際に輝いている光なんだろうか?

 それともそういう魔力として見えているのか?

 判別ができない。


 ベル「眩しいー!」

 ああ、実際に光ってるみたいだ。

 見ればアリエスタは眩しく照っていたし。


 ガストン「まじかよ」

 ビクター「は、外さないで下さいね!?」


 これは多分、いけるな。

 カチャ、空いた手で長剣の柄を握る。


 ザッ。

 アリエスタ「ブツブツ……息吹よ凍り付けっ。オラぁ今度こそクタバレ!」

 彼が崖縁に足をかけ、下へと杖を向けた。

「おおっ」

 繋いだままの片手をしっかり握る。


 杖から眩く輝く白い衝撃が放たれた。


 ヒュゴゴゴゴゴゴオオオオオオオ!!


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