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竜眼のハーフエルフ  作者: 二砂音 
一章 小鬼と辺境の村 覚醒と旅立ち
3/65

3話 鬼

 それらは最初、短剣をキャッチした自分の手元を、口や目を大きく広げて見ながら、しばらく動かなくなった。

 

 その後、唾を飛ばしながら、自分と尻もちを交互に怒鳴っている。

 そして、棍棒持ちが尻もちの頭をボカンと叩いた。

 

 尻もちは倒れて草藪に埋まって、見えている手足が全然動かなくなった。

 死んだのだろうか。

 

 二匹は立ち上がりながら、盾持ちは尻もちの短剣を拾い、獣ように背を曲げて、地を滑るかのように、けれでもドタバタといった感じで、こちらに襲い掛かって来た。

 

 私は覚悟を決めた。


 思い切り飛び上がり、それらが振りかぶる短剣や棍棒をよけつつ背後に着地。

 同時に棍棒持ちの背後の槍を、そいつごと振り回すようにもぎ取った。


 転んだそいつではなく、短剣持ちの剣を自分が持つそれでキィンと弾いた。

 それからちぎれた縄が揺れる槍を、胴体に刺しながら倒した。

 

 そして、体制を戻した棍棒持ちの持ち手を短剣でぶったぎり、返す刃で首を飛ばした。

 切り口から血が飛び出し、顔とかにたくさん付いた。

 そして、槍に腹と地面を縫い付けられているもう片方に寄り、首を刺してとどめを刺した。


 終わった。

 ほっとするも、少しがっかりしている自分がいた。

 あっけなかった。

 それらから流れる出る血は緑で黒かった。

 

 自分のは恐らく赤だと思う。

 握った手を開いたりして確認した。

 けれど腕のところにある、皮の中の線が緑に見えるから少し混乱した。

 ちのくだ、血管、って言ったか?


 そうこうしていると、藪に倒れこんだ尻もちが目覚めようとしていた。

 見てる時に、他にも敵意があるのを感じていた。

 上だ。


 何かが背後からものすごい速さで迫って来ていた。

 不思議な音もさっきからずっと聞こえていた。


 振り向きざま斬ろうと思ったが、ふと思いつき、転がってよけた。

 それはそのまま通り過ぎて、斜線上の先にいた、起き上がる尻もちを

鷲掴みにして、羽ばたいて上昇して、森の向こうの方に飛び去って行った……。


 大きた鳥のような、こうもりだなあれは。

 それに襲われた。


 耳が痛くなるような高い音? をずっと出していたので位置が丸わかりだったが、音がしなければ多分、あの爪は自分に食い込んでいたと思う。


 まだいるのだろうか? この丘にいるのはあぶないかもしれないな。

 

 尻もちの悲鳴が遠い向こうからかすかに聞こえていた。

 

 月はとっくに厚い雲に覆われてしまい、辺りは暗くなっていた。


読んでくださりありがとうございます。

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