3話 鬼
それらは最初、短剣をキャッチした自分の手元を、口や目を大きく広げて見ながら、しばらく動かなくなった。
その後、唾を飛ばしながら、自分と尻もちを交互に怒鳴っている。
そして、棍棒持ちが尻もちの頭をボカンと叩いた。
尻もちは倒れて草藪に埋まって、見えている手足が全然動かなくなった。
死んだのだろうか。
二匹は立ち上がりながら、盾持ちは尻もちの短剣を拾い、獣ように背を曲げて、地を滑るかのように、けれでもドタバタといった感じで、こちらに襲い掛かって来た。
私は覚悟を決めた。
思い切り飛び上がり、それらが振りかぶる短剣や棍棒をよけつつ背後に着地。
同時に棍棒持ちの背後の槍を、そいつごと振り回すようにもぎ取った。
転んだそいつではなく、短剣持ちの剣を自分が持つそれでキィンと弾いた。
それからちぎれた縄が揺れる槍を、胴体に刺しながら倒した。
そして、体制を戻した棍棒持ちの持ち手を短剣でぶったぎり、返す刃で首を飛ばした。
切り口から血が飛び出し、顔とかにたくさん付いた。
そして、槍に腹と地面を縫い付けられているもう片方に寄り、首を刺してとどめを刺した。
終わった。
ほっとするも、少しがっかりしている自分がいた。
あっけなかった。
それらから流れる出る血は緑で黒かった。
自分のは恐らく赤だと思う。
握った手を開いたりして確認した。
けれど腕のところにある、皮の中の線が緑に見えるから少し混乱した。
ちのくだ、血管、って言ったか?
そうこうしていると、藪に倒れこんだ尻もちが目覚めようとしていた。
見てる時に、他にも敵意があるのを感じていた。
上だ。
何かが背後からものすごい速さで迫って来ていた。
不思議な音もさっきからずっと聞こえていた。
振り向きざま斬ろうと思ったが、ふと思いつき、転がってよけた。
それはそのまま通り過ぎて、斜線上の先にいた、起き上がる尻もちを
鷲掴みにして、羽ばたいて上昇して、森の向こうの方に飛び去って行った……。
大きた鳥のような、こうもりだなあれは。
それに襲われた。
耳が痛くなるような高い音? をずっと出していたので位置が丸わかりだったが、音がしなければ多分、あの爪は自分に食い込んでいたと思う。
まだいるのだろうか? この丘にいるのはあぶないかもしれないな。
尻もちの悲鳴が遠い向こうからかすかに聞こえていた。
月はとっくに厚い雲に覆われてしまい、辺りは暗くなっていた。
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