あの日の告白
僕は身長187センチ、体重76キロ。ちょっと細めで、友達からはよく「でかいな」って言われる。顔は、、、まあ、そこそこ。芸能人みたいなキラキラ感はゼロ。
これまでの人生で女子にモテたことは一度もなく、告白なんてもってのほか。僕の周りに集まってくるのはいつも男友達ばかりだった。
だから、あの日の出来事は、今思い出しても信じられない。
夕方のキャンパス。講義が終わって人通りもまばらになったころ。
彼女は少し緊張したように鞄のストラップを握りしめて、僕の正面に立った。
「ねえ、たかくん」
「ん?なに?」
「、、、わたし、たかくんのこと好き」
「ん?」
頭が真っ白になった。
え? 今なんて言った? 好き? 僕が?
「つき合ってほしい」
その一言で心臓が爆発するかと思った。鼓動の音が耳にまで響いて、自分の声が出なくなる。
「え、ええっ!? うそだろ? 罰ゲー、、、、?」
「うそじゃない。むしろ、たかくんじゃなきゃだめ」
「なんで!? 他にもっとかっこいい人とか……」
「そういうの関係ないの。わたしは、たかくんがいいの」
その時の彼女の顔。ほんのり赤くなった頬に、まっすぐな瞳。
あまりにまっすぐで、嘘なんてひとかけらもなかった。
その瞬間、僕の中で世界がひっくり返った。
清楚に見えて、二人きりだとマウントを取ってくる彼女。
でも、僕を好きだって真剣に言ってくれた彼女。
そのギャップに振り回されながらも、僕の心はもう完全に彼女に捕まっている。
「ねえ、なんで笑ってるの?」
「いや、なんでもない。ただ……ほんとにかわいいなって思って」
「な、なにそれ。からかってるでしょ?」
「ちがう! 本気」
「……ふふ、なら許す」
僕の大学生活は、予想もしなかったほど甘くて、騒がしくて、そして幸せな毎日になっていった。
続きは27日9時です。よろしくお願い致します。