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第十四話 ハムが好きなあの子のために

啓子はこれまで、いろんな食材を試しに与えておりました。生のサツマイモ、ブドウ、トマト、きゅうり、大根、カブ、ニンジン、キャベツ、氷などなど。氷は解けたあとも、まだ探している姿が笑えました。中でも大好物なのがロースハムなのです。いろんな野菜や果物、ドッグフードを混ぜてやっても、必ずロースハムから先に食べるのには驚かされます。


自然界にロースハムなど転がっておりませんから。将来にわたって飼い続ける自信もない中、近所の久保さんがポン子ハウスを作ってくれるという話が舞い込んで参りました。久保さんは元公民館の館長で、もともと器用な方です。公民館の古くなった下駄箱を作り直したり、工務店のスタッフさながらに器用にこなされます。


これまでは犬用のケージにポン子を入れておりましたが、ポン子の運動量からすると、ストレスが溜まって可哀そうだという懸念がありました。久保さんは最初、庭用のフェンスで作る計画を立てておられました。しかしながら、すでにポン子は私にしか懐かなくなっております。啓子や他の誰かが餌やりやトイレの掃除をするときには、真ん中を仕切るようにしておけば、どちら側からでもドアの開閉ができるように考えられていました。


ただ、その部分をフェンスで作るのが難しいことがわかりました。結局、同じ出来合いの犬用ケージを2つ購入し、組み合わせることとなりました。一人で二人分のケージを作るのは大変なので、もう一人、友人の松田さんにも来ていただき、作業が始まりました。


松田さんは、我が町の町内会長さん。町内のお年寄りのお世話をしたり、とにかく住民にとってありがたい存在です。


ポン子はその間、犬用の柵に入れておきました。その結果、横幅154cm、奥行80cm、高さ58cmのケージが出来上がりました。さらに、このケージがすっぽり入る木枠の台まで作ってくださいました。

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― 新着の感想 ―
いつも楽しみにしています。 純文学ジャンルなのに異世界系やファンタジー系が数多く投稿されている中、こちらの作品はしっかりと純文学の内容で面白いです。 応援しています。
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