第十話 二つの命、つながる道
無職の私と啓子にとりまして、ポン子や猫たちのお世話をするのが毎日の日課です。
ポン子とムーは同じ年ごろですので仲が良く、それぞれのケージから出してやると、じゃれ合っていつまでも遊んでおります。
置いたままの掃除機のホースや猫の爪とぎなどは、2匹にとって恰好の遊び道具になります。
もちろん他の先輩猫たちともルームシェアをしておりますので、大人の猫たちからも可愛がられたり、怒られたりしております。大人の猫たちの紹介はまた後日させていただきます。
そんな日常に不思議なことが起きました。
ポン子が救出された5月19日のまさにその日に、静岡でタヌキの子を犬の子と間違えて保護した久永さんから、フェイスブックのメッセンジャーに情報が入りました。
久永さんとは、元々犬・猫の保護活動が縁でフェイスブックの友達になっていたのです。フェイスブックを見て、ポン子の様子について連絡をしてくださいました。
久永さんが保護したタヌキは男の子で、「元」と名前がつけられました。
現在、元もポン子も同じくらいの大きさですが、元の方が若干顔が太めのような気がいたします。
それから福岡と静岡でタヌキの様子のやりとりが始まったわけです。
久永さんは、動物愛護と自然保護の両方の立場から元の行き先を探しておられます。つまり落ち着き先をどこにするか思案しておられるのです。私たちも全く同感です。
2週間ほど経って、ポン子の口の中の歯茎に指をあてますと、歯が少し生えておりました。
ミルクも40mlくらい飲んでおります。初めは我が家に常備していたキャットミルクを与えておりましたが、ジャーマンシェパードの里親になってもらった小児科医の棚成先生から最高級の犬のミルクを10缶送ってくださいました。
続く




