初めて会った女騎士とドラゴン少女の好感度がたかくない?
異世界・・・まさか自分が漫画みたいに転移するとは思わなかった。
なぜ転移したかは全く記憶にはないのだけど、先ほど目が覚めたら森の中にいた。
ここが、異世界だとどうして気がついたかと言うと昔絵本とかでみたドラゴンに絶賛追いかけられているからである!
「どうしてこうなるのーー!」
ドラゴンは10メートルはある巨軀を動かし、木々を倒しながら追ってくる。
・・・いやお前そら飛べよ!そう思うのには理由がある。
実はこのドラゴン木々にぶつかるたびに痛そうな声を上げるのである。まだぐおおおーとかいう声ならいいのだが、ひんっ!ひんっ!みたいな感じの声なので最初は何の声かなと思ったのだが、逃げながら後振り返るとドラゴンが発していた。声かわいいねっ!
ついでに言うと凶暴そうな目からは涙みたいなのが流れていた。そんなに痛いなら羽あるから飛べよ…
しかしどうしたものかかれこれ5分くらい逃亡劇をくりひろげていたら、流石に疲れてきた。
そんな時目の前の茂みが大きく揺れた。
後からドラゴン、前の茂みからも何かがいる。恐らくモンスターだろう。
異世界転生してまもなく南無三か・・・
異世界いったらチート能力授かって、異世界無双してモテモテハーレム生活送りたかったな。
そんなことを考えていると前の茂みから、女の人が飛び出してきた。
その女の人は美人だった。金色の髪に金色の瞳。漫画などででてくるような、まさに女騎士みたいな外観で、片手に長い剣をもっていた。
気になるのはその剣が血みどろだったことだ。
女の人・・・女騎士にケガをしている様子はないので、何かの返り血だろう。怖っ!
しかしそんなことは今はどうでもいい。この人しか今は頼れる人がいないので、助けをもとめるしかねぇっ!
「そこのお姉さん助けて下さい!ドラゴンが追いかけてくるんです!」
女騎士がこちらに気づくと女騎士は泣きそうなそれでいてすごく嬉しそうな顔をしてこちらに近づくと僕を抱きしめた。
「もう離しませんからね。ケイ…」
「えっ?」
この人は何故僕の名前を知っているのだろう?
確かに僕の名前は松田圭〈ケイ〉だ。
???色々疑問はあるけど・・・めっっっちゃいい匂い!どうしてこんな美人な人が急に抱きついてくるのかわからないけど、アリガトウゴザイマス!
しかし後からひんっ!ひんっ!と言う情けない泣き声と木が倒される音が聞こえて一気に現実に引き戻された。
「あの〜すみません。ドラゴンが追いかけてきてるんですが・・・」
僕がそう言うと、女騎士は僕の後をみて
「えっ?あぁ・・止まりなさいドラコ!ケイが怖がってるじゃないですか、それに何故その姿なのですか?」
ドラコ?その姿?何のこと?と思い恐る恐る後を振り返ると、ドラゴンは白い光に包まれ、その白い光が消えると、銀髪の透き通るような白い肌の10歳くらいの美少女が立っていた。どういうこと???
えっ?よく漫画であるモンスターが人間に変身するとかの類なの?
改めて自分が元いた世界ではないなと考えていると
女の子が話し始めた
「ひんっ!ひんっ!ごめんね。私お兄さん見つけた時すごく嬉しくて、感情が抑えられなくて能力が暴走しちゃって、さっきの姿になっちゃった。
怖がらせちゃったよね
お兄さん、私のこと怖がらないで、嫌わないで、離れないでっ!?
お兄さんにまで嫌われたら私生きていけない」
ドラコちゃん?は矢継ぎ早に言葉を紡ぐと今にも倒れそうになりながらも手を伸ばしてこちらに歩いてくる。
それを見て僕は何故かドラコちゃんに近づき抱きしめた。
そうしないといけないとおもった。
「ドラコ、言っただろう僕はいつでも君のそばにいるよ。
君のことを嫌うはずがない、だから安心して。
さぁ、涙を拭いてね。君は笑っている姿がやっぱり一番かわいいからね」
ドラコは僕の言葉を聞くと、僕の胸に顔を押しつけて、静かに泣いた。
う〜ん?僕は何でこの子に先ほどの言葉を言ったのだろう?
考えて言ったのではない。自然と口からでた。
前にもこんなことを言ったような不思議な感じだ。
それにこの子を泣かせたくなかった。
しばらくするとドラコは涙をふき、満面の笑顔で話し始めた。
「やっぱり、お兄さんは変わらないね。今度こそ私がお兄さんのこと守るからね。今度こそずっと一緒にいようね?」
変わらない?ぼくはこの子と始めて会ったのだが・・・う〜ん?
まぁ今は深く考えても仕方ないし、これからどうしようかな、取り敢えず疲れたから宿か何かないかな?といってもお金も何ももってないけど
持ち物もなにもないな。ズボンのポケットにも何も無いし。まぁ服着ているだけいっか
服すらなく全裸で異世界転生したら異世界の人達に「こいつ裸だぜ〜、おっもしれ〜裸族なのかな?ぎゃははははは!!」と笑いをとってしまうかもしれない。
そう思ってると後から柔らかい感触が抱きついてきた。
「優しいですね。ケイは。わたくし達はいつもあなたに助けてもらってばかりです。今度こそワタクシはあなたを守り抜きます。」
「デゥフッあっいい匂い…、ごほんっ、お姉さんとりあえず助かりました。ありがとうございます。」
やべっ!!突然いい匂いと柔らかい身体につつまれたので変な声出ちゃった。誤魔化しきれただろうか?
前世で18年間まともに女の子と付き合ったことすらない男には刺激が強すぎる!
「お姉さんではなくワタクシのことはシャルと呼んでください。何だか寂しいです。」
「え?では・・・シャル?さん、改めてありがとうございます。所で休める場所をしりませんか?少し疲れてやすみたいのですが、この森の中では怖くて休めません」
異世界の人は前世で言う陽キャなのかな?
いきなり抱きついたり名前呼びさせるなんて、陰キャの僕にはむりだよ
ちなみに前世では同じクラスのサッカー部の陽キャの吉田に用事があったので名前を呼んだら
「おや〜陰キャの松田くんが僕に話しかけてきたよ、すまないが僕の耳は3軍(クラスのカースト制度)以下の声は聞こえない様に出来ているのだよ。3軍以上になって出直してきたまえ(笑)」
許さねえ・・・吉田!!
とそんなことを考えていると
「わかりました。確かにこの森はモンスターがたくさんいますからね。ついてきてください。少し歩くと宿がある場所に着きますからね。」
そう言うとシャルさんは歩き始めた。やったねと思いつつその後を僕がついていくとドラコちゃんもついてきた。ドラコちゃんは僕の手をしばらく見つめているとおずおず手を伸ばしてとぼくの手をつないだ、何だかすごく嬉しそうだな。ちなみに僕も超嬉しい。こんな可愛い子に手を繋がれるなんて。
だが僕は決してロリコンではないっ!
と思ってると、前を歩いているシャルさんが、ボソボソ独り言を喋っている。
何を言ってるんだと思い聞き耳を立ててみると
「宿についたら。ケイと同じ部屋にして、そしたらなにもおきないはずがなく。
うひひひひひ。ワタクシとケイは晴れて結ばれますのね。うひっうひひひひひひひひひひひひひひひ」
なんか聞こえてくるけど、とりあえず怖いからムシッ!