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家族攻略は難しい

食卓へ行くと母親がいた。

「詩織ー今日はあなたの好きな麻婆豆腐よ!」と母が言う。

どうやら詩織は麻婆豆腐が好きだったみたいだ。

「わーい!」と、とりあえず喜んでみた。(知らんけど)

「えっ!!」と言い母がすごく驚いた顔をしてる。

「えっ!!」と俺も何がおかしいのか解らずに思わず声が出てしまう。

「詩織、どうしたの、あなた「わーい」何て言う子じゃないのにー」と母が言う。

その瞬間俺はすぐ詩織が大人しく口数が少ない子キャラなのだと察した…


そういえばゲーム内の詩織は「おかえりお兄ちゃん」とか「おはようお兄ちゃん」くらいしか聞いた事がなかった。

しかもいつも真顔だったなー…


このまま明る目のキャラクターを通すかそれとも「演技だよ!」とか言ってごまかすのかどうしよう、と考えたが、思いつかない…


「ええぃ、なる様になるさー!」と心の中で声をあげながら。

「実は今のは演技。学校の文化祭でクラスの出し物で劇する事になったの。だから私の演技をお母さんに見てもらおうかと思ってー。」


「そうなの…」と母親は言いながら戸惑っていた。


そうこうしているうちに兄が2階から降りて来ると、俺は目を疑った!


兄の部屋着がとにかくださかった(唖然)…っていうかよれよれのジャージに俺の知らないアニメのキャラクターがプリントされているトレーナーを着ていた。


すると兄は「母上殿、今日は麻婆豆腐でござるかー!うむ、いただくとしよう」とキャラが定まらない様な口調で言った。


「嘘だろ…」と思わず言葉がもれた。

「あっ!何でもないです…」と俺が口にすると。


「やっぱり今日の詩織は変よー!熱でもあるのー!」と母親が心配そうに私を見つめながら言った。


仮にも5股を当たり前の様にしていたゲーム内の神童喜瀬輝が家ではこんなにダサダサのキモオタだなんて誰が想像するだろう。


学校内の爽やかパーフェクトイケメンが家ではこんなにキャラだと知り俺は興醒めした…


誰がこの真実を知りこの男に惚れるのだろう。詐欺だ…


とりあえず俺はこの詩織の兄に話しかけてみる事にした。


「お兄ちゃん、今日…学校…どうだったー、、、」と俺は言った。

が、ボキャブラリーのない俺の頭ではそれ以外かける言葉が何も思いつかなかった。「うっ。」


すると「妹よー、どうしたんだ、いつも我の事を気持ち悪いと罵倒して来るお前が我にその様な言葉をかけて来るなんてー、あー森の女神よー!

この奇跡に感謝〜〜〜だ〜〜〜!!!

と、兄が叫んだ。


「・・・」俺は苦笑いするしかなかった…


とりあえずこの兄の頭の中がただの中二病のオタクだという事が解った。


俺は「お兄ちゃん、気持ち悪ーい」とだけ言い「ご馳走様」と言って席を立った。


「詩織、ご飯はー」と母親が言ったが俺は食欲も失せたので「要らない」と言って自室に戻った。


兄の喜んで興奮している声がかすかに聞こえて来る。


「この兄は変態だなー」とつぶやきながらこれからの先行きの不安を感じる以外なかった…


そんなこんなで明日から何も情報も無いまま喜瀬輝(俺)と同じ学校に行く事になるので早めにシャワーを浴びて眠る事にした。


シャワー室でいよいよお楽しみの服を脱ぐ機会になりいよいよ唾をごくりと飲み服を脱ぎながら鏡を見た。


だがしかし!何故か謎の光がかかっていて大切な所が見えないのとおっぱいを触っても下半身を触っても全く感触が無い。


「何だよこのエロ対策の徹底具合はーーー‼︎」と俺は叫び落胆し膝を落とした。


つまらないなーと思いながらシャワーを浴び終わり部屋に戻って長い髪を乾かすのもめんどくさいと思いながら20分もかけて俺はイライラしながらドライヤーで髪を乾かした。


慣れない事ばかりで若干ストレスが溜まっていたが上手く詩織という主人公の妹を演じるしかなかった。


「今日は早く寝よー、おやすみなさーい。」といいながら俺は可愛いピンク色のベッドで静かに目を閉じた。

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