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人の振り見て

作者: あーくん

読んでみてください。


 ぼんやりとTVテレビを見ていた。

この時間帯は何も面白い番組はない。

実につまらない。

「ただいまー」

息子が帰ってきた。

「お帰り。今日は部活がないから早かったんだね」

「うん。あ、そうだ。帰るとき、すごく刺激になる人がいた」

「どんな人?」


 放課後。自転車小屋で自転車の両足スタンドを蹴ろうとしたときだった。

「私、行動遅いから、部活始まる前に鞄、自転車にくくりつけとこ」

向かい側で独りごちたのは、卓球部の女子だった。

偉いな。自分の能力がちゃんと分かってて、工夫してるんだな。俺も見習わないとな。

帰り道はあの子が頭から離れなかった。


 「すごい子がいるんだね」

私はそのエピソードを聞いて、ジーンときた。

「俺、人よりもものを覚えるのが苦手だから、人の2倍勉強する」

「おっ、宣言したね。あの子を見習って努力するんだね」

「うん!じゃあ、早速勉強してくるよ」

彼は、勉強部屋に向かった。

誰もいい方向に変われるのよ。頑張れ、頌太しょうた


 テストが返却される日。

私は祈っていた。

頌太がいい点数取れてますようにと。

「ただいまー」

「どうだった?」

結果が気になって仕方がなかった。

彼は嬉しそうな顔をして二枚の紙を見せてきた。

「じゃーん」

テスト用紙には、一方が87点。もう一方が92点と記されていた。

努力が報われたんだ。

「頑張ったね」

「うん。俺が頑張れたのは、卓球部の女の子のおかげだよ。あの子が俺に刺激を与えてくれたんだ。あと、今日からその子と付き合うことになった」

びっくりした。息子が良い点数取ってきたうえに、彼女ができたなんて。

私まで嬉しくなった。ついに彼に春がやって来たのね。

二つの良い結果を掴んだ息子に誇りを感じるママであった。

読んでくれてありがとうございます。

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