プロローグ〜始まり〜
白髪とも、銀髪ともとれる髪の色に、深いブルーの瞳。
長袖の青Tシャツに、黒の長ズボン。後ろ腰には、二振りの細剣がある。
外見は大体16歳ぐらい。それが、僕だ。
ここは白黒チェック模様の床に、果てのない広さ、見えない天井、そして無数の扉のある空間。僕はここを拠点に、さまざまな世界を旅している。
「ねえ、ルウ」
次に行く世界を適当に見つくろっていると、後ろからかわいらしい声がした。
「なんだい、サラ?」
声をかけてきたのは、僕と同い年ぐらいの…つまり、16歳ぐらいの女の子。紅い髪の毛に、黒目。服装はTシャツにGパンというラフな格好。
この子が、僕の旅の仲間、いや相棒、サラ。
「次はどこの世界に行くの? さっきは平和な世界だったし、今度は少し刺激のある世界がいいわ」
「あはは……平和に越したことはないけどね」
「それくらい私だってわかってるわよ、もう。でもね、平和すぎても退屈じゃない?」
「……それは認めるけど」
「じゃ、ルウ、そういうわけだから、適度に危険な世界見つくろって! 私も手伝うから!」
サラは周りにある無数の扉を見まわしながら、言った。
この空間は、世界の外。ここから僕ら旅人は世界を選び、世界に入る。ま、いわばターミナルのようなところだ。
ターミナル、といっても世界は無数にあるため、どのような世界に入るかは僕でも選べない。そして、ここが一番ネックなんだけど……。
扉を開けたところで、どこに出るかわからないんだよね。
一応、人が生活できる場所には出るはずなんだけど、人里離れたところだったりすると、食料やらなんやらが足りなくなって大変なことになる。
そんな、かすかな危険を孕んだ扉だらけの空間を僕たちは歩く。ふと、そばにあった扉に手をかけた。
「……ここにしようか?」
「訊かれてもわかんないわ」
それもそうだ。
僕が何の気なしに選んだ世界。
「ま、なんとかなるでしょ。じゃ、入りましょ!」
それなのに、サラは心から楽しみにしているような表情を作った。……どうしてこんなにも僕を信頼してくれているんだろう。そんな疑問を頭に浮かべつつ、僕は扉を開いた。
カチャリ。
扉の開く音と共に…
物語は、始まった。
はじめまして、作者のコノハです。
初めて小説を書くので、いろいろ拙いところはありますが、末永くお願いします。