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平凡令嬢、夢を掴む  作者: 海ほたる


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46/51

現状把握します(1)


 あったかい、安心する温度。


「ぅんん、」


「レイラ?」


「あ、ぎるばーと、さま、」


「レイラ、」


 あぁ、戻ってこれた。ここは、今の私の世界。生きている世界。それなのに、ねぇ、ギルバート様。あなたは、なんて顔をしているの。


 私は仕方のない子をあやす様に、ギルバート様の頬に手を添えて言う。


「ふふ、わたしね、長い長い夢を見ていたの。」


 彼の涙が私の頬に落ちてくる。


「ねえ、泣かないで、私のあいするひと」


「っ、レイラ、」


 ふふ、あったかい。なんだか、まだまだ眠いみたい。身体に上手く力が入らないのよね。頭に喋りかけてきたやつのせいかな??


 そんなことを思っていたら、本当に寝てしまったようだ。


 目を開けるとそこは、私の見知った場所。王都にある邸。そこの、私の部屋。ただし、少し変なところがある。そう、私のベットの傍らに男性がいるのだ。もちろん兄でないし、父でもない。


 え、なんで??


 見間違うはずもない。私の大好きな人がここにいる。綺麗な黒髪、女神に間違えられてもおかしくないような人。


 そんな綺麗な人は、私のすぐそばの椅子に座り眠っている。とりあえず寝顔もイケメンです。はい。寝てるっぽいからとりあえず頭撫でとこう。


 私はのそのそと起き上がり、もぞもぞとギルバート様の方に近寄り、頭に手を伸ばす。


 うわぁ、サラサラな髪の毛だなぁ。


「ん、」


「ん??」


 なんと、ギルバート様の目がぱちっと開いた。


「レイラ、起きた??」


「は、い、!!」


 え、ねえ私、なんで気軽にギルバート様の頭撫でてたのかな?!ねえねえねえ!!


 しかもなんでその手はギルバート様に取られているのさ、えぇ??まってまって流れるように口元に持っていかないでタンマっ!!


 そんな私の心の声は届かず、そのまま手の甲に優しいキスを落とされる。そして瞳が合う。


 あぁ、ギルバート様はいつも綺麗だな。今は、朝日と相まってさらに神々しく見える。


「ん、良かった。水、飲む??」


「あ、はい、ワタシ、ノド、カワイテ、たんです。」


 そんなことを口が勝手に答えているうちに、徐々に頭は回復してきた。


「ん、飲んで。」


 水入れてくれた。


「ありがとうございます。」


 とりあえずお礼を言って一気に飲む。


「プハーッ。」


 あー、頭スッキリ気持ちスッキリ、さっきの思い出して辛い!!私、居た堪れない!!


「あ、んんっあーあー、うん。はい、私は大丈夫です!!」


「………」


「ギルバート様、笑うなら笑ってくださいってば!」


 そんなに笑いを堪えられるとこっちが辛いの!!ねえ!!


 私は至って普通の反応しかしてないと思うの!!ちょっとおかしかったかもだけど100%それはあなたのせいですから。断じて私のせいじゃなくて、起きた途端に隣にいるっていう予期しないことが起こったからですから!!


 寝起きを好きな人に見られるとか、恥ずかしすぎるし、なんなら寝顔見られるとかも普通に恥ずかしくないか!??やばい、今気づいた!!


「っ、ふ、ふふ、あはは、レイラはいつも俺を守ってくれる。」


「??守ってもらっているのは私ですよ??」


 くぅ、良き笑顔だ心臓に悪い……


「レイラはそれでいいんだ。俺だけが分かっていれば。」


「そんな、こと、…」


 そんなこと言われたら気になるって言おうと思ったけど、幸せすぎて涙が出そうって顔をされるから。そんな風に笑うから。


 私はそれ以上言葉を続けられなかった。


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