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平凡令嬢、夢を掴む  作者: 海ほたる
32/51

剣技・魔法大会(1)


『………、わた、し、あ、……………てる、ありが、とう。…………』


「……さま、お嬢様、お嬢様、……」


「……ぅん、アル、マ、……」


「お嬢様、お目覚めになりましたか??」


 目を覚ますと、アルマが私をひどく心配そうに覗き込んでいた。


「あ、れ??わた、し、……」


 泣いてた、のか。


「少々お待ちくださいね。タオルを持ってきますから、すぐに冷やしましょう。」


 そう言って、アルマはタオルを取りに行ってくれた。


 あぁ、アルマを心配させちゃったな。


「ありがとう、アルマ。」


「お嬢様……」


「大丈夫よ。何か、懐かしいものを見た気がするのだけれど、何も覚えてないの。ふふ、夢って、おかしなものよねぇ。」


 何か、胸がぎゅっと苦しくなるような、切なくなるような、そんな気持ちだった様な気がするのだけれど……


「……お嬢様、今日はお嬢様も楽しみにしていた剣技・魔法大会の日です。楽しむためにも、きっちり準備いたしましょう!!」


 そう言ったアルマにされるがまま、普段より入念に準備され、学園へ向かった。


 朝、学園へ入ると、どこもかしこもいつもより賑やかだった。そして、いつもより視線が和らいでいる!!


 なぜなら、今日は剣技・魔法大会の日だから!!


 そう、今日は大会の日なのである!!何も思い出せない夢を見たし、私は出ないけどね!!


 この大会は、剣技オンリーの対戦、魔法オンリーの対戦、剣技・魔法、両方OKの対戦の3タイプに分けられている。


 ルールはとってもシンプル。場外に出てしまうか、かけられている感知魔法が死亡判定をしたら負け。それから、剣技オンリーの対戦なのに魔法を使ってしまったり、魔法オンリーの対戦なのに剣を使ったらアウト。


 保護魔法が使われるので、死ぬことはないと言うけれど……私は普通に怖い。


 これの魔法部門にケイトは出場する。ケイトは相当な魔法の使い手だから、結構良いとこまで行くんじゃないかな、と思ってる。けど、心配なものは心配だ……


 そんなことを考えていると、前から声が掛かった。


「レイラ、おはよう!!」


「サラ!おはよう!!」


「…………」


「……サラ??どうかしたの??」


 なんだろう、サラにものすごく睨まれてるんだけど……


「……ううん、なんでもないわ。レイラ、今日は私たち、応援組ね。」


「うん、そうだね。ケイト、大丈夫かな。」


「ケイトならきっと大丈夫よ。そう言えば、レイラのお兄様も出られるのよね。」


「うん、そうだよ。剣技・魔法両方のやつに出るって言ってた。」


「ふふ、楽しみだわ。レイラのお兄様、強い上に女子に優しくて、とってもかっこいいって評判だもの!!そんな人が兄で羨ましいわ〜。」


「サラ、たしかにお兄様は優しい人だけど、妹になったらただ単にうざいだけだよ……」


 まさしく、アレはうざいと表現するに値するものだろう。


「あらまあ。でも、兄妹ともなるとそんなものなのかしらね〜。」


「うん、そうだよ……たしかに強いけど……」


 お兄様は、たしかに強い人なのだ。なぜなら、お母様やおじ様に、辺境でこってこてに鍛え上げられているから。去年、数多の上級生をのして、この学園で2位だったらしい。ちなみに1位は、1つ上の辺境伯家出身の人だったらしい。


 お兄様は幼い頃から辺境での魔物討伐に参加させられ、実戦経験は十分。しかも、師事している人がお母様とおじ様なのだ。これで強くならないわけがない。


 ちなみに私が弱いのは、お母様とおじ様に、後方支援向きだと判断され、こってこてに鍛えられることが無かったためである。


 自分でもよくわかっている。私みたいなとろくてのろい人に、戦闘は向いていない。前線にいたりしたら、間違いなく足手纏いになるタイプの人間だ。


 私にできるのは、闘って疲れた人たちにお水を配ったり、タオルを渡したり、ご飯を渡したりすること。それから、後ろから隙を見つけて、遠距離の攻撃魔法をぶっ放すこと。それぐらいしかできない。


 だから私は今日の大会には出ないのである。サラも出ないので、一緒に応援組だ。


「レイラ、それじゃ行きましょうか!!」


「うん!!」


 そのまま、私たちは今日の会場へ向かう。


 会場は、普段は剣技や魔法の授業の時に使われている、大きな大きなグラウンドコロシアム。なんでドームみたいな形してるんだろうって不思議に思ってたんだけど、この大会を行うためだったようだ。やったら開くて周りを席に囲まれていて、まるでそのために作られた場所みたい。


 まさか、本当にそのために作られたものだったりして……ありえる……


「レイラ、あそこよ!!」


 私たちは円形ドームの選手の出入り口になっている場所の、斜め前あたりに腰を下ろした。


「入場者がよく見えるし、お手洗いも近いし、すぐ隣が通路の席だし、不足なし!!めっちゃ良い席だね〜。」


「ふふ、そうでしょう??前々からここがいいなって思ってたのよ。」


「それにしてもサラ、よくこんな場所取れたね。」


「あら、話を持っていったのは私だけど、こんな良い席が取れたのはあなたのおかげよ?」


「へ??どういうこと??」


「あなたが食堂で、フォーサイス様を助けたからよ〜。」


「え??」


「だから、あなたがいつもフォーサイス様を避けまくってる時に頼んでおいたのよ〜。レイラがこの大会をとっても楽しみにしてますよ、だから、良い席を取っておいてくださったら、レイラ、喜ぶと思いますよ〜、って。」


「サ、サラ!!な、なんてことを……」


 こっちがお礼したいくらいなのに!!


「あら??別にいいじゃない、これくらい。考えても見なさいよ。あなたがフォーサイス様に食堂でぎゅっもがっ、」


「サ、サラ、分かったから、分かったから皆まで言わないで!!」


「……」


 私はゆっくりとサラから手を外した。


「レイラ、もう。ほんとに、なんで今日までず〜っと、避け続けていたのよ。」


「だ、だってさぁ〜。」


「はぁ。レイラ、今日の夜会、ギルバート様にエスコートしてもらうんでしょう??」


「うっ。そ、そうなんだけども……」


 そう、いつの間にか頷かされていたアレ、有効だったらしく……


 一昨日の夜、私の寮の部屋にとっても素敵なドレスが届いていたのだ。これだけ避けてたし、エスコートとか気のせいだったかなって思ってたのに……


 それが、ドレスまでプレゼントされてしまうなんて……


すみません、編集途中で投稿してました……

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