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彼の猫と私  作者: Beyer
3/5

2. 猫って喋ったっけ。

 「オキテ、ミナ、カゼヒク」

 「オキテ、カゼヒク」


 「オキ、、」

 「誰よ!人がせっかく寝てるっていうのに起こしてくるバカネコは!!」

 

 って、なんで外で寝てるの私。

 映画みたいに澄み切った青空で、草原が広がって、たんぽぽみたいな黄色い花が咲いている。あ、葉っぱの形がいつもと違う。きっと西洋タンポポではないのね。


 あ、見てよこんなに花が大きいじゃない。私の顔よりも、大きいんじゃない?ウフフ。いつから私はタンポポよりも顔が小さい女性になったのかしら。小顔すぎて何も考えられなそうよ!


 「ってんなわけあるかいいぃぃぃぃ!!!!」


 何よこのタンポポデカすぎでしょ。

 私の背丈くらいあるたんぽぽが私の隣でデンと立ち振る舞っている。


 ここはどこ?わたしはだれ?何をしてここにきたの?


 「ミナ、ボク、アブナイッテイッタヨ」


 「あのにゃあにゃあ言ってたのでどうやって察しろって言うのよ!猫の言葉なんて通じないわよ!」


 「エ、ジャア、ナンデ、イマハマセル?」


 「こっちが聞きたいわよ!何なのもう!人が何とか立ち直ろうと頑張ってる時に」


 冗談じゃない、ユウタのことを考えないように仕事に打ち込もうと意気込んでいたところなのに何よ。こんなのあんまりじゃない、それにこの世界意味がわからないわ、まるで夢のよう!?


 「そうなのね、分かったわ!これは夢なのね!そうでしょマロン!」


 「ユメ?ネテテモイッパイハシレルヤツ?」


 「猫にはそういう扱いなのね、でもそう!それよ!きっと夢なんでしょう。最近あまり寝れていなかったからうっかり寝てしまったんだわ」


 だとすれば、きっとしばらくすれば起きることができるはず。じゃあこの奇妙な世界を楽しんでやろうじゃない!そうすれば少しは私の気持ちも楽になるかな?


 「ミナ、マエヨリ、ワカクミエル」


 「え、急にお世辞を言い出して何よ。お腹でも空いたの?」


 「イヤ、ホント、ワカクミエル。ソコ、チイサイイケ、カクニン」


 「まあ夢ならそんな事もあるか、見てみましょう!喉も乾いていたし丁度いいわ!」


 マロンが近くに池があるというので一緒に向かう。


 あった。確かにチイサイイケだ。一周30秒で回れるくらいのほんの小さな池、大きな水たまりと言っても良いかもしれない。


 「どれどれ、えっホントに若くなってるじゃない!一番戻りたいと思ってたJKの頃みたい!!」


 「ジェイケー? ジャパンキー?」


 「何それ、日本の鍵?違うわよ女子高生よ女子高生!16-18歳くらいの可愛い女の子!」


 「16-18サイ?ズイブン、オバアチャンダネ。ボク、タイプ、チガウ」


 「ねこ基準じゃないわよ!!ひと基準!ブスでもおじさんにモテる時代何だから」


 「ソレノ、ナニガイイ?ユウタミタイニ、カッコイイヒトガイイヨ」


 「いやそれはそうだけれども!!」



 ああ、何で猫とこんなに真面目に話してるんだろう。まあ夢にしては中々面白いとは思うけどね。覚めたら少し名残惜しく感じそうだわ。マロンも面白いし。

 現実のマロンもこんな感じの子だったらイイのにな。


 「ミナ、プルプル、イルヨ」

 

 「え?プルプル?何よそれ」


 「コレ」


 急にマロンがプルプルなるものがいると言い出し、器用に片足で方向を指す。丁度自分の後ろだ。


 何事かと思いミナが振り返ると。


 「ああ水信玄餅ね、一時期流行ったのよ。透明なのにプルプルで食べれて面白いって。まあ夢だしマロンも一緒に食べてみましょうか」


 「ミナ、タブン、チガウ。」

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