はじめての新入生歓迎会
僕と莉夜さんは学校に着くと、学年が違うため階段の前で別れた。そして、僕は自分の教室に行き、ドアを開けた瞬間、クラス中の男子と女子が僕のところに集まってきた。
「どういうことだよ!」
「さっきのはなに?!」
「あの人とどういう関係なの?!」
全員、一気に質問攻めにしたので僕が慌てふためいてると横から苺が来て、記者会見のような質問攻めを止めてくれた。そして、僕は苺と自分たちの席に着いた。僕が安心したのもつかの間、苺は目を大きく見開き、
「それで!あの人とはどういう関係!?」
質問攻めを止めてくれたのかと思ったら、ただ単に他の人に邪魔されない状態で質問したかっただけなのであった。
「あの人って?」
「夢月先輩のことよ! なに? 新、知らないの?」
「莉夜さんって、この学校で有名なの?」
僕が質問した途端、苺は驚きと呆れが混ざったかのような表情で
「新、本当に知らないの? 夢月先輩はこの学校のマドンナ的存在なのよ。それで、なんでその夢月先輩と一緒に学校に来てたの?」
それであんなに質問攻めにあったわけか。
「シェアハウスに住むことになったって言ったでしょ? それで莉夜さんもそのシェアハウスの住人なんだ。」
「そういう事ね。でも、一緒のシェアハウスに住んでいることは言わない方がいいわよ、また、さっきみたいになるから。」
「うん、わかった。」
〜数分後~
キーンコーンカーンコーン
始業のチャイムがなった。
そして、先生が点呼をとり、いつものようにホームルームが始まった。
「よーしお前ら、今日は新入生歓迎会で行うスポーツを決めていきたいと思う。」
あ、そっか。普通の学校は、新入生歓迎会があるのか。
「これまでは、毎年、先生達で決めていたんだがこれからは生徒のやりたいスポーツをさせようということになった。」
いや、絶対、先生達が決めるの大変だから生徒に決めさせようとしてるだけだろ。まぁ、好きなスポーツが出来るかもしれないし、いっか。
「それじゃあ、ホームルームと1時間目を使ってやりたいスポーツを決めてくれ」
そう言うと、先生は教室を出ていった。
あ、先生サボったな。
そして、僕達は投票で『バレーボール』に決まった。
だが、ほかのクラスの決めたものも確認してから決めるとの事なので、バレーボールになるかどうかは、明日か明後日くらいにしか分からないだろう。
時間目が終わり、その後はいつも通り授業を行って学校での一日が終わった。
そして、苺と健と一緒に下校しようとした時、
「おーい! 新く~ん!」
後ろを振り返るとそこには莉夜さんがいた。
苺と健は、驚きのあまりフリーズしていた。
「新君たちも今から帰るの?」
「うん、そうだよ。ちょうど今、終礼が終わって、帰るところだよ。」
「そっか、じゃあ、私も一緒に帰ってもいい?」
「もちろん! 苺と健もそれでいい?」
苺と健はまだ、驚いた表情をしていたが、
「俺はダ、ダイジョブだ、です。」
「わ、わ、わたしも、だ、大丈夫だす!」
とかなり緊張しているようだった。
「二人とも固くなり過ぎだろ! 苺に至っては、大丈夫だす! って!」
俺は、完全にツボにはいってしまい、爆笑した。
「い、いいじゃない! 本当に緊張してるんだから!」
「いやぁ、ごめんごめん。」
俺が軽く謝ったことで、一応、苺は許してくれた(?)。
そして、僕らは四人で帰路についた。
帰り道で色んな話をしているうちに、苺も健も普段通りの表情や話し方に戻っていた。
苺なんて、最後は自分から連絡先まで聞いていた。そのついでに、健も連絡先を交換したようだ。
僕と莉夜さんは、途中の曲がり角で苺と健と別れた。
「二人ともまたね〜! これからもよろしくね!」
莉夜さんは、とても嬉しそうな表情している。
そんな莉夜さんを見て、僕もつい笑顔になっていた。
そして、僕と莉夜さんはシェアハウスへと向かった。