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新しい思い出

 僕が目を覚ました時、隣に莉夜の姿はなかった。

 僕は起き上がり、顔を洗いに行くためにテントを出る。そして、水道の使える場所に着くと、そこにはすでに莉夜がいた。


「新、もう起きたの? おはよ」

「うん、そう言う莉夜も起きるの早いね」

「まぁね、シェアハウスにいる時も朝ごはん作るためにみんなより早く起きてるから、そのおかげかな」


 いつも僕たちのために朝ご飯を作ってくれる莉夜には感謝しかない。そんな事を思いながら僕は莉夜の隣で顔を洗い、歯を磨く。

 莉夜は、僕が歯を磨き終わるまで隣で待っていてくれた。そして、歯を磨き終えた僕は、莉夜とテントの方へと戻る。


「ふぁ〜よく寝たぁ」


 僕と莉夜が戻った時、ちょうどりっちゃんがテントから出てきて、僕と莉夜がいるのに気づき、僕たちに声を掛ける。


「あれ? りよっちと新君、もう起きてたの? 早いねぇ」

「なんか早く目が覚めちゃって」


 僕たちが話しているうちに他のみんなもテントから出てくる。

 その後、全員が顔を洗い、歯を磨き終えたところで、朝ご飯の準備を始める。準備とは言っても、朝ご飯は昨日のカレーライスの残りなので、スプーンと皿を用意するだけなのだが。

 朝ご飯の準備を終えた僕たちは、カレーライスを食べ始める。

 カレーライスを食べながら塩川さんが今日の予定について話し始める。


「今日は、みんなで近くの海まで行って遊んで、昼になったらバーベキューをしようと思うんだけどどうかな?」

「うん! いいと思う!」


 誰からも異論は出ずに僕たちの今日の予定が決定したのだった。

 

 カレーライスを食べ終えた僕たちは、みんな着替えをして、近くの海へと向かった。

 

 普通、キャンプと言えば川だと思うんだけど、これは僕の偏見かな? どちらにしても楽しければどっちでもいいと思う。

   

 歩き始めてから数分後──


「着いたよー」


 塩川さんが海の方を指差しながら僕らに声を掛ける。

 塩川さんの指差す方を見ると、そこには透き通った綺麗な海が広がっていた。

 僕たちは一斉に海の方へと走り出した。


「うわぁ、つめた〜い! 見て見て! すぐそこに魚が泳いでるよ!」

「ほんとだ! すごいなぁ、こんな浅瀬でも魚が泳いでるなんて」

「いやぁ、それよりもこの海、綺麗すぎだろ! ヤバイよこれ!」


 僕たちはみんな初めて海に来たかのようなテンションで大はしゃぎしていた。すると、後ろから莉夜がやって来てこう聞いてくる。


「こっちの海はどう? って言ってもこっちでもこんな綺麗な海は珍しいんだけどね」

「いやぁ、こんな綺麗な海は初めて見たからびっくりしたよ!」

「よかった。また来年もみんなでここに来たいね」

「うん! 次は健も来れたらいいんだけどね」

「そうだね! 健も揃えば完璧だね!」

「じゃあ、今は思いっきり楽しもう!」


 その後、僕たちは誰が一番泳ぐの早いか競争したり、誰が一番長く潜っていられるか競争したりして遊んでいるうちに時間は過ぎ、お昼になった。


「じゃあみんな〜、バーベキューするよ〜!」


 塩川さんの呼ぶ声が聞こえ、僕たちは塩川さんの方へ駆け足で向かう。塩川さんのいるところに着くと、そこには美味しそうに焼かれている肉たちが待っていた。


「それじゃあみんな、皿と割り箸の用意ができたら、好きな肉取っていいよ〜」

「やったぁ!」


 みんな一斉に肉を取っていく。

 

「うまぁい! この肉、ちょー美味しい!」


 りっちゃんがとても美味しそうに肉を口に頬張っていた。


「りっちゃん、肉だけじゃなくて、野菜も食べないと」

「新君は、私の親か!」


 言った後に自分も親みたいな発言だなぁと思った。


 その後も僕たちは、肉を食べ、あっという間にたくさん用意されていたはずの肉や野菜を食べきったのであった。


「ごちそうさまぁ!」


 僕たちは「ごちそうさま」を言うと、再び海へと向かった。

 そして、空の色がオレンジ色になってきた時、塩川さんが僕たちを呼ぶ声が聞こえた。


「みんな〜、いい場所があるから来て〜!」


僕たちは、塩川さんに連れられ、たくさんのテトラポットがあるところ着いた。


「少し大変だけど、このテトラポットの上まで登って」

「この上に何かあるんですか?」

「まぁ、それは上に着いてからのお楽しみってことで」


 僕たちはテトラポットの上に着いた。


「みんな、あれを見てごらん」


 僕たちは、一斉に塩川さんの指差す方角を見る。

 そして、指差す方角を見た瞬間、僕たちはその景色に目を奪われた。

 

 それは、美しい夕陽だった。

 

 夕陽が辺りをオレンジ色に彩る。さらに、海が夕陽の光を反射し、その景色をさらに美しく感じさせる。

 

 僕はこの先、この景色を忘れる事はないだろう。

 

「新、この景色すごいね。私、この景色、一生忘れないと思う」


 莉夜はその後、夕陽が沈むまでずっとその景色を眺めていたのだった。


「じゃあ、戻ろっか」


 僕たちは再び塩川さんに連れられ、バーベキューで使った道具などを片付け、テントの方へと戻ったのだった。


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