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ゴールデンウィーク突入!

 中間テストが終わった翌日、学校の教室内ではまたしても緊張感が漂っていた。

 その理由はたった一つ。

 中間テストの結果が今日返されるからである。

 そしてこのテスト結果によって、補習「あり」か、補習「なし」か決まるのだ。

 補習「あり」の生徒は、ゴールデンウィーク中に学校に補習を受けに行かなければならないのである。

 だが、僕は全く緊張していなかった。それどころか明日から始まるゴールデンウィークの事ばかり考えていた。

 


 そして、その時はやってきた──


「皆さん、これよりテスト結果を返していきたいと思います」


 教室中が静まり返る。


 先生は生徒たちの緊張や不安な表情を見るものの、全く気にせず次々とテスト結果を返していく。僕たちの学校は、少し変わっており、すべてのテストの結果を一気に返してくるのである。それが、生徒たちをより一層緊張させる。


 そして、ついに僕にもテスト結果が返される。

 先生は僕にテスト結果を返す時、笑顔でこう言った。


「神橋、よくやったな」


 僕は、テスト結果を確認する。



 国語:93 数学:90 世界史:98 化学:90 生物:92 英語:95

 合計点数:600点中558点

 学年順位:400人中8位



 え? 僕は自分のテスト結果を二度見してしまった。

 確かに自信はあった。が、まさか全教科90点以上取れるほど良いとは思ってもみなかった。

 それに学年順位で八位。ほかの人から見たら、良い順位ではあるけど微妙な順位と思うかもしれないが、僕にとっては今にも飛び上がりたくなるほど最高な結果だった。

 これは、帰ったら莉夜にすぐ報告しないとだな。

 これで、良い気分のままゴールデンウィークを迎えることができる。


 そして苺はというと、微妙な表情をしていた。


「苺、テスト結果どうだった?」


 僕がテスト結果を聞くと、苺は何も言わずにテスト結果の紙を渡してきた。



 国語:75 数学:66 世界史:82 化学:77 生物:75 英語:85

 合計点数:600点中460点

 学年順位:83位



 こう言ってしまうと嫌味に聞こえるかもしれないが、悪くない結果だと思う。


「赤点もないし、結構良い点数だと思うけど、なんか浮かない顔だね」

「うん、悪くはないけどせっかく健に教えてもらった数学が全教科の中で一番点数が悪かった……だから──」


 なるほど。そういうことか。それで浮かない顔をしていたのか。


「他の教科が良過ぎたって考えたらいいんじゃない?」

「なるほど!」


 そう言うと、苺はにっこりと笑った。


「新がそう言うってことは、新より良いってことだよね?」

「え? ちょっ! まっ!」


 苺は勝手に僕の机の上から、僕のテスト結果を取る。

 すると苺は人でも殺そうとしてるかのような目つきで僕を睨む。


「新、騙したわね?」

「い、いやぁ、そういう訳では……」

「へぇ、じゃあどんな訳があるのかな?」

「それは……苺が落ち込んでるように見えたから、それで……」

「慰めようとしてくれたのね、でも、逆効果だったね! って言いたいとこだけど、気を使っての事みたいだから許すよ。ありがとう」


 あれ? そこまで怒って……ない? 良かったぁ。キレられるかと思ってた僕は思わずほっとした。


 テスト結果を受け取った僕たちは、今日も学校での一日を終えた。

 そして、ついに待ちに待ったゴールデンウィークに突入するのだった。


 その日の帰り、僕と莉夜は一緒に帰路についていた苺と健をキャンプに誘った。

 苺は即オーケーを出したのだが、健は親に聞いてみないと分からないらしく、後から連絡するということになった。



 そして翌日──


 今日は、待ちに待ったキャンプだ! 

 楽しみ過ぎて、昨日の夜はあまり寝れなかった。

 まぁ、ここからキャンプ場までは少し時間が掛かるらしいので、その時に眠ればいいかな。


「さあ! みんな準備はできたかな?」

「おー!」


 大家の塩川さんが一番楽しそうだ。

 そして、他のみんなも塩川さんにつられるようにして、どんどんテンションが高くなっていく。

 だが、そこに健の姿はなかった。

 そう、昨日、シェアハウスに帰った後、健から連絡があり、用事があるから行けないらしい。

 苺は残念そうな顔をしていると思っていたのだが、僕の予想は大きく外れた。

 苺は、塩川さんと同じくらい楽しそうで、ハイテンションだった。


 みんなの準備が整うと、僕たちは大きめの車に乗り込む。

 僕は、莉夜と一緒に座ろうと思っていたのだが、乗り込む直前に、りっちゃんに腕をつかまれて、助手席に乗せられた。


「僕、後ろに座りたかったんですけど?」

「いいじゃん、運転できるのが私しかいないし」

「答えになってないですよ!」

「長い時間話し相手がいないと寂しいじゃん」


 あぁ。そういうことか。それを聞いた僕は、仕方なく助手席に座った。車で寝ようと思っていたのだが、それは叶わぬ願いとなってしまった。僕がそんなことを考えているとも知らず、りっちゃんは、とても楽しそうだった。


 そして、全員車に乗ったところで、いよいよキャンプ場へと向かう。


「それじゃあ、みんな準備はいい? しゅっぱーつ!」


 りっちゃんの元気な声と共に僕らはキャンプ場へと向かった。

ついにゴールデンウィーク突入です!

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