表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/25

テスト勉強!

 ピピピピピーッ


 僕は、自分のスマホの目覚ましの音で起きた。

 それにしても昨日は楽しかったなぁ。

 苺と健がこのシェアハウスに来て、莉夜の部屋でみんなでお菓子を食べながらお喋りをして、苺と健が帰った後はりっちゃんと晩御飯を作ったり、今までに経験したことのないことだった。

 普通の学生なら経験したことがあるとは思うが、僕は上京するまでは田舎に住んでいて、同学年の友達もほとんどいなかったので、友達を家に呼んだりすること自体、初めてのことだった。

 僕はそんなことを考えながら、学校へ行く準備を進める。

 顔を洗い、歯を磨き、カバンに教科書等を詰め、リビングに行き、シェアハウスの住人みんなで莉夜が作った朝ごはんを食べる。これが僕の上京してからのルーティーンのようなものとなっている。

 僕は、朝ごはんを食べ終わると、カバンを持ち、莉夜と一緒にシェアハウスを出る。


「今日からまた学校だけど、頑張ろうね」


 莉夜がにっこりと笑顔で言うものだから、つい照れてしまった。

 そして僕らは学校に着くと、各自の教室へと向かった。

 教室に入ると苺はすでに席に座っていた。今日はシェアハウスを出た時間がいつもより少し早かったので、苺はまだ来ていないと思っていた。


「苺、今日は学校に来るの早いな。僕も早く着いたつもりだったんだけどなぁ」

「そう? 私はいつも通り家を出たつもりだったけど……あ! 今日はいつもみたいにコンビニに寄らなかったからだと思う!」

「毎朝コンビニによってから来てたのかよ」

「まあね。それより昨日はありがとね! とっても楽しかった! また呼んでね!」

「うん、わかった」


 そんなことを話しているうちに、ほかの生徒も登校し、担任の先生も教室に入ってくる。


 キーンコーンカーンコーン


 ホームルームが始まった。

 ホームルームが始まるなり担任の先生はこう言った。


「お前ら、二週間後から中間テストが始まることは知ってるよな?」


 はい? 聞き間違えかな? 二週間後に中間テストがあるって聞こえた気がしたんだけど。


「なので、今日は各教科のテスト範囲が渡されると思うので、もらったらなくさないように」


 あぁ。テスト範囲とか言ってる時点でさっきのは聞き間違いじゃないな。

 中間テストか……。高校に入ってから初めてのテストだな。ここで失敗して、バカのレッテルを張られないようにしないと。

 隣の席を見てみると、苺がこの世の終わりかと思うほど悲しそうな顔をしていた。

 やっぱりみんな、テストは嫌いだよなぁ。

 誰か教えてくれる人がいたらいいんだけどなぁ。莉夜に教えてもらいたいけど、同じ学校なんだから、莉夜もテストがあるはずだ。莉夜に迷惑をかけるわけにはいかない。

 苺はあんなに悲しそうな顔をするくらいだから、勉強が得意ではないのだろう。


「ねぇ新、今日から健も呼んで三人で一緒に勉強しない?」


 苺はまだ悲しそうな顔のままそう聞いてきた。

 健は勉強できるのだろうか? ちょっと失礼だが、健も勉強ができるようには見えない。

 だが、一人で黙々と勉強するよりは、三人でテスト勉強をした方がいいような気がする。


「うん、いいよ。僕も一人だとどこを勉強したらいいのか、わからなかったりするからね」

「ほんと? ありがとう!」


 苺の表情が少しだけ明るくなった。

 

 そしてその日、担任の先生が言った通り、すべての授業で中間テストのテスト範囲が配られた。

 

 すべての授業を終え、終礼をした後、僕は苺と健と一緒に近くのカフェへと向かった。さすが都会だなぁと思った。僕が田舎にいたころはテスト勉強をする場所といえば、家か図書館の二択だった。というか、学校や家の近くにカフェがなかった。

 僕たちはカフェに着き、中に入ると、そこはとても静かでリラックスできそうな場所で勉強するには最適な場所だった。


「それじゃあ、始めようか。新はどの教科が苦手?」


 健は僕が言うよりも先に僕の苦手な教科を聞いてきた。


「んー、数学かな」

「数学か、苺と同じだな。じゃあ俺が教えるよ」


 苺も数学も苦手だったのか。

 ん? 今、教えるって言わなかった? 健、まさか、勉強できるの?!

 僕が驚いたような顔をしていると、苺が小さい声で、


「気持ちはわかるわ。でも、健はああ見えて、中学の時は常に学年トップの成績だったの」


と言った。


 まじか。意外だったが、僕にとってはありがたい話だ。

 そして僕らはテスト勉強を始めた。

 僕と苺は、健に教えてもらいながらテスト範囲を勉強した。健のおかげで分からなかったところが自分一人で解けるようになった。

 僕らは外がもう暗くなっていることに気が付き、テスト勉強を終わらせ、帰路に就いた。


「二人とも今日はありがとう! また明日もよろしく!」


 僕はそう言うと、二人と別れ、シェアハウスへと向かった。

 

 シェアハウスに着き、ドアを開けるとそこには莉夜とりっちゃんが立っていた。

 

「こんな時間までどこに行ってたの?」


 りっちゃんが心配そうに聞いてくる。


「近くのカフェで苺と健とテスト勉強してました」

「あぁ、そういうことだったのね。でも、遅くなる時は連絡してね」

「すいません、次から気を付けます」


 そして僕らはリビングに行こうとしたが、莉夜が僕を引き留めた。


「テスト勉強、私が教えようか?」


 うれしい誘いだけど、莉夜に迷惑をかけるわけにはいかない。


「莉夜もテストがあると思うから、大丈夫だよ」

「あ、そっか……」


 莉夜が一瞬、悲しそうな顔をしたような気がした。


 



中間テストまで二週間です!

皆さんもこのような経験があるのではないでしょうか?

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ