プロローグ
私達は赤子の頃捨てられた、路地裏で泣く二人の赤子を拾ったのは老いた殺し屋の男だった。
そして今日まで16歳まで育ててくれた、白髪で目の赤い私はレプレ、栗色の髪の一緒に捨てられた子はシエルバと名付けられた。
男の目的は殺し屋の後継者だったらしい。
身元もなく失う物も無い人間は殺し屋に向いているとの事だった。
そして身体能力の高く運動神経の良い私は殺し屋となり、もう一人は知能が高く冷静さが長けていた為仕事の仲介や取引役として知識を付けていった。
だが、男は少し悲しい顔をしていた、老いて歩くのも困難になって車椅子に乗った男は言った。
「お前達は俺の可愛い子供だ、殺し屋を無理に継ぐ必要はない、好きに生きなさい。」
私はこの言葉に一瞬怒りを覚えた、無責任だと...。
シエルバはいつも通り無表情だが少し不満そうに見えた。
だが私はその反対に優しい男の顔に悲しみを覚えた。
殺し屋だった男の鋭い殺気も何とも言えない威圧感も今はもう感じることは出来ない。
そしてその言葉を最後に男は亡くなった。
彼は雨の中棺桶に入って土に埋められた。
雨に打たれながら行われた埋葬はとても空虚な物に感じられた。
現実味が無いただその一言に限った。
これから私達二人の殺し屋としての生活が始まった。