ドロワーズってやつ見られてもたいして恥ずかしくない!
アリスの履いてるドロワーズは短パンくらいの長さです!
パンツうまい具合に見せられたな。
なんて言うかこの世界のパンツって短パンというかパンツの上に履くパンツみたいなのだから、前世のパンツと比べて見られてもどうってことないんだよね。
「ハレンチですわ!この!この!」
まぁきっかけに見せたから良いんだけど割と恥ずかしいから本気で1発殴っとこうかな?
見せといて理不尽?まぁ気分の問題!
「嬢ちゃん危ないって!」
木剣は当てたら怪我させちゃうから。
わざとスレスレを狙うアリス。
「えいっ!」
オスカーの脛を思いっきり蹴る。
パンツ自分から見せといて理不尽だと思うんだけど気持ちとしてはね?
わぁ痛そう!うずくまってる!
「痛ったっ!」
「わたくしに恥ずかしい思いばかりさせたむくいですわ!」
まぁ全部私の仕組みなんだがな!後私たいして恥ずかしくないんだけどね!
「そんな理不尽なお嬢さんだ。」
はい理不尽です。知ってます。
「知りませんわそんなの!」
オスカーは脛を押さえながらアリスをみる。
白い肌を薄ら赤く染め恥じらうアリスは可愛らしい。
可愛らしさに見とれているとアリスがこちらを見た。
恥ずかしそうに頬を赤らめて目をうるうるさせる姿に自分は悪くないのに罪悪感でいっぱいになる。
「悪かったよ……。」
「もう、いいですわ。私こそ、その、蹴ってごめんなさい。八つ当たりですわ。」
「お嬢さんはどうしていつもかなしそうなんだい?」
「貴方には関係ありませんわ。」
「今は関係ないなら関係を築かせてくれ。俺に悲しみの理由を教えてくれないか?君の悲しむ顔をなんだか見たくない……。」
「なんで貴方にそんな事教えなきゃいけませんの……。」
うるうると今にも泣きそうなアリス。
「ほら君は今にも泣きそうだ……。1人で抱えきれないんだろ?俺に少し預けてくれ。俺は君の笑顔がみたい。」
「変な人ですわ。」
ふわりと涙を拭い微笑んだアリスの笑顔はとても愛らしくオスカーは頬を染めた。
おっ、顔が赤いぞオスカーさん!ドヤ!この涙からの優しい微笑み!可愛かろう!曲がりなりにも美少女だからな!自分で言うのもなんだが!さすが乙女ゲームの悪役令嬢!可愛いんですよ。見た目は可憐なんですよ!
「わたくし婚約者がおりますの。」
「そうか……。」
あっ悲しそうな顔してる。オスカーさんもう私に惚れてるのな。本当に乙女ゲームの攻略対象って好感度上がる行動するとめっちゃ好きになってくれるよね。そして恋は盲目って言うか恋する前はめっちゃ優秀だったんだよね。めっちゃ残念。
「わたくしの婚約者は私と別れて別の方と結婚したいそうなんですの。」
「えっ?」
「だから邪魔な私をその子をいじめた罪により悪者にして婚約破棄して、その子と婚約するんですって。」
「君はその子をいじめたのかい?」
「わたくしこの性格です、きつく言うことはあってもいじめるようなことはしませんわ!わたくし弱いものいじめは大嫌いですの。彼女は弱くないですわ。私がいくら婚約者から手を引いてくださいと言っても聞かないし。さっき廊下であった時も私の婚約者と寄り添って歩いて、あまつさえ2人で居るのが嬉しいとお互いに頬を染めあって……。」
目を潤ませるアリス。
「そんな!その子も婚約者も最低じゃないか!」
「その最低な女の子が好きで周りの目など気にせずあの子の近くに居る人に言われたくありませんわ!申し遅れましたわ!わたくしエドワルド様の婚約者アリス・キャリル・リウォンダーと申しますわ。ウィンドル様。」
「えっ?」
「貴方や私の婚約者が皆に何と言われてるか知ってます?マリア様ハーレム。」
「マリア……、そんな!いや、……。」
おいおいやっぱりこいつもハーレムの自覚ねぇのかよ、そして婚約者の存在忘れてるよね?
エドワルドとマリアがくっついてそれを傍から支えようとしてたよね?
「わたくしエドワルド様の事は愛して居ましたわ。あの子が現れるまで。婚約者として相応しく振舞って来ましたわ。でももうエドワルド様にも愛想が着きましたの。」
「ではなぜ泣いていたんだい?」
「わたくし婚約者が居なかったらこんな方と恋してみたいと密かに思っていた方が彼女のハーレムに入っていて腹が立ったのです。そして一方的に悪者にされて近々婚約破棄される自分が悔しくて。」
「それは……。君の想い人はリアンかい?」
「違いますわ。」
「では義弟のルークかい?」
「わたくしの想い人は真っ直ぐなお心と強い剣の腕、情熱的な赤い髪と赤い瞳の強い凛々しいお方でしたわ……。」
「それって……」
「わたくし婚約者が居ますの!そうそうと好きな方が誰なんて言える立場ではございませんわ!本当に無神経!だから貴方なんて大嫌いですわ!いつもはナンパな雰囲気で気安いのに鍛錬場で剣を振るう姿は真剣で真面目でそんな素敵な殿方を密かに想っていた自分が大嫌いですわ!」
立ち去ろうとしたアリスの手をオスカーが掴む。
「まってくれ!」
「なんですの!」
「君の想い人は、その、幻滅されてしまった想い人にはチャンスはあるかい?君を守り強く真っ直ぐ君を想えばその人は君と想いを遂げられるかい?」
「わたくしには婚約者が居ますわ。公に守られてはわたくしの立場は余計に悪くなりますわ。」
「それでも君の想い人は君の事を思っているんだ。」
「影からこっそり守ってくださるなら嬉しいですわ。……惨めに婚約破棄されこの学園を去るまで思い出としてその方と誰にも邪魔されることなくひっそりと過ごせたらわたくしは幸せですわ。」
「君をきっと守るよ!婚約破棄は向こうが悪いんだ。貴女から婚約破棄をすればいい。それだけの証拠を集めよう。ひとときの思い出と言わずずっと共に居られるように……。」
「オスカー様……あっ、」
「俺の名前を呼んでくれるんだね。アリス……。」
掴んでいた手をそっと引き寄せて手の甲にキスをするオスカー。
本当にこいつら都合いいな、惚れやすいな。あれかなこれは私が悪役令嬢ってヒロインを邪魔する立場だから邪魔としてホイホイくるのか?それともこいつらアホなのか?いや、成績とかくそ女出てくるまでの振る舞いとかは完璧だったもんな。恋は盲目?あと普通に手の甲にキスとか顔面偏差値の高いやつだから許されるけどこれが顔面偏差値低いやつにやられたらそのまま顔にグーパンだからな?綺麗な顔に感謝しな!
「オスカー様。」
あまりにもキザ過ぎて乙女ゲームのCGぽ過ぎて笑いそうになるわ。
ふるふると頬を赤らめて俯くアリス照れている(実際は笑いを堪えてるだけ)を見てオスカーはアリスが愛しくて堪らなくなる。
きっとこの人を守ろうと心に誓った。
「俺がエドワルド様やマリアから君を守るよ!」
「ありがとうオスカー様。その、時々オスカー様が鍛錬場で練習している時に差し入れを持ってきても良いですか?それ以外では誰かに見られると立場的に悪いのでこっそりで申し訳ないのですが……。それと証拠集めのために心苦しいですがマリア様の近くで情報を集めて欲しいんです。」
小首を傾げてのぞき込むアリスは天使のように可愛らしい。オスカーは思わず見とれてしまった。
「オスカー様?やっぱりダメですか?」
「いや!そんな!うれしいよ!任せてくれ!」
「では、学園内では極力接触しないで鍛錬場で時々お話ししましょ?」
「ああ、わかった!」
「あと明日お願いがございますのよろしですか?」
オスカーにお願い事をする。快く引き受けてくれた。
「では今日はこれで失礼しますわ。もうお昼休みも終わってしまいますから。また今度、楽しみにしてますわ。」
鍛錬場から去っていくアリスの後ろ姿をオスカーは夢見心地で見つめていた。
よっし!これでオスカーはこっちの味方や!くそ女めオスカーがお前の悪事?悪業?なんて言うかビッチでクソな所暴くためにそばに居るとも知らずに……。
ニヤける。
さて放課後は明日のした準備だ!
ローゼリアとリリア集めて作戦会議や!
「というような感じでよろしくお願いしますわ!」
「ええ、分かりましたわ!」
「涙を流す秘訣は瞬きをしないことですわ!」
「わかりましたわ!」
「そこはもっと可憐に!」
「ええ!」
「それでは通しでもう1回練習ですわ!」
「「はい!」」
気合い入れて明日の準備をしますよ!
読んで下さりありがとうございます!