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とりあえずお前な

ドライアイってめっちゃ辛い

さぁ〜て、あのクソ(マリア)どうしてくれよう?

まずは、そうだな!あのクソみたいなハーレムぶっ潰そう!

前世やり込んだ乙女ゲームだ。あの攻略対象(アホども)の事なら今嫌という程分かるぞ!

そうだなエドワルドは最後に取っておくとしてリアンとオスカー、ルークだな。

まずはリアンからにするか!

リアン!首洗って待っとけよ!!お前なんぞ瞬殺じゃ!


中庭でエドワルドと仲睦まじく話しているマリア、それを渡り廊下から切ない表情で見ているリアン。


バタン


「あっごめんなさい僕ぼうっとしていて!」


小走りで走ってきたアリスとぶつかった。


「いえ、わたくしこそ、前を見ていませんでしたわ……。」


アリスの目には涙が浮かんで居た。


「ごめんなさいどこか痛む?」


「いえ、痛くありませんわ。」


「でも貴女泣いている。やっぱりどこか痛むのでは?」


「あら、わたくし泣いていましたのね……。平気ですわ。痛いのは身体では有りませんから。」


「えっ?」


中庭に目をやるアリス。

視線の先には仲睦まじいマリアとエドワルド。

リアンも胸がチクリと傷んだ。


「痛いのは心の方ですわ。婚約者が他の女性と話していた位でわたくし…。1度や2度では無いとわかっていてもわたくし……っ」


ポロポロと泣き出すアリス。


「わっ、大丈夫?じゃないよね、あの、ここじゃ何だからあっちに行こう。」


リアンの誘導で談話室へと来た。

リアンは道すがらアリスにハンカチを渡し背中をさすり大丈夫だからと励ました。

談話室に着くとポロポロ泣くアリスの背を優しく黙って撫で続けた。


「わたくし分かってましたのわたくしの婚約者はわたくしでは無く別の女性が好きだと……。」


儚げなどこか消えてしまいそうな悲しみにくれる少女に自分の叶わぬ恋心を重ねるリアン。

マリアはエドワルドの事が好きだ、そしてエドワルドも2人は結ばれるだろう。

そんな2人の幸せを時期教皇として見守り2人を助けて、マリアの幸せのために働こうと思っている。


「わたくし最初は見ない振りをしていましたの。でも、でも、実際に見てしまうと、どうしても現実を、わたくしは愛する人に愛されていない現実を、見てしまうと耐えられませんの。」


自分は次期教皇としてそんな2人を陰ながら見つめる。

だがこの人は婚約者が他に好きな人が居る、結婚して共に過ごす夫婦。幸せなはずのその生活が、最初から浮気をされていて、この人に心がない。きっと自分よりも耐えられない思いなのだろうと話に耳を傾ける。


「でも、取られたくなくて相手の方に散々言いましたの、彼はわたくしの婚約者、手を引いて下さいませと。」


「そうなの?それでは相手の方は別れてくれたんでしょ?」


「いえ、自分はそんなつもりは無いと。それなら彼と離れてくれと言いましたの、でも彼が誰と居ようがそれは彼の自由。彼の自由を奪わないで、と言われましたの。つまり愛されてないわたくしは、耐えろと言いましたの。」


「なっ!なんて酷い!」


貞淑を大事にするルクセ教としてそれは許せない事だった。


「でも確かに彼が誰と過ごそうがわたくしに口出しはできませんわ、そして耐えましたの。ですが彼女は他の男性達も周りに置き。まるで彼女のハーレムのようになりましたの。ですからわたくし彼に、エドワルド様に彼女から離れて下さいと申しましたの。そしたらお前の事は好きではない。私はマリアと結婚する、お前など目に入れるのも嫌だとおっしゃり聞いて下さいませんでしたの。」


「えっ?エドワルド様?」


「あっええ、わたくしとした事がエドワルド様の名誉を傷つけてしまいますわね。ごめんなさい、ハンカチ洗って返しますわ今のことは忘れて下さいませ。」


アリスは慌てた様に談話室を出ていった。

残されたリアンは思い返した。

エドワルドが最近自分の婚約者アリス・キャリル・リウォンダーが、マリアをいじめているから、証拠を集め1ヶ月後に皆の前でその罪を暴こうと提案してきた事を。

そう言えばエドワルドにはアリスという名の婚約者が居るのにマリアと婚約するのはおかしい、今まで考えていなかったがこれは浮気だと気づく。

そうすると涙ながらに出て行った儚げな彼女がアリスか……。

あんなに可憐な令嬢が居ながらマリアと恋をするエドワルドが醜く思えた。

そしてそれを受け入れようとしていた己も醜く思えた。

涙を流し、それでもエドワルドの名誉を守ろうとしたいじらしい彼女。

彼女の儚げな姿が守らなければという男としての自分の何かを駆り立てた。

優しい彼女を泣かせるなんて男では無い。

いくら優しくて可愛と言われても自分も男、女性は守ってあげたい。

リアンは静かにエドワルドとマリアに反旗を翻しアリスに少し心を引かれるのであった。



よっしゃいい感じ!

あー涙腺ありがとう。頑張った瞼!

泣くのにめっちゃ瞬き我慢した。めっちゃ泣いた。

貞淑を大事にするルクセ教、それを小さい頃から教えこまれたリアンは一途な女性がタイプ。そして可愛らしい外見から可愛いと扱われているが、男として扱われる事にめっちゃ憧れてるリアン。

いい感じにマリアとエドワルドのネガキャン出来た。

そしていい感じに泣いといた。

強いけどか弱い女の子が好きなリアンにはこれは効果的だろう!

これでリアンは上手く動いてくれるだろう。

後はハンカチ返す時の一押しかな!


よっしゃ次はオスカーや!このまま(涙がもったいないから)行くぜ!

読んで下さりありがとうございます

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