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番外編 ウィルミード伯爵家の末路

忘れている方が多いと思うので一応( ̄▽ ̄;)

40.とある商会 にてレベリュー商会に違法奴隷の入荷を頼んだ人。帝国内ではそこそこ上の立場だが、黒い噂は絶えない。

レベリュー商会や別の商会、裏の組織に誘拐を頼んだウィルミード伯爵家当主、オルプス=ウィルミードは貴族街の廃れた屋敷の地下で行われるとある集会に参加していた。そこでは、濃紺の外套(がいとう)と悪魔を模した黒い仮面を被っている者達が50人ほど集まっていた。

「指示通りに奴隷の手配を頼みました。教皇様」

「そうですか、それはご苦労様でした。ヴィルプ司祭。これで陛下の復活を更に早めることが出来るでしょう」

(※ヴィルプという名前は宗教上での名前、と思っていてください)

教皇と呼ばれた男は想像していたよりも若い声でそう応えた。

「はっ、これも我ら司祭の務めです故」

「良い心がけです。それではまた1ヶ月後の集会の時に出来上がった(・・・・・・)者を連れてきてください。信仰のない生贄では意味がありませんからね」

「はい、存じております。しかし、一月では奴隷が届かない可能性がありますが…」

「ふむ、そうでしたね…しかし、生贄の儀は月に一度の新月の時にやらなければならないのです。来月を逃してしまうとまた一月待たねばなりません」

「なるべく、早急に用意できるように致します」

「頼みましたよ」

そこで会話を終えると教皇とヴィルプ司祭らは舞台に上がって行った。

「今宵もよき集会が出来ることに感謝し、我らが新しき時代を作るための神であるジスト様に祈りを捧げようではないか」

今夜は新月、月の魔力が消える日…その夜に行われるは世を混沌に(おとしい)れし魔王を神として崇拝する教団の集会。捧げられしは教徒達の祈りと(にえ)となるために絶望を植え付けられし女子供の奴隷達。かの教徒達はその日のためにと奴隷を買い、又は攫って奴隷にし、絶望を植え付け集会へ持参せし。この儀式は封印されし魔王が復活するまで行われん。

例の集会から2週間後、ウィルミード伯爵はとある連絡を待っていた。

午前の書類仕事をしながら待っていると使用人がドアを叩く。

「旦那様、レベリュー商会の方がお見えになっておりますが、どうなさいますか?」

「そうか、直ぐにここへ呼べ」

ようやく来たのか…

「かしこまりました」

ウィルミード伯爵は表面上では落ち着いていても内心ではとても落ち着きがなかった。

しばらくすると、再びドアを叩く音がした。

「お連れ致しました」

「入れ」

入って来たのはなんと商会の会長だった。妙にやつれている気がするが…

「う、ウィルミード伯爵様に良くない知らせを持ってこざるを得ない私の無能ぶりをどうかご容赦くださいませ」

「…何の話だ?」

ウィルミード伯爵はその時点である程度察してはいたがそうであって欲しくないという願いからあえてそう言った。

「じ、実は例の奴隷の件なのですが…向かわせた者達に連絡用の魔道具を持った者を行かせたのですが、そのものからの定時連絡が無くなり…道中で魔物に殺されてしまった可能性があるのです」

だが、その願いは即座に打ち砕かれた。

「なんだと?!それは本当なのか?!」

「も、申し訳ありません。しかし続きがあるのです。昨日の閉門後に報告にあった容姿の5人がこの帝都内で確認されたのです」

「そうか、ならばすぐにでも連れてこい」

「いえ、ただそういう訳にもいかないのです」

「どういうことだ?」

「報告にあった容姿等は全て一致するのですが、付けられていたはずの奴隷の首輪が外れていたのです」

「む?それは付けた者が死んだからなのではないのか?」

そう、普通なら付けた者が死んでしまえばその時点でどれ位の首輪は外れるのだが…

「いえ、念のためにと私の魔力を登録していたので本来ならばありえない事なのですが…」

この世界では奴隷の首輪に(あらかじ)め魔力を登録することが出来るので、もしも、付けた者が死んでも効果を発揮し続けることが出来る。

「ふむ、それは妙だな」

そして、もしもの時に備えてそこまでしていた会長に感心しつつも妙だと感じているウィルミード伯爵。

「それらを踏まえて、如何致しますか?」

「近いうちに襲撃をしてそ奴らを連れてこい。そうすれば何も無かったことにしてやろう」

「はっ、ではそのように…念のために伯爵様にも容姿を伝えておきます…」

最後に5人の容姿を伝えられ、面会は終わった。そして、いざ執務に戻ろうとすると…

「旦那様、皇帝陛下からお呼び出しです。今すぐに帝城に登城するようにとの事です」

…なにか、非合法な活動がバレてしまったのだろうか?いや、それは無いだろうと思いつつウィルミード伯爵は登城の準備をした。

いざ登城してみると、ウィルミード伯爵が危惧していたようなことではなく、隣国の貴族の子供が来るので列席せよ。との事でほっとした。そうして廊下を歩いていると前から子供1人と…報告された容姿にそっくりの女が5人思わずなぜここに?!と言う顔をしてしまっていた。慌てて素知らぬふりをしたが子供が何か怪しい者を見る目をしていた。

さらに驚くことにその子供は男爵位を下賜され見た目に不相応な対応力、礼儀作法等を身につけていた。

(とはいえ所詮は子供、どうやって実行役から奪ったかはしらんがどうとでもなろう。それに、こういうトラブルがあっても問題ないように他の組織にめ依頼をしておるからな。人数が多いに越したことはないが、ダメだったら仕方があるまい)

ウィルミード伯爵はそう思っていた。


翌日


昼食を食べ終わり、午後の執務に取り掛かろうとするとドアを叩く音がした。

「旦那様、レベリュー商会の会長様がお見えです」

もう襲撃をしてきたのかと思いながら昨日と同じように返す。

入ってきた会長は顔を真っ青にしていきなり謝ってきた。

「申し訳ございません!」

突然のことにウィルミード伯爵も困惑してしまった。

「い、いきなりなんなんだ?訳が分からん」

「そ、それが…」

そう言って会長はポツポツと事情を話し始めた。

「バ、バカな…ありえん」

「しかし、事実でございます。襲撃には直属の部隊を使ってしまったので秘匿は不可能かと…」

「くっ、バレてしまうのは時間の問題か…なんてことをしでかしてくれたのだ!!この責任はどう取るつもりだね?!」

自分が命令しておきながらその失敗の責任の全てを会長に取らせようとしていた。

「ひっ、そ、それは…」

「…とりあえず、この件に関しての書類は全て処分しておけ。いいか、全てだぞ」

「はっ、わかりました。そ、それでは早速処分してまいります」

会長はそう言って急いで帰って行った。だが、この時会長は何を思ったのか、全てを処分せずにコピーされた契約書だけを処分し、本物は金庫の中へしまった。そして、商会はハルトに襲われ金庫の中に入っていたそれらの書類を盗られることになった。

そして、捜査の手はウィルミード伯爵家にも及び…

「し、しらんっ!断じてそんな依頼をした覚えはない!」

「しかし、レベリュー商会の会長からの自白もそれを売らずける証拠も揃っています。もう言い逃れは不可能です。ご同行いただけますね?」

そうして始まった取り調べにウィルミード伯爵は1週間ももたずに全てを話した。

その後の裁判の裁判長には伯爵という高い身分の者であったため皇帝が務めた。

「ウィルミード伯爵よ。貴殿には期待しておったのだがな…誠に残念である。さて、判決であったな。ウィルミード伯爵家は只今を持って取り潰し、全財産の八割を帝国国庫へ納めるように。そして、主犯であり当主のオルプス=ウィルミードは懲役15年の刑に処する。何か異論のある者はおるか?…ないようだな。それでは、これにて閉廷とする」


とある場所


「ヴィルプ司祭が捕まったのは皆もう知っているだろう。大変嘆かわしいことだ。我々は何としてもヴィルプ司祭を取り返さねb…」

「全員そこを動くな!」

そして、ウィルミードが漏らしたのか 魔王を崇拝している者達の集会に帝国の兵士達が入ってきて、参加している者を次々に捕らえた。しかし、"教皇"と呼ばれる者だけは捕まることは無かったという。

ブックマーク登録者様が18人になりました。ありがとうございます。

自分で書いてて時系列が訳わかんなくなってきてしまった(笑)

私事ですが、軽いノリでコミケ応募したら見事に場所取れてしまったのでそちらで出す作品の制作にしばらく勤しむため更新出来なさそうです。(1月1話程度しか出てないから変わらないよね?ね?)ちなみに、コミケで出す作品は私の趣味全開です。戦車のお話です。

誤字脱字があれば教えて下さるとありがたいです。

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