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16.初のモンスター戦

神様から忠告を受けて数ヶ月後のこと。

アルフォード辺境伯爵家に魔物が森から溢れだしこちらに向かっているという情報がきた。

(神様が言ってたのはこれのことか?!よくわかんねぇけど厄介なことになりそうだ)

そう思っていると、ウェイルさんが

「お前もそろそろ実戦をしてもいい頃だし、氾濫もいつものだろうから低位のモンスターしか出てこねぇよ」

と言い出し、俺を連れ出した。あれ?いつものって、それ今回はいつものじゃないっていうやつのテンプレじゃね?ってか、定期的におこってんのね。

お父様と、この街のギルドマスターに許可をもらい、ウェイルさんの近くでならということになった。ちなみに、エスタノールさんは魔法を使った支援のため後ろにいるらしい。


最初に出てきたのはゴブリンやオーク、あと、ヤドカリみたいな名前を知らないモンスターなどが出てきた。

「やっぱりいつもと大して変わらねぇな」

「今回も簡単な依頼ですね」

隣にいた冒険者パーティがそう話していたが、ヴェイルさんは

「奴らは何から逃げているんだ?今回は何かが違う…?」

と、不安なことを言っていた。


とりあえず出てきたゴブリンを倒しに向かう。

「ギギギィ!?」

ちょっとキモいけどまぁ、しゃーない。

短刀を頭にめがけて投擲する。すると、頭部が爆散する。さらに、威力が1匹で弱まることはなく後ろにいたゴブリン数匹も同じようになった。

ふぁっ?!

ちょっと待てちょっと待て、落ち着け落ち着け、今いったい何が起きたんだ?

なんか、ウェイルさんは別にそれがどうした?みたいな顔してるけど…周りの他の冒険者の皆さんはポカンとしてるぞ。

「ウェイルさん、なんで当たり前だな。みたいな顔してるんですか…」

「い、いやな、お前は俺の筋トレを毎日やっているだろ?」

「ま、まあ、週に1回は休んでましたが、やりましたよ」

「多分それのおかげだろうハッハッハッハ」

「流石にそんなことであなんな威力が出るわけねぇだろ?!」

「正直俺も知らん!!」

えぇ…

ま、いいや、とりあえずこの調子でやっていこう。

そして、みんなで協力し、あらかた終わったところで異変が起きた。

ドンっ!という爆音とともに遠くで木が倒れていく。

「っち、大型モンスターが来やがるぞ!ゴブリン共はそいつから逃げてたんだ!誰か街に伝令に走れ!残りは戦闘準備!」

ウェイルさんが大声で叫ぶ。相当やばいらしい。

「ウェイルさん、僕が伝令に行きます!何人か来てください、一斉に飛びます!」

「わかった、頼むぞ!」

「はい!!」

俺は何人かの冒険者さんを集めて【ロングワープ】を使った。

「ギルドマスターを呼んでください!至急増援と治癒の準備をお願いします」

多分だけど受付の人にそう叫ぶ。俺だけだったら信用してもらえないかもしれないけど他の冒険者の人も連れてきているので特に疑われることは無かった。

そして、準備が出来た人達を俺が【ロングワープ】でどんどんと送っていく。最後にギルドマスターとして紹介されたリストルフさん(強面スキンヘッドおじさん)を連れていく。

俺が戦場を見てみると合成獣(キメラ)が4体もいた。

いろんなモンスターを強制的に縫い合わせて造られた誰がどう見ても人為的なもの。中には阿修羅のように背中から無数の腕が伸びているキメラの姿もあった。

そして、あたりをキョロキョロと見回して俺の存在に気付いたのかこっちに向かってくる。なんでこっちに来るんだ?!逃げようとしたが恐怖で足がすくみ、魔法もうまく使えない。そして、キメラは自身の持っている獲物の有効圏内に入った瞬間、大鎌が振り下ろされる。

ああ、まずい、このままじゃ死んじまう。振り下ろされる大鎌をみて俺はそう確信していた。この世界じゃ、5年しか生きられねぇのか…地球で生きてた時間よりも短いなんてな…

『オ前ハ諦メルノカ?』

誰かの声が聞こえた気がした。初めて聞いたようでそうではない。そして、どこかカタコトな日本語。

『お前は誰だ?』

『俺カ?俺ハオ前ダヨ。違ウノハオ前の心ノ中ノ黒イ部分ヲ集メタ裏ノ存在ッテトコダガナ』

『ってことは俺のどす黒いところだけってことか。でも、この状況でなにが出来るってんだよ…』

『俺ニ身体ヲ預ケロ、ソウスリャア全部終ワッテルサ。サア寄越セ!!』

「…わかったじゃああの魔物片付けたら返せよ。まあ、裏切るかもだがな」

『ハハッ、分カッテルジャネェカ。イイゼ約束ダ。アノ魔物ヲ片付ケタラ返シテヤル』

そして、俺の意識は闇に落ちていった。


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