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13.王女様は少々変わっているようです

翌日、支度をすませるとハルトの【ロングワープ】で王都の少し手前までやってきた。もちろん、一般人が出入りするための通常の門ではなく、貴族が出入りするための門から入るのでもんにたどり着くまでに1時間はかかりそうな列に並ぶことは無かった。城はやはりというか、なんというか、中央に建っていた。1番高いところで、50メートル位はあるだろう。とても立派な城だった。

ちなみに、王都に入るための門も、王城に入るための門も顔(もしくは馬車)パスだった。いいのか、それで…

<hr>


王城に入ると、王もスケジュールが詰まっているとのことなので、豪華な調度品が置かれた部屋に案内された。360度どこを向いても高そうなツボやら絵画やらランプやら、おまけに絨毯やソファもそんな感じだ。正直落ち着かねぇ…国の威厳とかを見せつけるためのものなんだろうけど、お高いものとの接点なんてほとんどなかった一般人にこれはヤバイよ。

なんてビクビクしながら座っていると、お父様が笑い出す。

「お前にも苦手なもんがあるとはなぁ。いやぁ、面白い」

「見慣れないし、あからさまに高ぇ……高いものばかりなので仕方ないですよ」

一瞬、素の口調が出そうになってしまった。が、慌てて言い直す。

「そうか、そう言えばあまり高いものは見せていなかったな。これからいくらでも見ることになるだろうし、慣れておけ」

そんな会話をしていると、ドアがノックされ、謁見の間へ通された。

<hr>

「面をあげよ、我が友ベルマーレ、そして、その子どものハルトよ」

「「はっ」」

「さて、型ぐるしく形式ばったのはここまでにして気楽に話そうではないか。どうせここに、口煩いじじい共はおらん」

「そもそも、俺は公の場でもお前にタメ口でもいいって言われてるんだからわざわざ言わなくていいだろ」

「お主の息子が萎縮したままであろうに…少しは気遣ってやらんか…」

「ああ、すっかり忘れてたぜ。んで、ハルトへ何のようだ?」

「聞かなくともわかっとるだろうに…」

「念の為ってやつだよ」

「そうか、では、単刀直入に聞こう。本当に【空間魔法】を所持しておるのか?」

「それに関しては、実際に見てもらった方が早いな。鑑定石を使ってもいいが用意してないだろ?」

「そうだな。それに、数百年に1人と言われるほど貴重な魔法を見ていみたいというのもある。それにわしの魔眼も嘘はついていないと言っておるし、信じてよさそうだな」

というわけで、ハルトは【ショートワープ】を数回使った。

それを見た王様は、ほう、と呟いたあと

「最後にひとつ、ハルトの特異点の原点を把握するためにシストリナを呼んで、見せても問題ないか?」

と言った。

ハルトはどうせ、記憶を読まれるほどの強力な魔眼ではなく、ステータスを見る程度の通常の魔眼だろうと踏んでいたので、素直に頷く。

「はい、問題ありません」

「そうか、では、呼んできてくれ」

が、父のベルマーレは渋い顔をした。

「お父様?」

「いや、何でもない、何でもないぞ」

しばらくして、謁見の間に入ってきたのは緑の髪に、透き通るような白い肌で右目が翡翠、左目が真紅、ひらひらが沢山ついた緑のワンピースを着たハルトと同年代であろう幼い女の子だった。

「お父様がお呼びとの事でしたので急いでまいりましたわ」

「ああ、早速で悪いがハルトをリナの魔眼で見てくれんか?」

「?わかりましたわ……では、失礼しますわ」

そう言って、少女(てか、幼女?)は俺の前に来ると顔を深く覗き込んできた。

……めっちゃ恥ずかしいんですけど?!

1分ほど覗き込まれ、なんとも言えない恥ずかしさに悶えていたが、少女が顔を離し、開口一番、

「この世界とは別の世界の記憶がありますわ!!興奮してしまいましたわ!!!」

と、叫んだ。ハルトは見事にフラグを回収した。そして、

「…場所を変えて、人を集めてから話し合おう」

と、少女の口を抑え、普段は決して出さない低い声でそう言うのだった。

ノベルバの方にて矛盾点を指摘していただき、急遽直しました。(2020.1.11の事ですが…)

なろうの方も切り替えたものだと思い込んでおりました。失礼いたしました

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