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番外編、その頃地球では

「今日は、あいつのお葬式か…」

空の親友である智仁(ともひと)はボソッと呟く。

「あいつは、天国に行けたかねぇ。ったく、勝手に死んでんじゃねえよ。まだまだ、お前とバカ騒ぎしたかったのによぉ」

空に友達と呼べるような人は少なかった。式場に着くと空の両親が出迎えてくれた。

「ああ、智仁くん。今日は来てくれてありがとう」

「いえいえ、親しかったんですから、最後の、最後の、見送り、ぐらいは、してやらないと…」

自分で”最後の見送り”と言った瞬間、本当に空が死んでしまったのだと思い涙が溢れてきた。

中に入ると、これまた空の数少ない友達の1人、祐大(ゆうだい)もいた。

「よお、祐大、お前も来てたんだな」

「そりゃそうだろ。俺らの数少ない同志だぜ?」

「まあ、そうだよな…あれ?大翔(ひろと)はまだか?」

「もうすぐくるだろ。さすがにこないわけがないだろ」

「だよな」

俺らが少し雑談をしていると、

「ようっ!2人とも!」

大翔も来た。

「お、これでいつめんが揃ったな。ちょうど始まるっぽいし隣座れよ」

祐大も大翔もなんか、明るすぎないか?

「な、なあ、なんで2人はそんな明るく振舞ってられんだよ」

「そりゃあ、俺らだって悲しいけどよ、明るく振舞ってやらなきゃあいつが素直に成仏するとは思えなくてさ」

「俺も同じだよ」

「そ、そうか、そうだよな。俺らが明るく見送ってやらないとだもんな」

葬儀を一通り済ませた後は火葬をして先祖代々のお墓に骨を納め、終了した。

幸いにも終わった時間が3時過ぎだったので、俺らは大翔の家に行き、空の送別会をすることにした。

「本当に…空は死んじまったんだな。もう、アイツと趣味を話し合うことも出来ないんだよな」

「そうだな、俺らはあいつがいたからこそバカみてぇに騒げてたんだもんな。それがこんな形で終わっちまうなんてなぁ…」

「お、おいおい、暗くなりすぎだって!」

せっかく明るく送り出そうとしたとになんかすごい暗くなっちまったな。でもまあ、仕方ないんだろうけどさ…

あいつが居なくなった、それまでずっと続くと思われていた日常が突如として崩れ去っていってしまった。僕らにとってそれは、あまりにも唐突で、そして、残酷だった。その日は泣きながらみんなで思い出を語り合った…そして、俺らにとっての最高の友達が居なくなったことを再び、いや、もう何度目かわからないくらい実感した。

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