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クマと科学とエトセトラ

2話目ですキャラクターの特性とか世界観を出せていけたらいいな~

2話


「やぁ(・ω・)ノ」


3人の視線が『それ』に集中する。それはまさしく、くまのぬいぐるみだった。

大きな頭の2頭身な体型。表面の顔を埋めたくなるようなふわふわな茶毛。

そして3人を見つめるつぶらな目。

どこをどう見ても茶色のくまのぬいぐるみだ。


「ねぇ、きこえてる?」


ただ、しゃべることをのぞけば・・・


晃樹の肩をシャルルがたたく。


「おい!なんなんだあれは!あんなのがいるなんて聞いてないぞ!」


「僕だって聞いてないよ。動くぬいぐるみなんて・・・ねぇ、伽凛はなにか知ってる?」


「・・・」


伽凛の肩を叩くが反応がない


「伽凛?」


晃樹が伽凛の顔を除き込もうとすると、バッと伽凛が勢いよく目を見開き、くまへ向かって全力で突っ込んでいく。


「「(ミス)かりん!?」」


二人の制止の声も届かず伽凛はくまをおもむろに掴み挙げ、持ち上げたかと思うと、


「キャーーー(>_<)かわいいーー!」


くまを胸元に抱き抱え、強く抱き締めた。

小さなくまの全身が伽凛の豊かな胸部に包まれる。


「くっくるしー!放してー」


呆然としていた二人だったがくまの声にハッとして、伽凛からくまを引き剥がしにかかる。


「ミスかりん!そいつが安全だと決まったわけではない!今すぐそいつから離れるんだ!こうき!早く引き剥がせ!」


「えぇーこんなにかわいいのに~?」


「シャルルの言うとおりだ。ひとまずそこにポイしなさい!」


「むぅ・・・こんなにかわいいのに・・・」


伽凛は渋々といった様子でくまをカプセルに置き、数歩離れる。


それを見届けるとシャルルが目元を引き締め直してくまを睨む。


「そんなに怖い顔で睨まないでおくれよ。」


くまがおどけた口調で喋りだす。


「オイラはMHー538。高度なAIと大容量のデータベースを誇る君たちからしたら未来のロボット。通称くまさんだ!気軽にくまさんと呼んでくれ!」


(なんだよ、くまさんってwそのまんまじゃないかw)


(ロボットだって?こんな小型で?しかも俺たちの会話に的確に返答するこの思考力。さらにこいつはさっきから2足歩行で歩いている。姿勢制御装置はこの小ささに入りきるようなもんじゃないぞ?ありえない・・・)


(へぇ~、くまさんってすごいんだ~。それにしてもかわいいなぁ~もう1回モフモフさせてほしいなぁ~)


三者三様の感想を抱きつつも口を開くものは誰もいない。

その沈黙を破ったのは、またしてもくまだった。


「黙っちゃってどうしたの?あ!わかった!僕のハイテクさに驚いてるんだね!いや~うれしいね~」


((こいつウザイ))


シャルルと晃樹の視線が交差し、シャルルが面倒くさそうに首をしゃくる。それを見た晃樹が、やれやれ、と肩をすくませ前にでる。


「えーっと、くまさんだっけ?僕達はコールドスリープしてて君のことを知らないんだ。だから、もっと君のことを教えてくれないかな?」


「しかたないなぁー何が聞きたいんだい!」


喋りたくて仕方がない風にくまが頭の後ろに腕を組もうとする。しかし腕の長さが圧倒的に足りないため、すごく残念な感じになっている・・・


「では俺から質問させてもらう。」


シャルルが前にでる


「クマ。お前はさっき俺たちにとっての未来から来たといったな?それはいったいどれくらい未来のことだ?」


「50年くらいかな~。戦争ってすごいね!沢山の命がゴミのように散っていくなかで、今まで秘匿されてきた技術がどんどん出てくるんだ♪あのときはすごかったよ~。どこの国でもみんな出し惜しみなんてしなくてさ、沢山の機械が命を刈り取る為だけに作られたんだよ♪あのときの科学者達は皆必死に人を低いコストで効率的に殺す術を探していてね・・・」


「やめろ!」


くまのお喋りをシャルルが強い口調で止める。


「科学は人殺しの道具じゃない!科学は人を救うために神がもたらしたものだ!人の生活を便利にしていくための術で人殺しの道具などではない!」


「ふふふ、それでも科学によって沢山の人間が死んでいったんだ。その事実は変わらないよ♪

他になにか質問はあるかな?」


「じゃあ、僕からいいかな?」


晃樹がシャルルを庇うように一歩前に出る。


「いいよ♪なにききたいの?」


「君の時代の人たちはどうなったのか教えてくれないか?」


「あ!それ!私も気になる!」


「いいよ~教えたげる♪僕がここにいる理由にもなるし、君たちがコールドスリープされた直後から振り返ってみようか♪ 3人とも覚悟はいいかな」


3人は真剣な顔でクマを見つめ深くしっかりと頷く。


「じゃあ、始めようか」


クマが大きく腕を広げると、首につけていた首輪のレンズから光が飛び出し、空中にスクリーンが広がり、砂嵐が画面を覆う。


「これは?」


「ホログラムだよ。戦争中はこの技術で敵の五感を惑わせるのに使っていたよ♪」


スクリーンの砂嵐が晴れるそこに写っていたものはかつての文明が栄えていた頃の地球だった。


次回は眠っていた500年の間の話です。

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