光の意地悪
それから私は、クラスのほとんどの人と仲良く出来た。不安もあった高校デビューは、無事に花を咲かせた。
「咲々月さん!勉強教えてー」
中学時代あまり友達を作らず勉強ばかりしていたお陰で勉強は、中の上位は、出来る私は、良く皆に勉強を教えてと頼まれる。
「良いよ!どこが分からないの?」
「あのね、、英語なんだけど、、、」
「ありがとー✨咲々月さん!本当に教えかた上手だね!助かった!」
英語は、あまり一番苦手だけどそれでも簡単な問題位なら皆にも教える事が出来る。
「さっすが雪!勉強出来て羨ましいなー」
薫が私に話しかけてくる。
「そんなこと無いよ。逆に私は、薫が羨ましい、、、」
薫は、驚いた顔を見せた。
「えっ!!なんで?雪みたいに可愛くないし、勉強出来ないし、男みたいな処あるしなにも良いとこないよ?」
「ううん。薫はさ、いつも笑顔で可愛いし、マネージャーやってる時だって回りの事良く見て行動してるし運動出来るし、、、本当に羨ましい。」
薫は、頬を赤く染め
「えへへ、ありがとー✨」
って言った。
「いやいやいやー、雪ちゃん。薫から運動出来る処と馬鹿みたいに笑う処取ったらなんもいいところなくなるで!ほんまに薫の良いところって言うか、ましな処その2つしかないからなー、」
いきなり光君が入ってきた。
「ちょっと光ー。あんたねーいちいち一言二言多いのよ!なによ、馬鹿みたいにうるさくって、酷くない?」
光君は、へへっと笑うと薫に顔を近づけた。
「そんなに怒るなよ薫、、、冗談だよ。薫ほどいつも明るくてその笑顔で俺を癒してくれる人は居ない。なぁ薫、、、その眩しい笑顔を俺に見せてくれよ?」
私も薫もこの光君の言動には、目をパチクリさせるしかない。私は、空いた口がふさがらなかったけど薫は、口を押さえて顔が真っ赤になってる。
「隠さないで、、ほら笑えよ。」
「ひ、、、光、」
「薫、」
見ている私までドキドキしてくる。光君が別人に見える。
薫は、顔を一旦伏せるとエヘヘと照れ笑いをした。光君も笑い返す、、、
「薫、、お前、、」
「光、、あたし、、」
「「エヘヘとかキモいな/す、、す」」
えっ?
あたしも薫も唖然、、ただ光君だけがクスクスと笑っている。
「俺がまじでそんなこと言うわけないだろ?雪ちゃんじゃあるまい。薫に、」
「光ー!あんたねー最低!」
薫は、別の意味で顔を真っ赤にして怒った。私もこれは、どうかと思う。
「光君、薫に謝りなよ?」
「なんで?」
「純水な乙女心をからかったから!」
「えぇーー、」
薫は、無言で光に謝れと目で訴えている。多分物凄く怒っている。光君もさすがにその目付きからヤバさを悟り頭を下げた。
「薫、ごめん!さすがにやり過ぎた。でもこれは、本当。こんな意地悪、薫にしか出来ない。本当にごめんな」
薫は、少し顔を和らげて
「しゃーなし許す!こんな失礼な事あたしにしか出来ないだろぅし!」
と言った。
「あぁ、幼い頃から共にいた薫にしか無理だな!」
「って開き直ってんじゃないよ!」
「まぁまぁ薫!」
怒る薫をなだめながら私は、視線を彼に向ける。片桐君に。薫は、片桐君とも友達って言ってたけどあまり話している処を見ない。どーなんだろ?
「片桐君!こっちで話そーよ!」
思いきって私は、彼を呼んだ。