10.3章 初めまして at正規
「こちらの方々には初めましてとなるのか。御屋野正規という。既にハルナ・リールシェル・ランゲルハンスはご存じかと思うが、俺はその夫だ。
そうだなあ。控え室で渡された台本というかしおりというか冊子には、『あなたの職性に関連した観点から物語を紹介してください。』って書いてあるんだ。まあ俺は主師。あ?あいつ説明してないの?主師は、蒼藍王国の最高意志決定組織。国王、国王相補、太宰、長相、空官庁、天医、天医補の7名からなる。俺はこのうち国王相補になる。それぞれ資格があって、国王相補は、国王の配偶者である者。太宰、長相は、原則国王の従姉。空官庁は、太宰、長相の配偶者、天医、天医補は姉妹兄弟であり、とある一族の者という条件が有ったかな。
ちなみに蒼藍王国にも貴族は居る。俺も爵位は持っている。皇爵というものを。まあ爵位に関しては俺の後に出るあいつに任せる。
そうそう話を戻すが、俺は主師の中で比較的常識人という立ち位置らしいので、我が国の常識を。
我が国の国民が人間とは異なる知生体というのはすでご存じかと思うが、人間にも短命種、中命種、長命種の3種類が居る。大半は寿命千年程度の中命種と二万年以上生きる長命種になっている。だがおよそ0.3PPM程度の割合で寿命150年程度しか生きない短命種が居る。
それでもって、この短命種どもが、あまりにも傲慢なんだ。だから俺たちは短命種を『薄毛の猿』と呼んで嫌っている。ちなみに人間国家のうち新中と新朝は短命種しか居ないから我が国と国交がない。」
まあ、他にも、胎児が障害を持っていることが分かれば中絶するというのが常識という感じの国です。そのまま生まれても生きにくい世界になってますもの。ちなみに人権団体は活動した瞬間に問答無用で国家騒乱罪に問われ拘束国外退去というのも常識ですね。
次は、結構ややこしい経歴の持ち主です