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異世界に国ごと転移!?  作者: 陸軍将校
異世界転移編
4/47

偵察

第15偵察分隊は装甲車1両・指揮車1両と兵員輸送車1両の計3両で南へのを偵察を行っていた。

「隊長!前方に集落が見えます。」

前方を走行中の装甲車から無線で後方の指揮車に連絡があった。

「全車警戒を怠るな!何が出るか、わからんぞ。」

兵士たちが兵員輸送車から降り、周辺を警戒しながら集落に向かって進む。

3名の兵士が物陰に隠れながら集落にある広場の様子を見ると、広場には人1人いなかった。

「現在、集落の広場を確認しましたが、だれもいませんでした。」

「了解した。では、警戒しつつ民家内部も調査せよ。」

「了解」

兵士たちは慎重に民家を捜索するが、どの家にも誰もいなかった。

「集落すべてを調査しましたが、人はどこにもいませんでした。」

「了解。こちらも集落内部に向かう。そこで一時待機する。」

「はっ!」

集落に入った指揮官は無線を使い司令部に報告を行った。

「・・・と言うわけでして、さらに奥に進んでも構わないでしょうか?」

「我々の目的は現地住人との接触だが、くれぐれも無理はするな。」

「了解」

偵察隊は集落に発信機を設置し、さらに南へと進み始めた。

すると、数キロ先から煙が上がっているのが確認できた。

偵察隊の指揮官は人がいるのではないかと希望を持ち始めた。










エルフの女騎士ミーリエルは集落に住んでいたエルフの一族と必死で集落から逃げていた。元々エルフたちが住んでいた集落はイリース王国の最東端にあったが、先代の王様が急死され、先代の代わりに即位したアルフレッド2世は大の人間至上主義者であった。そのため、人間以外の獣人やエルフ・ドワーフなどは次々と王国の兵士に捕らえられ、奴隷にされてしまった。そのことを知ったミーリエルは近隣のエルフは隣国でエルフが王様のグリーゼ皇国に逃げ込もうとしていた。

既にグリーゼ皇国もイリース王国の情報をつかんでおり皇国国境沿いには王国から逃げてきた者たちであふれていた。

「もう少しだ。もう少しで、グリーゼ皇国領だ。」

既にエルフたちは疲れ切っており、皇国領まで行けるかどうか不安だったが、エルフたちは最後の力を振り絞りグリーゼ皇国にある村落にたどり着いた。

「あんたらよく無事でこれたね。さっ、早くこっちに来な。おなかが空いてるだろうと思って食事を用意してるからね。」

犬人族の女性が村落の中でも一際目立つ建物へと案内してくれた。

建物の中では、既に何人かのエルフが泣きながら食事をしていた。

「皇国は今後どうするつもりなんだ?」

「それは、分からないけど騎士団が王国との国境地帯に向かっているのが見えたから王国と戦争かもしれないわね。」

「そうなのか。」

「そう言えばあんたは騎士さんみたいだけれど?」

「そうだ。私は王国で騎士として働いていたんだ。」

「それだったら、皇国が義勇兵を募集してたけど参加したらどうだい?」

「それもいいかもしれないな。」

話をしていると外が騒がしくなっていた。

「どうかしたのか?」

「ちょっと見てくるよ。」

そう言うと扉を開けて女性は出ていった。

「ちょっと。何があったんだい?」

「王国だ!王国の騎兵部隊がこっちに向かってきているんだ!!!だから、村の若い者たちを集めてるんだ。お前たちはエルフさん達や村の女・子供とあの建物に籠ってろ。」

「わかったわ。」

さっきから様子がおかしい。この建物に村の女・子供がたくさん入ってくる。みんなおびえているようだ。

すると、犬人族の女性が戻ってきた。

「なにがあったんだ?」

「王国が攻め込んでくるみたいなのよ。だから、村の若い衆が戦う準備をしていたわ。

だから、みんなでここに立て籠もるんだよ。あんたたちも早く中に入りな。」

「そうであれば私も戦おう。これでも、私は騎士だ。戦力になるだろう。」

「わかったわ。あたしから話してみるよ。ついてきな。」

私は女性の後ろをついて行った。

「どうしたんだマリアン。危ないだろ早くあそこに立て籠もっていろ。そっちのエルフさんも早く!!」

「ちょっと待って。こちらミーリエルさん。王国で騎士をしてんだけど一緒に戦わせてやってくれないかい?」

「構わないぜ。あんた、どのくらい戦場は経験してるんだ。」

「大規模な戦闘は5回ほどだが、小規模の戦闘は何回もやってきている。」

「だったら、頼れるな。右翼を任せてもいいか?」

「構わない。」

「よし!!マリアンは早く逃げていろ。」

「わかったわ。じゃあ、ミーリエルさん頑張ってね。」

「ああ。」





「もう間もなくグリーゼ皇国領に入ります。」

「そうか、わかった。」

「しかし、よろしいのですか。許可も得ずに皇国領に侵入するなど。」

「構わん。陛下は我輩にすべてを任さて下さった。国境でも既に戦闘が始まっていると聞く。問題ないだろう。」

「すぐ近くに村落が見えます。いかがなさいますか?」

「よし、すぐに攻め込むぞ。」

「住人についてはどうしますか?」

「男・子供は殺せばよい。女たちは兵の慰め物として使えばよいだろう。」

「はっ」

「では、攻撃を開始する。野蛮な奴らに王国の実力を見せてやれ。」

「「おう!!」」


だが、彼らは後々起こる恐怖を知らなかった。

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