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異世界に国ごと転移!?  作者: 陸軍将校
異世界転移編
23/47

新たな火種の予感

前回のあらすじ

帝国「哨戒中の水上機が落とされた。」

某国家「何だったんでしょう?」

帝国「海防戦艦を投入して不審船を止めるぞ。」

某国家「なんか、鉄の船に囲まれた。」



こんな感じだと思う

「女神様、どうすればよいのですか!?」

考える暇もなく、

『停止しない場合は貴船を撃沈させる。無駄な抵抗はやめて停止しなさい。』

「船を止めなさい。」

「はっ!!!」

「それから、先ほどの者達をここへ。」

「了解」

零式水上偵察機の操縦手たちは甲板に連れてこられた。

「おお!!海防戦艦を投入したか。」

「そんなことはどうでもいい!!あれは、貴様らの国の海軍か?」

「あれは、俺達と同じ領海警備隊の軍艦だ。」

「だそうです女神様。」

「それならば振り切れそうですね。」

「それは、無理だろうな。」

「黙れ!!そのようなことやってみないとわからないだろ!!!」

「空を見ることをお勧めするよ。」

「空?」

甲板にいた者達は空を見上げた。

すると、爆弾を抱えた零式水上観測機が30機程度確認された。

「過剰兵力な気はするが、零観が爆弾を落とせば帆船ごときすぐに沈没するぞ。」

その時見張り台の兵士から、

「鉄の塊より小型の船が10隻こちらに向かっています。」

「どういうことだ!!!」

女騎士は零式水上偵察機の航法士であり、隊長の香川孝和海軍少尉に掴み掛った。

「臨検部隊だろうよ。変な動きしたら殺されるぜ。」

「臨検?」

「立ち入り検査するんだよこの船を。」

「女神様いかがいたしましょう。」

「素直に従うしかありませんね。」

「わかりました。」

少しすると内火艇が船に近づき、武装した警備隊の兵士が乗り込んできた。

「この船の船長のアリスです。」

「エルスランド帝国領海警備隊臨検部隊隊長の大崎達治海軍少佐です。」

「達治か!!」

「孝和!!生きてたのか。」

「この通りな。部下も全員生きているぜ。」

「よかった。」

「あの・・・・」

アリスが口をはさむ。

「失礼した。貴船は我が国の航空機を撃墜している。本来なら臨検なしで攻撃するところだったが、今回はイリース共和国からの要請もあり臨検とした。」

「そ・そうでしか。」

「貴船はサクラ皇国からの船とみて間違いないか?」

「はい、間違いありません。」

「それがわかればよい。イリース共和国からの要請もあるしな。」

「では、もう行ってもよいと?」

「そう言うわけにもいかない。」

「彼らをこちらに引き渡すこと。」

「それでしたら今すぐにでも!!」

「そこのあなた。彼らの持ち物を持って着て頂戴。」

「はっ!」

「これでよろしいですか?」

「わが軍の航空機を撃墜してますから一旦わが国の警備隊本部で事情聴取を行わないといけません。聴取が終わり次第、イリース共和国へお送りします。」

「船の方は・・・・。」

「それは、先に我が国の船が曳航して共和国に送っておきます。」

「どうされますか?」

「それでよいのでは。」

臨検部隊に聞かれないようにこそこそと話を始めた。

「女神さまもそれでよろしいですか。」

「構いませんよ。」

「では。」

「決まりましたか?」

「ええ、そちらの言うとうりします。」

「そうですか。では、こちらの内火艇にお乗りください。」

そう言われてアリス達は内火艇に乗り込みイルマリネン級海防戦艦に連れていかれた。

艦に乗った後は艦内にあるラウンジに案内された。

「港までは数十分とかかりませんからここでお待ちください。」

そう言うと達治は部下を連れて出ていこうとした。

「おい、ちょっと待て!!」

孝和に止められた。

「どうしたんだ?」

「どうしたんだ?じゃね。どうして俺までお姫さんたちと一緒について行かなきゃいけないんだ!!!」

「上からの命令だ。それに、お前が一番彼女達と長い時間接しているからな。」

「命令じゃ、仕方ねえな。」

「わかってくれて何よりだ。それじゃあな。」

今度こそ達治は部下を連れて出ていった。

アリス達はラウンジの中をもの珍しそうに見ていた。

その様子を和孝は見ていると、港が見えてきた。

そこには、イリース共和国国旗を掲げた船が見えた。よく見てみるとイリース共和国海軍の装甲艦だった。

「あれは、イリース王国の軍艦ですね。」

「女神様、今はイリース共和国です。」

「そうでしたね。」

「それにしても、王国時代にはあのような軍艦は見なかったがな。」

「和孝殿は何か、ご存知ですか?」

「あの艦は、帝国にある民間企業の三崎重工が共和国の発注を受けて建造した帝国海軍の旧式艦であるメスディイェ級をモデルにした装甲艦だったかな?」

「それでは、あの艦は帝国では旧式なのか!?」

「そうなりますね。」

そう言っている間に海防戦艦は港に停泊した。

「港に着きましたので、お降りください。」

「そう言えば、そうでしたね。」

海防戦艦から降りると領海警備隊の将校と外務省から派遣された外交官、イリース共和国大使館職員の3人がいた。

「皆様は、こちらのお車にお乗りください。」

車に乗り向かったのはイリース共和国大使館だった。

そこで、彼女たちは軽く今回の偵察機撃墜の件に関して話を聞かれた後、イリース共和国大使と面会した。

彼女たちの目的は亡命で、できることなら軍隊をマガウド大陸に派遣してもらうことだった。

大使は本国と連絡を取り合った結果、亡命は認められたが軍隊の派遣は認めなかった。

理由としては、現在軍拡中であり兵士も国を防衛する兵力で手一杯だからだ。

ならばと今度は帝国に派兵を要請したが、帝国もマッドドッグ傭兵団とは、戦争状態でもなく亡命してきた彼女たちが治めていた7か国とは全く国交関係がないことを理由に断った。

彼女たちはイリース共和国に亡命政府を樹立することしかできなかった。

しかし、そのことで問題も多数発生した。

イリース共和国に亡命政府ができたことでマッドドッグ傭兵団の迫害を恐れた難民たちが海を渡りイリース共和国に押し寄せてきたのだ。

その際、帝国領海内やグリーゼ皇国領海内に侵入したために領海警備隊や皇国海軍に難民たちの乗る船が拿捕されたり、警告を無視して航行したために撃沈するなどの事件が多発した。

イリース共和国には同盟国からの批判が殺到し、イリース共和国は亡命政府に対して両国への説明を果たすように要請した。

共和国内の世論は亡命政権を追い出すべきとしているが、王国時代に初代の王がお世話になっていることから追い出すことも出来なかったが、遂に事件は起きた。

帝国領海内で演習を行っていた第54駆逐隊所属の駆逐艦睦月がマッドドッグ傭兵団の所有する船の魔法攻撃を受けて沈没してしまった。

マッドドッグ傭兵団の船はその後、領海警備隊の海防艦20隻と海防戦艦6隻による砲撃で爆沈した。

生き残った船員の話によると難民を乗せた船を追跡していたら見失ってしまい、当てもなくさまよっていると第54駆逐隊の演習現場に出くわしたらしく、亡命政府の所有する新兵器と勘違いしたらしく、実力を測るため攻撃したと証言した。

これにより帝国国内世論では亡命政府の船を近づけさせるなと言う声が多くなり、無視できなくなった帝国政府は亡命政府に対して、今後、無条件で帝国領海内に侵入した船は撃沈すると通告。亡命政府はイリース共和国を通じて抗議しようとしたが、イリース共和国はこれを拒否。難民にこのことを伝えるべきと助言。また、亡命政府代表の女神であるアストレアスがエルスランド帝国皇帝の松村家政皇帝と面会、今回の駆逐艦沈没の件に関して正式に謝罪と今回の通告の撤回を求めた。

通告の撤回は出来なかったものの皇帝は少しだけ亡命政府に好印象を持ち始めた。

一方でイリース共和国では、軍隊を総動員しての治安維持が行われていた。

エルスランド帝国大使館にもエルスランド帝国陸軍第1保安師団が配備され、緊張を隠しきれない状況だ。

この状況を見かねた亡命政府はイリース共和国と交渉を行い、イリース共和国にある群島を租借することになった。

亡命政府は女神様や王女様、巫女様の持ち物を売り払ったりした。そのお金で苗などを買い、農作物を作り始めた。

この姿勢が評価され、エルスランド帝国政府は亡命政府におこなった通告を撤回。

食料や苗などの支援をおこなったり、難民を受け入れることを表明した。

亡命政府の租借した島では難民たちが次々と農作業を行うようになった。

その他にも帝国政府に依頼して武器の購入を行った。

少量ではあるが、帝国軍旧式の18式73型戦列銃(スプリングフィールドM1873)も購入するなどした。

そんな中、訓練中だったエルスランド帝国海軍航空隊の離島防衛部隊所属の偵察機がエルスランド帝国に向かう大船団を捉えた。偵察機は船にあった旗を撮った。

その写真はすぐさま海軍本部に送られた。海軍本部はイリース共和国大使に写真を見せると、マッドドッグ傭兵団の旗と判明。

海軍は艦隊に出撃命令を出した。

連合艦隊司令長官の山本鉄三と海軍大臣の松村光政は戦闘が起こらないことを祈った

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