北イリース共和国軍の意地と誇り
前回のあらすじ
帝国「準備できたから王都占領するわ。」
王国「やばい!!南部に逃げよう。」
帝国「王様に見捨てられてるww」
王国「南部に王都引っ越しただけだ!!」
帝国「今日から傀儡政府ね。」
共和国「わかりました。」
皇国「俺、出番なくね。」
これでよし!!
北イリース共和国軍は女性兵士10に対して男性兵士が1だ。北イリース共和国は女性9割の女性がほとんどを占める国家だ。もし、イリース王国を併合したとしても男性1割が精々2割に増えるか増えないかの世界だ。
共和国は現在、非常に軍人・役人の数が足りていない。
エルスランド帝国から、共和国に友好的な将官を返してもらってもまだ足りない。
何より、北イリース共和国軍は今まで扱っていなかった銃と言う武器を手にすることになった。この武器を知る将官は共和国軍人の中でも非常に少なく、国家元首のアミルダと陸軍大臣のブレッドだけだった。帝国はこの事態に対して、退役将校で編成された軍事顧問団を共和国に派遣した。
共和国軍は少しずつではあるものの銃としての扱いに慣れていった。
その後、実弾を使った演習を何度か行い実戦を行うことになった。
少し前まで自分たちの祖国だった国に、今は銃口を向けている。
しかし、共和国軍人は誰1人として王国を裏切ったことを恥じてはいなかった。自分たちを捨てて逃げた国王に失望した人や無茶な戦争に突入したせいで最愛の人を失った人などいろいろな気持ちの軍人が、自分は1人の共和国軍人としてこの戦場にいると言う気持ちが大半を占めていた。
「いよいよ、我々の祖国に銃口を向けねばならん日が来たが、恥じることはない。貴様らは今や立派な共和国軍人である!!!貴様らが戦う意思がある限り、我々共和国軍は負けはせぬ!!!!」
北イリース共和国第1歩兵師団の司令官であり国家元首のアミルダ将軍の演説に兵士たちは感動する。
共和国軍初の実戦は共和国領内の町だった。
この町はもともと王都と王国南部との交通の要所だったが王都の陥落により住人が避難したため今は、だれも住んでいない。
この町を奪われると王国軍に共和国首都を占領できるチャンスを与えてしまう。
王国側もこの町の重要性をわかっており、王国南部方面軍8万が町に向かっている。
防衛部隊は北イリース共和国第1歩兵師団3万とエルスランド帝国陸軍保安部第28保安師団とエルスランド帝国第1警察師団の計4万でこの町を守ることになった。
兵力を見ればわかる通りこの町を防衛する部隊の主力は実戦経験のない北イリース共和国軍だ。
頼みの綱は第28保安師団に配備されている41式装甲車(AB 41)30両と24式軽戦車5両だった。
数だけで見ると2倍の差があるが、王国側もエルスランド帝国軍との実戦経験がないと言う意味では同じだ。
王国側にはエルスランド帝国との戦闘を経験したものがいないため、王都を陥落させたエルスランド帝国軍に対して王国南部方面軍も気を引き締めていたが、斥候の報告により、防衛部隊の主力は裏切り者どもの建国した北イリース共和国軍。斥候の話だと兵士のほとんどが女だと言っていた。エルスランド帝国軍も正規軍は精々5千といったところで、王国側は早くも楽観視していた。