王国の分裂
前回のあらすじ
帝国「祝!!王国領侵攻!!」
王国「追い出してやる。」
帝国「やれるものならやってみろ。」
結果・・・・・
王国「今日はこのくらいにしてやる。」
帝国「負けてるくせに偉そうに言うな!!」
こんな感じ
第3戦列師団が占領した港には続々と海軍の輸送船が到着し、物資や兵員・兵器を下ろしていく。
輸送船団が港に物資を下ろしてから数日で設営隊は港を改造。
港はエルスランド帝国軍の前哨基地となった。
王国側も攻撃を試みるも基地周辺にはバンカーや要塞砲などがあり、迂闊に近づけず帝国陸軍警備部の第3警備機甲連隊所属の戦車や装甲車常に巡回しており、攻撃すれば大損害はまぬかれない状況だった。
エルスランド帝国の南方に位置するため、エルスランド帝国軍の主力は南方方面軍集団となっている。
エルスランド帝国南方方面軍集団兼王国侵攻軍総司令官の松村清秀陸軍元帥は3週間の間、物資の収集と兵力集めに努めるを提案。その後、王国軍に攻勢を掛けようとしていた。
司令部ではこの案に反対する意見も多く、最終的に兵の休息もかねて1週間となった。
司令部はこの作戦をイギリスの名将モントゴメリー将軍の行った作戦と同じ、スーパーチャージ作戦と命名した。
王国では相次ぐ属国や属領での反乱や戦争による重税により国民の不満が溜まっていた。
「どうなっておるのだ!!!」
アルフレッド2世は怒り狂っている。
「20万の軍勢が立った2万5千に負けただけでも恥じるべきことだと言うのにそのうえ王国領に侵攻されるとは何事だ!!!」
「しかし、陛下。奴らは見たこともない武器を使いこちらに攻撃してくるのですぞ。どのようにすればよいとおっしゃるのですか?」
「黙れ!!!!のこのこと負けて帰ってきたやつが偉そうな口を利くな!!」
「そのとうりだアイザル将軍。君には失望したよ。」
王に続いてメイビル将軍も文句を言う。
(軍隊のことなど何もわからぬ男が偉そうに!!)
「陛下!!王国に無能は必要ありません。アイザル将軍を処刑してはいかがですか?」
「メイビル将軍の言うとうりだ。王国に無能な者はいらぬ。」
そう言うと腰に下げていた剣を抜きアイザル将軍の首をはねた。
「いいか、よく聞け。アイザルのようになりたくなかったら必ず戦果を挙げて来い。よいな!!!」
「はっ!!」
アイザル将軍の死体は衛兵により捨てられ、アイザル将軍の一族はすべて奴隷となった。
翌日、王宮の中を走っている1人の大臣がいた。
「陛下!!一大事です。」
アルフレッド2世は寝室で女達と戯れていた。
「何だ。世はいそがしい。あとにしてくれ。」
「そう言うわけにはいきません。敵が大規模な攻勢に出ました。既に主だった将軍が戦死または、捕虜にされました。」
「何だと!!!」
「敵の一部は既に王都近くまで迫ってきております。」
「将軍は!!指揮できる将軍はおらんのか!!?」
「メイビル将軍と他数名いましたが、メイビル将軍以外はアミルダ将軍の呼びかけに応じ降伏しました。」
「アミルダ?」
「お忘れですか?皇国侵攻の際に敵の捕虜になった女将軍です。」
「思い出したぞ!!!アミルダめ。恩を仇で返すとは!!!」
「陛下!!今すぐ南部へお逃げください。命があれば再び王都を取り戻すことも可能です。」
「しかし・・・・。」
「南部には今回の戦争に参加しておらず警備任務に就いている将軍もいます。」
「わかった。世は今すぐ逃げるとしよう。」
アルフレッド2世は急いで服を着ると女達とわずかな護衛兵を連れて王城を脱出した。
しかし、メイビル将軍や王都防衛軍の兵士たちはこのことを知らずにいた。
その後、王都は陥落。メイビル将軍は戦争犯罪人として、帝国の特殊収監場に連れていかれた。
アルフレッド2世は南部に王都を移し、徹底抗戦を呼びかけた。
対する帝国もアミルダ将軍を国家元首とした北イリース共和国の樹立を宣言し、イリース王国は2つの国家に別れてしまった。
イリース王国による、重税に耐え切れなくなった王国国民は北イリース共和国に殺到。
北イリース共和国政府は打倒イリース王国を掲げたが、現状はエルスランド帝国の傀儡政府である。