王国軍の後方
前回のあらすじ
皇国「荒れ地を好きに使っていいよ。」
帝国「ありがとう。立派な基地を作るね。」
結果
皇国「何コレ!!すごくない!!」
帝国「このくらい余裕。」
皇国「やばい。あの兵器カッコいい!!」
帝国「すごいだろう!」
大体あってるはず・・・・
ついに王国との戦争が始まった。
エルスランド帝国陸軍航空隊は開戦と共にグリーゼ皇国内にある駐屯基地から飛び立ちイリース王国軍に大打撃を与えようとしていた。
イリース王国軍はグリーゼ皇国領に侵攻を開始しようとしていた。
「もう間もなく亜人共の土地だ!!我々王国軍は亜人ごときに負けはせぬ。全軍突撃!!」
指揮官の言葉で士気が上がる王国兵、そこに・・・・
「何の音だ?」
突然、聞いたこともない音がする。指揮官も部隊を停止させ周囲を警戒した。
まさか、エルフ秘伝の巨大魔法か!?
「隊長あれを!!!」
兵士が見たのは大編隊を組んで飛行するエルスランド帝国陸軍陸攻隊と護衛の戦闘機隊だった。
「ワイバーンよりでかいぞ!!どこの所属だ。確認しろ!!」
「それが、何度も通信魔法で確認しているのですが、そんなに巨大な竜を使う部隊はないとの報告です。」
「馬鹿な!!皇国ごときがあんな巨大な竜を持っているはずがない。奴らは魔法と弓でしか攻撃出来ん軟弱者だ。」
その時、指揮官の頭の中に1つの答えが浮かんだ。
この地に突如出現したエルスランド帝国と言う亜人共と共存している国に違いない、そう思った。
「エルスランド帝国だ。」
「はい?」
「あれは、エルスランド帝国の部隊だ!!」
「そんなまさか!?」
「考えてみろ。皇国の軍事能力は王国でも既に情報がほとんど得られているが、エルスランド帝国の情報はほとんど手に入っていない。」
「それだと、あの方角は・・・・・。」
「そうだ。奴らは王国に向かっているのだ。」
「まずいですよ!!早く知らせないと!!」
「早く司令部に連絡しろ!」
「それが、先ほどから通信魔法が使えません。」
「伝令兵を走らせろ!!なんとしても司令部に連絡するのだ。」
「はっ!!」
だが、伝令兵は重爆隊の攻撃が終わってから司令部に到着することになった。
駐屯基地から侵攻軍の拠点までは遠く、航続距離が長い旧日本軍の航空機が主力として攻撃を行う。
「間もなく王国の軍事施設が見えてくる。ここを潰して侵攻軍に大打撃を与えるぞ。」
「「了解!!」」
駐屯基地から飛び立った陸攻隊は侵攻軍の拠点となっている駐屯地を爆撃しようとしていた。
「暇だな。」
「馬鹿言うな。警備だって大切な仕事だ。」
「そうかもしれねえけどよ、俺は、戦う方が性に合ってる。」
「そうか・・・・。」
王国軍駐屯地では、2人1組の警備兵が監視塔から警備をしていた。
「おい!なんだあれは!!!」
「ワイバーンか?いや、それにしては大きすぎる。」
「まさか、敵襲!?」
「間違いない敵襲だ!!」
「俺は、司令部に連絡するからお前は、ワイバーン格納庫へ行って事情を話せ!!」
「わ・わかった。」
1人は監視塔から降り、格納庫へと走った。
「こちら監視塔。監視塔。司令部応答願います!!」
懸命に通信魔法を試みるも通じない。
「くそ!!どうなってやがる。」
通信魔法が使えずにムシャクシャしていると、
大編隊の中から3機で1個の編隊を組んだ戦闘機が監視塔に機銃掃射を行った。
監視塔は機銃掃射を受け破壊された。
そんな中一式陸攻が爆撃を実行。
ワイバーン格納庫が真っ先に陸攻隊の的になり、ワイバーン格納庫には焼夷弾が落とされた。
ワイバーン格納庫に広がった火はほかの建物にも次々と燃え移った。
王都に用事で出かけていた将軍が司令部に駐屯地に戻るとそこにあったのは懸命に消火活動をする王国兵と燃え広がる駐屯地だった。
この爆撃の結果、駐屯地の約9割を消失、駐屯地にいた兵士たちも大多数が死傷したが、侵攻軍司令部は、亜人共の最後の抵抗と考え作戦を続行。物資に関しては、現地から略奪することになった。
その後、侵攻軍先鋒の部隊から伝令が来てから、エルスランド帝国の攻撃である可能性を考え始め、臨時の物資集積場には、大型のバリスタが配備された。
だが、侵攻停止までは至らず、今回の攻撃はエルスランド帝国軍の翼竜による奇襲攻撃と断定し、次は撃退できると司令部の人間は判断した。