プロローグ
「GAMEOVER」パソコン画面に表示されたその文字は固まったまま動こうとしない。またこれか、くそったれ。
最近、パソコンのフリーズが増えた気がする。
まぁ、人生自体がフリーズしたままのおれよりはマシだろうが…。
俺が学校に行かなくなってからかれこれ1ケ月が経つ。思い返してみると、とても有意義な1ヶ月間だったと思う。
朝10時起床。10時から2時にかけてパソコン。昼食をはさみ3時からゲーム、基本的に風呂には入らない。
汚くはない。臭いは香水でカバーしている。
俺は相当な問題児だろう。
クラスメイトが勉学に励む中、俺はPCゲームをしている。
クラスメイトが青春という壁にぶつかってもがき続ける中、俺はベッドの中でもがき続けている。
明らかに違いがある。もう駄目だ。俺はこのままニートとして人生を歩むことになるのだ。
そんなことを考えていると、姉が帰ってきた。
「ただいま~~っ!!」
姉は俺しかいない家にいつもこんな調子で帰ってくる。恥ずかしくないのだろうか。
「コウくんただいま~!!」
姉の名は柴田優。ぶっちゃけ、ブラコンだと思う。
こんな姉だが、学校では結構モテるらしい。
「あぁ…おかえり…」
俺は適当に返事を済ませ、パソコン画面と向き合った。