人気取りの功罪
駄文、散文ではありますがよろしくお付き合いをお願い致します。
今回のお題は『人気取りの功罪』つまりは、人気を取ろうとする行為は是か非かです。これは割と深いトコロに繋がってしまうお題なので微妙に避けていたのですが、ふとこれまで投稿したエッセイを読み返して居たら気が付いたのです。
ちょっと最近、日和見してる自分が居る事に……。これは由々しき事態であると重く見た結果、鋭角なお題にもチャレンジしなくてはならないと思い至った次第であります。
良く聞く話題の一つに総合ランキングに似たようなジャンルが偏っているという物があります。人気のあるジャンルに多くの作者さんが傾倒した結果なのですが、つまりは人気を取ろうとした結果と言い換える事も出来るのです。この辺りが罪の部分になる訳ですね。
否定的な意見の多くがランキングが機能していない事について嘆いています。そして、読者さん側も似たような物にしか評価をつけないとも。
反して作者さんの側から見た場合、面白いと思ったから自分も、と言うのはつまるところ自分の作品も人気が出て欲しいと言うだけに過ぎません。しかし、これは作家として当然の欲求であり、自分の子供である作品を多くの人に愛でて欲しいと考えるのは必然です。
さて、それでは視点をもう少し大きく取りましょう。小説になろうのサイト内だけでなく文章創作と言う意味で文章媒体の全てと考えた場合どうでしょうか。
イメージが簡単なのは本屋さんですね。床面積が少ない街の本屋レベルの物を想像してみてください。極端に大型の書店や専門の書店は当てはまらないのですが、市場の原理が働いてよく売れるジャンルが多くの売り場面積を獲得している事に気が付けると思います。
小難しい参考書や専門書よりも、雑誌や漫画、小説などの売れ筋と言われる本が数多く置かれているのです。
もちろん、商業作品と非商業作品をそのまま比べるのは暴論極まりないのですが、我々アマチュアが手本とするべき参考書は商業作品なのですから傾向を参考にする程度は許されても良いかと思います。
つまりは、購入者である読者の支持傾向を掴みそれを供給する書店側立場の作者の姿勢は正しいかどうかですね。けそけそは花丸を付けてあげた上で正しいと肯定します。あざとかろうが、媚を売ろうが人気が出た者こそが勝者であり正義なのですから。
社会倫理から極端な逸脱を行わないとか、犯罪を助長するような物を書かないとか、盗作を行わないであるといった最低限のラインはありますよ?そのラインを守った上でと言う常識を踏まえた考え方をして頂けると助かります。
では話を戻して小説になろう内での事について。作者、読者共に特に気にする事は無いのではないでしょうか。単純に今現在の流行がそうなっている、というだけの話です。
勝手に沈静化して、また勝手に別のジャンルが隆盛を極めるだけの流れが出来ると考えるのが自然でしょう。今まで流行という物に仕掛け人が居て、その仕掛け人に踊らされてると知った人が流行に対して嫌悪感を持っているのは判ります。しかし、過去から現在において人気のジャンルに作者が群がり、作品群を溢れさせている等といった事象は枚挙に暇が無いほどありふれた出来事です。野球が流行ったら野球物、サッカーが流行ったらサッカー物、格闘技が流行ったら格闘技物の創作物が溢れるのと何の変わりがあるのでしょうか。
そして、人気ジャンルを描けば人気が出るのは当然と言う論調に一言物申します。それは絵の描けない人間が人気アイドルの肖像画を描けば売れると言っているのと同じ暴論です。人気が出る為にはその為に何かが必ずひとつ以上は必要なのですから。
そんな訳で、けそけそにしては珍しく否定ではなく肯定の論調で結びとなります。ぶっちゃけて言ってしまえば、異世界ものを読みに来てるんだから異世界ものいっぱい取り揃えてて何が悪いのさと言う事です。それ以外が読みたいというのであれば、アウェイであるこの場所で叫ぶのではなくそれ以外のジャンルが充実している場所を探すのが賢いやり方です。
もちろん、自分で素晴らしい創作物を創造して流行のジャンルを築き上げるというのも一つの方法ではあるのですが、かなり難しい事であるのは言うまでもありませんね。
この文章があなたの一助になれば幸いです。
いつもにも増して取りとめが無いと言うか、微妙にお題から離れてしまった感が否めません。
お付き合い頂いてありがとうございました。