表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/13

大きな嘘と小さな嘘

 駄文、散文ではありますがよろしくお付き合いをお願い致します。

 第三回目のお題は『大きな嘘と小さな嘘』です。今回は前2回とちょっと毛色が違い、お話の作り方の話とでも申しましょうか。


 それでは早速、お話を作る際に絶対に必要な事は嘘をつく事です。特にこのエッセイのタイトルに反応するような方なら尚更ですね。だって、現実世界にはエルフも居なけりゃ魔法も存在しないし、身体がゴムだったり、お家の蔵に妖怪が槍で張りつけにされていたり、あまつさえ空から女の子は降って来るような事は無いのですから。

 つまるところ、上手に嘘をついて物語り全体が嘘っぽくならない様に調整をかけなければならない訳です。そして、けそけそが考える調整方法がこの『大きな嘘と小さな嘘』になるのですね。


 まず大事なのが大きな嘘です。

 これは物語りの根幹とも言うべきもので、嘘が大きければ大きいほど良いです。何故なら一つの嘘をつく事で他の事象にも説明がついてしまう利点があるからです。

 例えば、大嘘その1を異世界に渡ってしまいました、にしたとします。テンプレ中のテンプレで大人気な訳ですが、この嘘をついてしまった事で大抵の事象は許されてしまうんですね。異世界ならば仕方が無い、と。別に、現代ですが魔法がありますでも、忍者が居ますでも構わないのですが、ゆったりと包容力のある大らかな嘘の方が望ましいのではないでしょうか。

 その後に決めるべき世界の設定やら何やらは大嘘その1を下地にした上で常識的に決めていけば良いだけになりますので。そして、その常識的な決定はコンセンサスが取りやすいと言う利点がある訳ですね。

 例えば、技術として魔法が存在しますと言うのは現代の常識からすれば鼻で笑われてしまう嘘な訳ですが、異世界であれば存在してても有りになるので嘘ではなくなるのです。

 そうやって嘘の部分を消していく事で整合性の取れた物語になって行く訳ですね。だから一つ大きな嘘をついてしまった後は出来るだけ嘘はつくべきでは無いのです。嘘は重ねれば重ねる程に薄っぺらくなり、真実味が薄れてしまう側面も持っているからですね。しかしなに分と人の考える事ですから物語りが進むにつれてどうしても整合性を失ってしまう事は多々あるでしょう。

 そこで登場するのが小さな嘘。簡単に言えば言い訳の為の嘘です。もちろん前述の通り嘘は少ない方が理想なのですが、特に物語りも中盤を過ぎればどうしても動かせない設定の一つや二つは出てくるもの。その為につく嘘が小さな嘘になるのです。

 死亡フラグを立てまくった挙句に消えて行ったあの人が実は生きていたり、愛するあの人が実は血を分けた兄弟だったりするのです。まあ、テコ入れとも言います。もちろん、事前の準備が無ければ唐突に登場する設定に読む方は混乱しますし、ご都合主義的に感じて不快感を与えるだけになってしまうものですが。

 ただ、面白いのは物語りに笑いを取り入れたい、コメディ色を強くしたいのであれば多くの小さい嘘を重ねてしまった方が良い時があるのです。爆発してしまった教室が次の週や、次のコマの時間には何故か元通りになってしまう不条理なお約束的な部分ですね。作る方としては劇的に楽になります。


 さて、それでは散々引っ張って来ましたが説明はこの位にして本題です。簡単ですね世の中嘘吐きが多すぎるって事です。

 いやコメディ作品なら構わないのですが、シリアスなのに嘘だらけなのってどうなんだろう?って。シュールレアリスムによる笑いでも狙ってるのかもしれないけれど、それにしたって色々と足りて無いのです。

 もちろん、創作を行う過程で嘘をこねくり回すのは避けて通れない道ですので否定する気はまったく無いのですが、乱発しすぎるとインフレを起こすのは貨幣でも戦闘力でも嘘でも同じなのです。

 願わくは嘘の少ない世の中になって頂きたいものなのです。


 この文章があなたの一助になれば幸いです。

 お付き合い頂いてありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ