表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/13

治安機構

 駄文、散文ではありますがよろしくお付き合いをお願い致します。

 今日のお題は『治安機構』いってみれば、警察、州軍、国軍、騎士団や近衛兵とか自警団も含めたそういった類のものですね。


 法治国家だろうとも独裁政権だろうとも、そして専制君主制であっても国と言う形態が出来上がっていて権力が発生した場合に発生するのが治安機構です。村から街へ、街から国へと規模が大きくなればその分治安機構も大きくなってしかるべきなのですが、こと冒険活劇にとってはこの治安機構というのは非常にやっかいな存在です。

 通常ならば世の中の治安を守ってくれるありがたい存在のはずなのですが、この部隊の性能を高く設定しすぎるとトラブルが起きる頻度が減ってしまうのです。書き手としては頭の痛い問題なのですが、かと言ってトラブルが頻発するような程度にまで能力を下げると今度は国として立ち行かなくなります。つまるところ、頻発するほど治安は悪くなく、かと言って全てを取り締まれる程ではない無能さを要求されるのです。これだけでも匙加減の難しさが知れるというものです。


 例えば、元冒険者の盗賊さんが居るとします。彼は元々高名な冒険者でしたが、何やかんやあって盗賊に身をやつします。そして、持ち前の戦闘力を持って各地を荒らし回って盗賊として大成功を収めるとします。

 さて、この話でふたつ程疑問点がわき上がるのですが、お気づきでしょうか?

 まずひとつは今回のお題の通り、治安機構は何してたのさ?と言う部分ですね。正直、たかだか冒険者に率いられた食い詰めの集まりと、常時訓練と食事をふんだんに取って育った権力側の人間達とで比べるのもおこがましい筈なのですが、英雄補正とでも言うのでしょうか、湯水のように手下が集まり戦力の低下が起こらず、どれ程横暴であろうとカリスマを発揮し、治安機構を手玉に取り続けます。

 そして、もうひとつは逆説的に言えば高名な冒険者ならば盗賊になってしまえばやりたい放題できてしまうと言う事です。わざわざ辺境や秘境を踏破して、環境の悪い迷宮を這いずり回り、ドラゴンやグリフォン等の危険生物を相手取るよりも安全確実な再就職先です。

 先の例に挙げた盗賊さんのプロフィールは良く見るテンプレに感じられるかもしれませんが、相対する治安機構の実力を必要以上に低く見積もってしまうと冒険者が盗賊予備軍に早変わりと言う何とも残念な結果を招いてしまうのです。

 まあ、もともと冒険者など荒くれの食い詰め者であながち間違った評価では無いのかも知れませんし、この説なら湯水の様に沸いてくる盗賊の部下と言う謎戦力も説明出来たりするので理に適っているとも言えるのですが、冒険活劇のいちファンとしては彼らの心には一本芯の通った物を期待せずにはいられません。


 特に冒険者主体の物語りにありがちではあるのですが、騎士団や自警団の対応力が低いと言うのは恐ろしい結果を残すとご理解いただけたでしょうか。間抜けなのは愛嬌で済みますが、無能なのは世界のバランスを崩す愚考なのです。

 是非、作者の皆様には冒険者達が安易に道を踏み外さないで済むような世界構築をお願い致します。


 この文章があなたの一助になれば幸いです。

 お付き合い頂いてありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ